現場にアタック

2013年06月19日(水)

担当:近堂かおり

 

 

このところ、値上げの話題多いですね。

大塚家具が今月から家具を値上げ、アップルもiPadやパソコンを値上げ、パン各社も来月から値上げとさまざまなものの値上げが相次いでいます。

そして、次に値上げの対象になりそうなのが、「羽毛布団」。

というのも、「羽毛布団」に使われる「羽毛」が値上がりしているんです。

またまた、アベノミクスによる円安の影響かと思ったら、どうも理由はそれだけじゃないようです。

羽毛製品の業界団体・日本羽毛製品協同組合 専務理事の山本正雄さんのお話です。

 

 

去年末からの急速な円安、それから鳥インフルエンザ。この影響で羽毛原料が供給不足になって、価格が急騰してすでに4月の価格以上に1.5倍以上に価格が高騰しております。
中国政府はSARSの問題もあって鳥インフルエンザが蔓延することを恐れていますので中国政府としては農場からダック、あるいはグースの羽毛を出荷するのを止めている状態ですね。

そうです。鳥インフルエンザの影響。

羽毛布団に使われる、アヒルやガチョウといった水鳥の羽毛が鳥インフルエンザの影響で輸入がストップした影響で価格が高騰。

円安もあいまって以前はキロあたり50ドル台後半だったものがキロ100ドルぐらいまで値上がりしているんです。

このままでいくと「羽毛布団」も値上げしなければならない・・・。

 

日本は羽毛を自給できない。そこで中国、台湾、ヨーロッパやロシアなど30カ国からの輸入に頼っている。

特に日本が輸入する羽毛3900トンのうち44%にあたる1700トンが中国産

それが鳥インフルエンザによる生産中止でまったく入ってこない状態。

 

2004年の大流行でも中国国内の生産は中止に。

しかし、日本へはヨーロッパから輸入したので問題なかった、ということなのです。

では、今回もヨーロッパから輸入すればいいじゃないの?と思ったので、山本さんに聞いてみました。

 

 

 

生産国である中国が生活水準のレベルアップで消費国に転落したことで中国の国内需要が増えた。
圧倒的に中国と台湾に日本は依存していましたから当然ヨーロッパからのほうにシフトしていくと思うがヨーロッパの原材料の供給量がもともと分母が小さいですからその意味ではかなり限界があります。

中国が羽毛消費国に」なり、ヨーロッパから羽毛を輸入する国になったので、日本の取り分が減ってしまったのです。

 

が、さらに、「鳥インフルエンザ」「中国の消費拡大」以外にも羽毛業界をめぐる厳しい状況がありました。

 

羽毛生産に詳しいふとん屋さん・ふとんのせいぶの店長の石川かつゆきさんです。

 

 

 

羽毛布団に使う羽毛は副産物。それをとるために飼育されるのではなくて、これは食べるために飼育していた。
ダックやガチョウだが日本では鶏肉が一般的。チキンのほうが食べておいしい。飼育期間もチキンのほうが短く出せるんで農家としてはそっちにシフトしているからどんどんグース、ガチョウとダックの生産量が減っている。
すると当然取れる量も減る。供給が減ると価格が上がる。

 

食生活の変化による「鳥の飼育量の減少」も価格高騰の原因。

 

もとは羽毛をとるためじゃなくて食べるための鳥だったのです・・・。

ダウンとして使われるのはヨーロッパではガチョウ、中国ではアヒルの羽。

 

元はそれぞれ食用として飼育され、それぞれフォアグラ、北京ダックなどになっていて、その余りとして羽を使っていた。

ところが食生活が変化。

ヨーロッパではフォアグラは栄養過多ということでもうひとつ人気に陰りがでているし、

中国ではアヒルが鶏代わりに食べられていたが、人々が豊かになり、牛肉や豚肉、鶏肉などを、庶民が食べるようになり、アヒルがあんまり食べられなくなった。

羽毛はあくまでもオマケなので、肉として売れないのなら、と飼うのをやめる農家が増えた

 

この結果、鳥インフルエンザで1.5倍になる前から、3年で5割ほど値上がりしていたのです・・・・。

 

 

 

流れを整理すると、「鳥の飼育量が減」って「中国の消費拡大」し、5割ほど値上がりしていたところに「円安」と「鳥インフルエンザ」が加わって4重苦の状態。・・・・・(TOT)

先日、「鳥インフルエンザ」については「終息宣言」が出ましたが、あれは上海など行政区単位でのもので、WHOが「終息宣言」が出るまでは輸出再開はないと見られていますから・・・。羽毛布団は、この冬値上がりしそうだけど、一体どうなるのか。

羽毛布団の「直接的な値上げ」も懸念されるが、いま危惧されるのは「裏値上げ」。

 

直接的じゃない「裏値上げ」とは一体何なのか、再び、石川店長のお話です。

 

 

 

値段を上げないもうひとつの手段としては品質を下げるという選択肢がある。
要するに同じ値段にするために、今まで入っていた中身を落とすとか今までだったら綿100%だったものをポリエステルにするとか、見た目は値段が一緒なんだけど、実はスペックが下がっている。それも事実上の値上げ。
同じ3万円だけど昔だったら2万円だったものが3万円になっているだけで。触ってみると生地ががさがさして気持ちよくないとか。あったかくないということもありえると思います。

 

羽毛製品関連業者は現在予定生産量の半分程度しか羽毛を確保できていない

中国がいますぐに羽毛の輸出を再開したとしても、下手すると必要な量の半分しか製品化できないかもしれない。

しかも、この前の冬は寒くて、羽毛製品はよく売れた!!つまり、各社、在庫が少ないので値上げは必至ということなのです。

 

 

さて、値段は同じだけど、昔よりふかふかじゃない羽毛布団を選ぶか・・・・・。

昔どおりにふかふかだけど高い羽毛布団を選ぶか・・・・・。

羽毛布団は買わないわ、という方も、ダウンは布団だけじゃなく、ダウンジャケットもありますからね。

やっぱり、ちょっとピンチな状況ですね。

 

ちなみに、ふとんのせいぶの石川店長は、「ちょっとがんばっていい羽毛布団を買って、リフォームしながら長く使うのが、オススメ」と話してました。

10年おきくらいに一度、リフォームすればいいということですよ。

さてさて、どうしましょう???

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