現場にアタック

2012年10月01日(月)

担当:白井京子

 

今日は「動産担保融資」についてのお話です。これまで銀行などの

金融機関から融資を受ける場合、担保というと土地や建物など不動産が

一般的ですが、物や在庫など動かせる財産を担保とした融資が

動産担保融資なんです。

実は先週金曜に飲料や調味料などを扱うカゴメが

動産担保融資を活用しました。まずはどういう事なのか?

カゴメ株式会社・広報グループの仲村亮さんにお話を伺いました。

 

トマトペーストを動産として評価して貰いそれを担保に10億円を

三菱UFJ信託銀行から借り受ける。我々もこうした融資は初めてで

日本でノウハウを積んで海外の子会社で運用出来ればと。

 

 

カゴメが今回初めて動産担保融資を利用する事を決めたのは

融資を受けないと会社がマズイという訳ではなく運用のノウハウを積むため。

というのもカゴメの海外拠点では子会社が人や物については現地化

出来ているそうなんですが資金調達は現地化が難しい。(親子ローン等)

なのでまず日本でノウハウを蓄積して海外子会社の独自の資金調達の

1つの方法として取り入れたいという考えのようなんです。

 

調べてみると日本国内でも2005年に動産を担保として登記出来る制度が

スタートしていて国内の中小企業などで動産担保融資の活用が

徐々にではありますが広がっているようなんです。

そこで企業と金融機関の間に入り動産を鑑定して評価を行ってる

NPO法人・日本動産鑑定理事長の久保田清さんに

動産担保融資の対象はどんな物があるのかお話を伺いました。

    

動産は個別動産と集合動産がある。個別は機械類で旋盤やCTなど

集合は原材料の小麦、大豆、糸。製品では衣食住が全部入り靴やタオル

食品は梅干、ハム、冷凍マグロ、ワイン、日本酒などなど

世の中に動産と呼ばれるものは2万位あると思って貰っていい

 

 

現在、動産担保融資を受けられるのは株式会社や有限会社のみで

個人事業主には認められないそうなんですが、不動産以外の物は

ほとんどが動産担保の対象になるそうで(植物など一部難しい物もある)

久保田さん達が企業から動産の評価を依頼された場合、

物によって変わるそうなんですが50~100項目のチェックリストを基に

(臭いや手触りなども含め)動産の価値を鑑定・評価するそうなんです。

久保田さんにお話を伺うと、動産担保融資は単純に原料や在庫が

沢山あるから融資が受けられる。という訳ではないようなんです。

 

 

動産を評価する部分が出てきたので今まで手が付けられなかった商品の    

中味、原材料、仕入れが妥当なのかまで見れる。すると決算書だけで

企業の分析していた金融機関の融資判断が今度は企業実態をプラスして

判断が出来るようになった。動産で企業実態が分かり金融機関も

リスク排除の仕方の1つとしての動産担保融資なんです。

 

 

実は久保田さんは元々銀行の融資の現場におよそ30年間勤務し、

バブル期には支店長をしていたそうバブル崩壊後、多くの中小企業から

資金繰りの相談があるのに不動産や保障などの担保がない為に力のある

中小企業に融資が出来なかったという苦い経験から、日本動産鑑定を

2007年に設立して動産担保融資を世に広めようと活動していて、

去年は日銀が企業の成長支援貸出として動産担保融資を取り入れるなど

日本国内でもやっと大きな流れになってきたと久保田さんは話していて

今後もまだまだ広がりを見せるのではないかとこんな話をしていました。

 

 

 

アメリカは50年位前からあるがいま融資残高は約40兆円。

日本は5千億弱でのびしろはある。今まで不動産と保証人に頼ってきた

融資体系、制度が大きく見直される。企業の方も不動産があっても

無くても自分の仕事の製品・商品・原材料がしっかりしてれいば

キチンと見てくれる金融機関がいて仮に資金が必要になったら自分の

会社を見てもらった上で判定して貰える時代が来たということ。

 

こういった、「動産担保融資」という新たな融資の流れが、

今後、中小企業をはじめ、国内企業のあり方が変わっていくのかもしれません。

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