現場にアタック

2013年03月26日(火)

担当:近堂かおり

 

今日は雑誌の話。

というのも、ここ最近、通常の雑誌を一回り小さくした「ミニサイズの雑誌」が相次いで登場しているんです。

しかも中身は同じでサイズだけちっちゃい・・・。こんな風に。

 

雑誌ミニサイズ.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ、小さいサイズを作り始めたのか?

婦人画報などを出版しているハースト婦人画報社 販売本部長 田中精一さんに伺いました。

 

 

小さい方が、何よりも軽くていい。持ち歩ける。バックサイズという事もあり非常にウケていて、当社の本だと小さいサイズを出す事によって30%くらい部数が増えた。「ファッション誌はでかい方がいい」という既成概念があったが、小さい方が可愛いという声が多い。ミニ版=若い人というのを念頭に置いて仕掛けを組んでいる。それで新規読者を増やしていこうと思う。

 

大きさは通常版の70%の大きさで、重さも通常版の55%とおよそ半分。

別名バックサイズ(バックに入るサイズということですね)ともいうらしく、持ち歩きやすい。

こちらの雑誌社では、通常売られている雑誌のサイズに加えて、今年1月から、不定期ではあるがミニサイズの販売を始めた。

これまで、20代〜30代の女性向け雑誌を2種類、男性向け雑誌(先週発売)1種類の計3種類出しています。

今後は、出版社で扱っている雑誌のミニサイズをどんどん作っていく予定で、来月は、ついに「婦人画報のミニサイズを通常サイズとともに発売します!!

 

確かにいままでにないサイズなので、新規の読者を増やすにはいいかも。「おっ!」って思いますよね。

 

しかし、若者向け雑誌には小さいサイズが向いているが、大人の女性向けの雑誌も小さいサイズにする必要があるのか?

縮小版なので、写真だけでなく字も小さくなりますしね・・・・(TOT)

再び田中さんに伺いました。

 

 

 

定期購読を募集して、長く囲い込みたいということで、2年の定期購読などもやっている。そうなると読者も2歳 年を取る。それに合わせて本を作っていかなくてはいけない。本の内容も年齢が上にいく傾向にある。一緒に年齢を重ねていくのは雑誌の宿命。そうは言ってもずっと年を取ってしまうと雑誌の本来の内容からかけ離れてしまうので、常に、若い新しい読者を取っていくということが必要。

定期購読で長く読んでくれている読者は、当然年齢を重ねる、となると内容もそれに合わせる・・・・という繰り返しは、その雑誌の本来のターゲットからずれていくんですね。

だからといって、たくさんの顧客がいる年齢層を無視して、若者向けに雑誌の内容を急に変えてしまっては、元も子もなくなってしまうので、そんな事はできない。

そこで、中身ではなく、サイズを変えて、とにかく手に取ってもらう事で、若者に関心を持ってもらい、内容も読んでもらおう!という作戦に出たのです。

それが、もしかしたら今後の固定客、雑誌の若返りとなるかもしれないということなんです。

 


このミニサイズは他の出版社でも見られるそうで、去年の秋口から出てきているという。

本屋では、この動きをどう見ているの?紀伊国屋新宿本店 雑誌売場担当 矢田諭さん

 

 

 

小型版は私どもの店舗では調子はよい。ほぼ消化率100%に近いが、本誌と小型版を合わせると、売り上げは微増という感じ。今回は、小型版が出ているという噂を聞いて普段より若い方が話題書というカタチで買っている。売り手としては、店頭でお客さんが選ばれる選択肢が増えたという認識で客に勧めする要素も増えるので、好材料と受け止めているが、陳列の時に若干凸凹するので苦労はある。

 

ミニサイズ、発行部数としてはそんなに多くないものの、入荷した部数は売れているそうなんです。

が、本屋さんとして少し困るのはレイアウト。

サイズの違いを出すために、通常版とミニサイズを並べて平積みにすると、大きさが違うため、どうしても凸凹になってしまう・・・!

しかし、それがお客さんの目を惹いて、手に取る方も多いといいます。

 

人気のミニサイズ、実際あなたなら買いますか?街の人に聞いてみました。

 

 

 

●小さい方が、買ってカバンに入れて持って帰れるので、中身の容量が変わらないんだったら小さい方がいい。

●最近小さいカバンを持つ事が多いので、小さい方が便利。

●大きい方がいい。文字や写真が混み合ってる感じに見えるから・・・。

●大きい本でこれくらいの字だと読みにくいが、本自体も小さいので違和感はない。

●読む場所による。美容院だと大きい方がいいし、通学中に読むのであれば、小さい方がいい。

●電車の中で雑誌読んでるのがかっこわるい。これぐらいだと恥ずかしくない。本音はタブレットの方がいい。

●大きいのは重い。疲れる。ほとんど持ち歩く事はないが、旅行などで列車で読もうかなという気になる。

 

 


 

雑誌を持ち歩く、持ち歩きたいという人が意外に多くてビックリしました・・・。

また、70%の大きさに縮小された文字だが、苦にする人はほとんどいなかった(!!!)

 

 

これだけミニサイズが人気なら、もしかしたら今後、雑誌は全体的にミニサイズになる?

最後にハースト婦人画報社の田中さんに伺いました。

 

 

 

 

もし、そういう声が増えてきたらあると思う。将来はあるのかもしれません。ただ、あまりミニサイズばかりになると果たして読者が喜ぶかも分からない。いろんなことやってみながらこれからは付録も付けるし、小ちゃいのも出すし、デジタル版も見れるようにするしみたいなカタチで、手間はかかるが、そうは言っても読者に喜んでもらわないと、商売始まらないので。昔から常に頑張っていたがチョットしたがんばりだと下がっていく。常に新しい提案をしていかないと生き残れないのが現状。

   

とにかく、きっかけはなんでもいいんです!

一度、手にとってもらいたいのです!!!

これまで出版社は、大量生産してコストをさげるために、あえて通常の雑誌サイズから外れた大きさは作ってこなかった、つまり、内容以外に目を向けて来なかった

しかし、そういった効率の良さなどは、今回はある程度度外視。

手間もコストもかかるけれど、それ以上に新規顧客がほしいのです!切実に!!

 

これまでの概念に捕われずにチャレンジしていかないと、と仰っていました。

個人的には、ミニサイズ、見かけるとつい買ってしまいます。

これで、文字がもうちょっと大きければな~とは思いますが、持ち運ぶにも取っておくにも、いいですよね。

手に取ってもらうという意味で、小さいサイズを作ったのは画期的。

今後は、さらにその先を求められることは確実です。今後どのように客を刺激していくのか、雑誌好きとしては期待してます。

 

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