現場にアタック

2015年01月28日(水)

担当:近堂かおり

今朝の関東はきのうとうってかわって寒くなりそうですが、きょうは薪ストーブのお話。

もし家に置いたら雰囲気があっていいですが、かなり高価で簡単には手が出せない・・・。

ところがそんな薪ストーブがここ数年、たいへん売れているという。

過去20年を見ても、これまでにない人気だとか。

日本暖炉ストーブ協会の中川眞吾理事長に伺いました。

徐々にではありますが人気が出てきてまして、震災以降はかなり出荷も大幅に伸びています。もちろん地方とか山間部の方が多いんですけど一般の住宅でも新築などで検討される方が増えています。寒いほうが多いと思われますが、九州でも意外に多く出ているんです。聞かれるとびっくりするくらい出てますよ。

薪ストーブの販売台数は、ちょっと伸びてはちょっと落ちてを繰り返しながら、長期間かけて徐々に伸びていたが、4年前から毎年、ぐっと台数が伸びているんです。

東日本大震災後、電気でないストーブに注目が集まったのが人気の要因のよう。

あまりの人気で、実は今、燃料となる薪が足りなくなっているらしい!

神奈川県の丹沢山系の麓にある清川村の森林組合の方に聞いてみました。

技術員の井上靖弘さんのお話。


森林組合で販売しているところはすぐに売り切れたりしていますね。人気があるものなので、それを見込んで近隣の森林組合も薪を確保はしていると思うんですが、それでも利用者が多いのでなくなってしまって、ほかの森林組合は、生木(なまき)を販売しているような現状ですね。

薪が足りなくて、乾燥してない生の木まで買ってる、というのでびっくりしました!

そのくらい人気だということですよね。

(もちろん、薪ストーブは、使い方や設置のしかたには十分な知識が必要ですが。)

でもそんなに人気なら、今、山林は間伐がなかなか進まないのが問題になっているので、間伐材を薪ストーブユーザーにどんどん売ったらいいのでは?井上さんにお聞きしました

間伐材ですか・・・。基本的に薪として好まれるのは広葉樹、サクラやコナラなど。スギ、ヒノキだと炊きつけはすごくよくてすぐ火がつくんですが、ススが出てしまうので、後処理がすごく大変だといわれています。

山で間伐が必要なのはスギやヒノキだけれども、スギやヒノキなどの針葉樹は、薪にすると、広葉樹よりもススが多いという。

薪ストーブを間伐促進の後押しにしようという動きは、いくつかの自治体であるのですが、薪ストーブが増えると、どうしても問題になるのが「煙」

せっかく薪ストーブを買ったのはいいけど、まわりの家に配慮して、あまり使ってない・・・、というユーザーもいるという。

それじゃしょうがない、と思ったら・・・。

煙の出ない薪ストーブというのが注目されているというのです!

長野県千曲市にあるモキ製作所という会社が作っている「無煙薪ストーブ」。

本当に煙が出ないの? ストーブを開発した社長の茂木国豊さんに聞きました。

本当です、ほとんど出ません。焚きはじめに青い煙が出るだけで間もなくもう煙は見えません。煙の出る原因は温度。燃焼温度が低いからなんです。従来のストーブが400℃くらいで燃えているんです。ですから煙が出てるの。煙が出てるのは燃え残ったもの。600℃を超えたら出ないと思います。うちのストーブは高温燃焼、800℃で燃えるから煙がないんですね。薪についても、広葉樹だけじゃなくて針葉樹や竹、丸太、なんでも燃料になるの。

『よく燃えると煙が出る』 のかと思ったらそうではなく、本当によく燃えれば煙はほとんど出ない。

完全に燃えきっていないと燃え残った粒子が煙として出るそうなんです。

だいたい600℃になると煙はなくなるが、ヨーロッパなどのストーブは鋳物が多く、あまり高温になると破損してしまう。

茂木さんのストーブは鋼鉄製で壊れない。

広葉樹はもちろん、針葉樹や竹を燃やしても煙が出ない。

高温なので、細く割らずに丸太でもOKだとか。

生木も通常の半分、半年も乾燥すればいい。

これなら処分されずに増えている間伐材や、そのほか色々な木が「資源」になると、茂木さんはおっしゃいます

こんなことを計画しているんです。身近な木質資源で温暖化を防止しましょうと。ゼロエミッションといいまして、木が育つ時に炭酸ガスを吸収して、それが燃えてまた炭酸ガスを出すので、負荷はゼロという考え方なんです。ですから、例えば薪ストーブに使うとか、ボイラーの燃料として使いましょうということ。

煙がほとんど出ない薪ストーブや、同じ仕組みのボイラーや焼却炉が増えれば、今までほったらかしにされていた木を、石油や自然エネルギーに続く、第3のエネルギー資源になれば・・・。

自宅で煙り無く、家庭ゴミを燃やすことができれば、自治体に出すゴミも減らせるかもしれない・・・。

茂木さんは薪ストーブから思いを膨らませていました。

欧米では、暖炉や薪ストーブの煙に対する規制、が始まっていますが、

日本でも、もっと人気が出てユーザーが増えると、「煙」に関する規制も必要になりますよね

使い方のルールや、煙に関する規制、などが今後の課題となりそうです。

ちなみに、茂木社長の会社の、一人用薪ストーブ「俺のかまど」。

こんなに小さいのに、ご飯も炊けちゃうんです!お家にあったら楽しそう!!

俺のかまど.JPG

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