現場にアタック

2015年05月07日(木)

担当:田中 ひとみ

 

 

 

 

今日は日本国内の地質学者が注目する「千葉セクション」についてのお話です。
千葉セクションは千葉県の市原市にあるんですが、なぜ注目されているのか?
地質学が専門の茨城大学の名誉教授で、古関東深海盆ジオパーク認証推進協議会 会長の、
楡井久さんにお話を伺いました。

 

 

例えば江戸時代から明治時代に変わるなどの時代区分があるが地質時代にも時代区分がある。その中の第四期と言う時代に前期・中期・後期とあるが、世界中で前期と中期の間の77万2千年前の時代区分が決められている地層がまだない。
ところが、その候補地がイタリアと市原市の田淵という所にある。それをいま若手の学術的な研究者が一生懸命になって研究して国際論文にしてどんどん出している状態。

 

 

 

 

 

世界的に見ても非常に珍しい地層の千葉セクション市原市田淵の養老川の川岸にあります。

千葉セクション(地層).jpg

 

楡井先生は40年前から研究を続けていたんですが、ここ数年、多くの若手研究者も加わり地層の時代区分が決められていない非常に状態の良い地層だという事が分かったんです。

 

 

また、この地層を詳しく調べた結果、方位磁石が南北を差す磁場が逆転する時代があった事も分かるなど、非常に貴重な地層の発見となったんです。

 

 

 

 

 

ただ、ここでちょっとネックとなるのが千葉セクションと同じ時代の地層がイタリア南部に2か所あるという事。
と言うのも、地質時代の基準となる境界がある場所について選ばれるのは1か所だけで、先生たちは何としてもこの戦いに勝ち残りたい熱い思いがあるんです。

 

 

前期と中期の時代区分の所にゴールデンスパイクと言う金の杭が打たれるんです。
これはどんなに頑張っても世界で1つだけ。その地層が田淵にあるので杭が打たれるとこの時代が千葉時代という名前になる。世界中で千葉時代を使う。なので我々は前期はカラブリアンと呼んでいる。イタリアの地名が付いてる。それ以外は使えない国際的には。ですから千葉時代をどうしても我々は獲得したい。

 

 

 

 

 


この夏に名古屋で行われる会議で内定が決まり、来年の夏に正式にどの候補地が選ばれるのかが決まるそうなんですが、千葉セクションになれば、「千葉時代」「千葉シアン」などの名称が世界中の研究者の間で使われるようになり、千葉セクションは世界的にも知られた地層となるそうです。

 

 

では、そんな可能性を秘めた地層の存在を地元の人はどう感じているのか?
市原市田淵町会長・東田親満さんにお話を伺ってみました。

 

 

先輩の方から噂は聞いていましたけど3月に説明会があった時に話を聞いてまさか私達の身近な所でこういう地層における年代が示すモノがあるという事で正直驚きました。勉強不足かもしれませんけど、そこらの崖と同じかなと思っていました。

 

 

 

 

 

私もきのう、実際に千葉セクションを見てきたんですが、公民館の駐車場から10分ほど歩いた養老川の川岸に地層はあり地質調査の穴が開いていました。

千葉セクション(研究のため地層に開けられた穴).jpg

(楡井先生の説明を聞かないとただの崖かな?と思ってしまいます。。。)

 

 

 

ただ地質学の世界では非常に貴重な地層ですから、楡井先生たちは地元住民や学校の先生向けに説明会や勉強会を開くなどして千葉セクションの価値について知って貰う取り組みを続けています。
また、千葉県や市原市に看板やトイレの設置に関する要望書を出すなどして、内定、そして決定に向けて、研究者、地元住民、自治体が一丸となって盛り上げていこうと考えていて、地層の質でも保存状態でも千葉セクションはイタリアに負けないのではないかと話していました。

 

 

さらに、市原市田淵の千葉セクションが勝ち残れば千葉の名前を世界に広めるだけでなく、他にもメリットがあると楡井先生はこんな可能性を話していました。

 

 

ゴールデンスパイクは必ずしも交通のアクセスの良い場所でもない。時代を決めるし、一番いい所を選ぶ。ですからカナダやアメリカの山奥と決まっていて観光地には無理な所もある。千葉だったら成田空港から車で吹っ飛ばせるし行けるし今度圏央道も出来る。世界中から見に来るし観光地化する。なので看板とかトイレとかその辺をは観光になるから、もう少し理解を含めて整備してくださいよと言うのが我々の立場。

 

 

 

 

 

採用されるためにはいろいろな条件が必要なようです。
千葉とイタリアのどちらが採用されるか、結果が楽しみですね!

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