現場にアタック

2014年09月24日(水)

担当:近堂かおり

 

 

秋分の日も過ぎて秋も深まってきますが、今日は味覚の話題

実は今、一瞬「えっ?」と思ってしまうものが、いくつか注目を集めているんです。

それも思わぬきっかけでその商品が生まれたもの。

 

その一つはコレ。コーヒー牛乳のような色をした氷・・・

えのき氷.JPG


 

 

 

 

 

 

 

これは「えのき氷」。

エノキタケを煮詰めて凍らせたもの。ご存知の方もいるでしょう。

エノキタケは内臓の脂肪を減らす効果があるということで、数年前に一躍注目され、さらに今年の夏、糖尿病の予防効果も認められたと発表されたことで、再び人気に。

実はエノキタケの国内生産量は、シイタケやブナシメジ、舞茸より多く、きのこで一番!!

もう20年ぐらい前からずっとトップなのに、その印象は今一つ薄いような・・・・・(^^;)。

それはエノキタケの生産量日本一、長野県のJA中野市の方も感じているようです。

代表理事組合長の阿藤博文さんのお話。

 

 

日本全国の生産量でいうとシメジよりエノキのほうが多いんです。舞茸、エリンギだって全然エノキより少ないですね。

(それなのになんで地味な印象なんでしょう?)表に出ないもん(苦笑)。

ほかのきのこは味や形に個性がある。エノキタケっていうのはね、自分に個性がないんだよね。

すべて相手の料理、味に染まるんですよね。あなた好みに染まるんですよ。

 

 

それにしてもなんで氷にしたのでしょう・・・。

実は、健康にいい効果があるといいましたが、そのためにはまとまった量を食べなきゃならない。

1日100g、毎日食べる。

市販のパックが200~250gだから、毎日袋の半分食べる・・・。それはちょっと大変。

阿藤さんもそう思った。だから初めは、薬草みたいに煎じて飲めばいいのでは、と考えたそうなのです。

それがどうして氷になったのか阿藤さんに聞きました。

 

 

エノキタケを細かく切って表面積を増やせば増やすほどエキスが出やすくなるので細かく切ると、まな板の上がバンバラバンになっちゃうんですよ、散らかっちゃって。面倒くせえからミキサーにかけちゃえって入れたんですけど、カタカタ回ってるだけで、砕いてくれない。きのこは貼り付くし。しょうがねえやと思ってコップ2杯の水を入れたら20秒ぐらいでドロドロになって。火にかけて煮出したんですけど、冷蔵庫に入れて10日ぐらい経つと悪くなっちゃう。カビが生えてきたり、酸っぱくなってきたり。だからいっそのこと凍らせちゃえって思っただけなの。

 

 

阿藤さんけっこう行き当たりばったり・・・(笑)

でも、これが実は大正解だったのです。

東京農業大学の先生に相談してみたら「理にかなっている」と太鼓判を押された。

実はエノキタケは栄養や食物繊維がほかの野菜と比べても豊富。

思いつきのような阿藤さんの作り方だと、エノキダケの細胞壁がうまく壊れて、そのエキスがたっぷり出ていたのです!!阿藤さん、すごい!

 

今、某ネットショッピングのサイトの人気ランキングを見ると、きのこのなかでは、マツタケ、えのき氷、マツタケ、えのき氷・・・という人気ぶり。

それでもJA中野市の阿藤さんには、「きのこを食べる食文化というのはこれからだと私は思っているんです。植物・動物、プラス、きのこを第三の食料として毎日食べていただけるような産業にしていきたい」というもっと高い目標があるのです。

きのこは秋から冬はよく食べるけど、夏場も含めて、一年通して、野菜、肉、きのこ!・・・を目指すのです!!

 

 

そしてもう一つ、この秋、注目を集めているのが、「バニラの香りのするお茶」。

これも一瞬「え?」と思ってびっくりしたのですが・・・。

きっかけはこれも思わぬところにありました。

 

今年このお茶を本格的に売り出した埼玉県日高市のお茶園「吉野園」の吉野誠一さんのお話。

 

 

ペットボトルに(お客さんが)移動してしまったり、お茶自体を飲まない家庭がかなり増えているもんですからウーロン茶も紅茶も作って出しているですけれど、紅茶をやってみて、こんないい香り時があるのになぜここでお茶を作らないんだろうって考えたのがきっかけになったんです。紅茶の場合は、水分が50%ぐらいまでしおらせてしまう(萎凋と言うそうです)んですけど、その途中にいい香りの出る時間帯があるんです。ちょうどお茶を積んできてから5~6時間経ったところにすごい香りが出る時があるんです。その時作るお茶がこの「夢わかば」なんです。

 


こんな感じの見た目です。

バニラ茶.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

お茶が飲まれなくなる中で、吉野さんは何とかしようと紅茶も作るようになったら、とてもいい香りがするお茶の木に出会った。

埼玉県の試験場に品種改良を働きかけ、さらに自分の畑で改良を重ねて8年かけてようやくできた。

つまり、香りを付けているわけではなくて、お茶の木、葉、そのものにほんのりバニラの香りがあるんです!

ジャスミンなどのお花の香りと、言う人もいましたよ。

私は緑茶大好きなので、正直ちょっと抵抗があったのですが、ほんのり香るので、お茶そのものの味の邪魔をすることもなく、とっても美味しかったです!

 

しかし、一見、奇をてらったようにも見えるバニラの香りのお茶ですが、

実は、深蒸しのお茶、一辺倒になっている、今のお茶づくりに対する考えがあってのことだといいます。

再び吉野さんのお話

 

 

緑色の深蒸し茶ならなんでもいいって言っていたんですけど、深蒸しは強く蒸してしまうので香りの成分をかなり飛ばしてしまっているんです。それで緑には出るんだけれど香りのないお茶の製造方法にずっときているもんですから。

味には重点を置いていたんだけれど、新茶の香りとか新芽の香りのするお茶づくりというのが忘れられているのが現状。

香りの出るお茶というのはそこに原点がある。

 

 

 

たしかに、最近深蒸し茶、ばかりで、黄色っぽい色に出る浅蒸し茶はお目にかかりません。

でも、消費が落ちているときは、濃い緑色が良い!といった消費者の声は無視できませんものね。

でも吉野さんたちは、やっぱり香りを取り戻そう、と考えたのです。

農家や生産者の方たちの試行錯誤を重ねて、目新しいものを作りながら、一方ではスタンダードのものの良さも残していこうとしているんですね。

 

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