現場にアタック

2015年10月15日(木)

担当:阿部真澄

今月1日、神奈川県海老名市にオープンした「ツタヤ図書館」
佐賀県武雄市に続く2例目ということで注目を集める一方、タイの風俗店に関する本が蔵書に含まれていたという問題も発覚しました。
実はこの海老名市の図書館と偶然同じ日リニューアルオープンしたのが、埼玉県桶川市「駅西口図書館」
ツタヤ図書館ほど話題になっていないかもしれませんが、こちらは書店チェーン大手の丸善と連携しています。
どんな図書館か?桶川市・図書館長、山内恵さんに聞きました。

桶川市では、割と小規模な図書館が3館運営をしてきた訳ですけれども、いずれも規模が小さく利便性が良くないというご意見もございました。そういう中で、駅西口図書館を大きくして、書店とお隣同士でやらないかというご提案が去年の10月にありまして、その他にカフェとリラクゼーション。
含めまして、「OKEGAWA honプラス+」というネーミングで10月1日にオープン致しました。

同じ書店と図書館の連携でもツタヤと丸善ではちょっと違うんです。
海老名市のツタヤ図書館は、図書館の中に書籍販売コーナーやカフェが同居しています。
桶川市の場合は、駅前の商業ビル「桶川マイン」の3階に図書館、書店、カフェ、リラクゼーションのお店がそれぞれ別のテナントとして隣接していて、その中心にあるイベントスペースを含めて「OKEGAWA honプラス+」と名付けられているんです。

ただ、本を有料で販売している丸善と、本を無料で貸している図書館、その2つが隣り合わせになっていると、丸善の本が売れなくなるだけなのでは?と思ってしまうのですが、その点どのように考えているのか。
丸善株式会社・企画設計部の伊藤芳則(よしのり)さんに聞きました。

図書館と書店、それぞれ得意な領域って違うと思うんですよ。
書店ではいわゆるベストセラーですとか、雑誌関係ですとか、常に最新の本というものを大量に扱うので、利用者が読みたいという時にかなりの確率で読むことができる。
図書館の方が、世の中に流通していない絶版本、出会えない本を所蔵している可能性が高い。
図書館、書店、それぞれいいところをかけあわせれば、利用者の方が読みたい、知りたい本を手に取ることができる可能性、確率が非常に高くなるというところは、両方を合わせて設置している最大のメリット。

実は、丸善図書館と書店は、自動ドアで直接行き来はできるようになっています。     
また図書館と書店を隔てる壁に窓カラスがはめ込まれていて、お互いを覗きこめる作りになっているんです。
なので、図書館で借りたかった本がなかった場合、すぐに本屋さんに行って探しに行くこともできます。
また、扱っている本の種類が違うこともわかりやすいですよね。


では、図書館については、丸善はどのように関わっているのか。
再び丸善の伊藤さんに聞きました。

今回この新しい取り組みをするにあたっては、より得意にしているところの能力を最大に発揮するようなタッグといいますか、グループ会社の1つである図書館流通センターというところは、既に図書館の業務委託を受けていて、現場に詳しいということも、ありましたので、実際の運営は図書館流通センターにお願いしているという感じです。

この「図書館流通センター」は、全国432館の公立図書館の運営を委託されています。
今回図書館がリニューアルするにあたって新たに設置された本の自動貸出機クラシックなどの音楽配信サービス電子図書本を洗ってくれるブックシャワ―なども、図書館流通センターがもともと持っていたノウハウによるものです。
リニューアルされた桶川市の図書館と、隣接する丸善。利用者の感想を聞きました。

本当は初日に来たかったんですけどすごい混みようだって聞いたので。広くて、明るくて良い。
高校2年生。試験勉強です。新しくリニューアルしてからかなり使いやすくなったって友達から聞いたので(友達も来てるんですか?)知り合いだらけです。
借りたい本が新しくて多分、無かったので、この足で本屋さんの本へ行こうかなと思いました。
ツタヤのはちょっと問題になってますよね。古い実用書とかがあったとかって。そういうのが無ければいいんじゃないですか。

公立の図書館が民間委託することによって、選書に不適切な図書が混じってしまう可能性もあるのではないかと、暗に指摘する声もありましたが、山内さん、このようにおっしゃっています。

あくまでここは公立の図書館ですので、桶川市の運営方針が生きているということに変わりはございません。
ですから週1回選書会議というのをやりまして、本の内容等相談をして発注をしていく。
どこの市町村でもおそらく本の収集方針を持っておりますので広く市民の方にご利用いただけるような本を財産として買うわけですから不適切な本を買うということは、選ぶ時点で通常は選ばないと思います。

桶川市は、不適切な本を買わない仕組みがしっかり整っているということでした。

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