現場にアタック

2012年10月18日(木)

担当:岡島知世

中学校の部活動に異変が起きているという話。
東京都の杉並区立和田中学校で、この夏「休日」の部活を大きく見直す動きがありました。
一体どういうことなのか? 
杉並区立和田中学校 校長の代田昭久さんのお話です。


 

    土曜日と日曜日の部活をプロの外部コーチを契約して
    各部活動、1回500円で活動に生徒が参加する。


 運動部の休日の指導をスポーツコーチに委託するという取り組み。
部の保護者会がコーチの会社と直接契約を結び、
生徒1人当り1回500円を払います。
いつも顧問をしている先生は土日部活に参加しません。
この夏からサッカー・テニス・バスケ・野球など6つの部活動を中心に本格化。

なんでこのようなことを始めたのかというと、

きっかけは3年前にサッカー部の先生が家庭の事情で土日の練習が難しくなったこと。
ただ、保護者からもっと練習したいという声があり、

そこで校長先生が、たまたま知ってたコーチ派遣の会社からプロを頼んだことから始まっています。

そうしたら今度は、野球部の先生から土日が難しいという声が・・・。
そこで、土日の部活動の全体の見直しが必要になったのです。
でも、どうしてこんなことになったのか再び校長先生のお話です。

 

    もともと部活動自体が土日は先生の善意が前提。
    基本的にはボランティア。もっと言うと、月~金曜日の
勤務時間以降もボランティア。
    そこは先生が土日できないとなったら校長としてはあえて出てくれとは言えない。
    やっぱり家庭の事情でどうしても部活がみれないのは当然のこと。

 

校長先生は「ボランティア」と言っていますが、公立の先生は・・・
時間外勤務の給料は「みなし」で払われることは払われます。
ただ、青天井ではなく、それが極端に少ないのが現状です。
しかもそれは昭和41年の勤務状況調査から今も変わらずそのまま。
さすがに今と昭和41年では先生の仕事量も違うはずなのに・・・。

そこで、家庭の事情などもあるので、
土日の負担は軽くしようということにした、というのが、学校側の意見です。

では、実際に生徒・父兄側はこの仕組みをどう思っているのか。

 

    (生徒1)専門の人の練習は毎回新しいことが経験できるので、平日に活かせていい。
    (生徒2)コーチに一生懸命教
えてもらえるのでうまくならないと、という思いが強い。
 

    (父兄)先生の事情はよくわかるけど土日に練習ができないのはつらい。

         やっぱりこういう形ができたことはよかったなと思っています。

 

生徒は、先生よりもプロのコーチに教えてもらえるというところが嬉しい様子。
保護者は、とにかく続くならお金を払ってでもやってほしいという声。
要するに、部活を教育と考えるか、ただのスポーツと考えるか。
こう聞くと、部活というイメージが、学校という場所を借りての習い事感覚に

変わってみえました。

そこで、この「部活動の有料化」について、
もうすこし広く、街の人はどう思うのか、聞いてみました。

 


    ●それは反対ですね。
     杉並区だったら杉並区で責任をもって呼ばないと父兄とかの信用なくす。
    ●ちゃんと先生たちも休みは欲しいんだろうけど。
     自分達もそういうことしてきたという大人の目線から
     子供を見てあげてもいいんじゃないかなと思います。
    ●部活も学校生活の一部なので有料化して制約がかかってくるのはどうなのかなと
思う。
     そもそも先生たちのボランティアに支えられているのがおかしい。
     だからといって父兄からとろうというのもおかしい。

 

街は基本的にはみなさん「反対」の声。
「部活はスポーツではなく教育」と、
「先生の負担を家庭につけかえている」という声でした。

こうした反対の意見もある中、校長先生は、有料化の取り組みについて
こんな主張もお持ちでした。


    嫌だったら参加しないという選択肢があるのでいいし。
    ボランティアの中でも大変だろうと思うのがとにかく休日。
    家庭の事情があるのに部活ですべてを「犠牲」にしなきゃいけない。
    ここは「権利」として休んでいただきたいと思う。
    すくなくとも教員のやらなければならない教育活動ではない。


教育のあり方を考えさせられるものかもしれません。
皆さんは和田中の取り組みをどのように考えますか。

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