現場にアタック

2013年10月31日(木)

担当:中島 彩

 

今日は、京都大学の大学院生が独自に研究し発表した
とある「新素材」のお話です。
今年1月に発表した
『マシュマロゲル、略してMG1(エムジーワン)』
と呼ばれる新素材なんですが、どんなものなのか、
論文を発表した京都大学理学研究科の、
早瀬元さんのお話です。

 


    
    1月に発表した、マシュマロゲル、
    MG1は水を良くはじいて、油を良く吸い込む     
    という特徴で、油を効率的に水から取り出すことができる。
    また、何度でも使えるようなやわらかくて丈夫な素材なので
    何かに使えると発表した。そこも特徴。

 

 

MG1は、撥水性と呼ばれる水を弾く事にとても優れていて、
さらに今までの撥水性をもつ素材は硬いものがほとんどだった中、
マシュマロのようにやわらかいというのも特徴で、
マイナス130度~300度の
間でもそのやわらかさが変わらないということで注目されています。   
そしてさらに、MG1が注目される最大な特徴があるようなんです。
再び早瀬さんのお話。

 

 

    今回作ったものは中学生や高校生が
    実験室で作れる簡単なもので原料も手に入れやすい。
    似たような研究というのは今までもあったが、
    できたということに気づいて改良した人はなぜかいなかった。
    こんな単純なことに気付いた人がいたら先に発表してるはずなので、
    気付いた人はいなかったんだと思います。僕はなるべく
    楽したくて、楽な方法はないかと探して発表しました。

 

 

「開発した」というより「気付いた」という方が近いらしいんです。
製造方法も、水溶液に5つの素材を入れ80度のオーブンで5~6時間温めるだけ。
なんで誰も気付かなかったのかと早瀬さんが思うほど簡単なもので、
そこに気付いたということで、話題になっていました。
しかし、実はこれ今年の初めのお話。
なんと早瀬さん、また何か新しい素材を
作れないかなと考え、先月また新しい事に「気付いた」んです。

 

 

    1月に発表したのは水は弾くが油は吸うというものだったが、
    これは逆に言うと油は弾けないということ。
    目指すなら科学的にすごいものをと油も弾くというものを作った。
    水だけ弾くというよりすごいもの。MG2と呼んでいます。

 

 

今度のMG2は、ドイツの科学誌で先月発表されたもので、
水だけでなく油も同時に弾くというもの。
MG1に比べて製造時間は少し長くなるんですが、
ベースは同じなので今回も難しいものではなく簡単に作れます。
水と油を同時に防ぐ
撥水性と撥油性をかね揃えたものは自然界にも存在しないので、
作るのは、すごく難しいものとされていてまた注目の発表となりました。
そしてMG2は、今までの問題点を解決するかもしれないんです。
そのひとつが車の窓ガラスの汚れの問題。
車の窓ガラスのコーティングを
製造している、エスプリジャパンの寺尾圭二さんにお聞きしました。

 

    雨の中に含まれるカルシウムなどミネラルなどの
    汚れというのが1点。
    あと排気ガスに含まれる油汚れ。
    というのが一般的なガラスの汚れ。
    撥水させるということは逆に油が付きやすい方向に
    どうしてもなってしまう。そこが従来の問題点。
    一般的に撥水させるとは撥油はできない事が多い。

 

 

寺尾さんはMG2の発表を聞いて
「すごく興味深いもの」とおっしゃっていて、
実はこの他にも早瀬さんの元には、この素材を応用して色々なことに使えると、
国内・国外合わせて数十社からお話を受けているそうで、
▼水蒸気も弾くということを利用して、
 ニオイの成分を分析するのに使える。だとか、
▼やわらかいという特徴と合わせて、枕に使えるんじゃないか。だとか、
▼応用すればクスリ効果時間が長くなるのでは。とか、
本当に色々なものに使えるのではと言われている。
開発はこれからですが、私たちの周りにMG1、MG2を
使ったものが現れるのは遠い話ではないかもしれません。

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