現場にアタック

2012年07月04日(水)

  担当 山崎景子
                                           

先日公開された去年1年間の国会議員の所得報告書で、鳩山由紀夫、邦夫兄弟が
母親からそれぞれ42億円の生前贈与を受けていたというニュースが報じられました。

42億はともかく、、、「生前贈与」って聞きなれませんが、そういう制度なんでしょうか?
落合会計事務所の税理士・落合孝裕 さんに聞きました。

 

    生きているときにある人から別の人にものをあげること。
    相続は亡くなったときに発生するもので財産が一定額以上あると相続税を納めることになる。
    一方、生前贈与はそれを生前に行うので、相続税をある意味先払いするイメージ。
    ただし、贈与税には年110万円の控除があるのでその分には税金がかからない。

 


「生前贈与は相続税の前払い」みたいなものなんですね。
 贈与税は年110万円の控除で、
 相続税は、5千万円+相続人一人当たり1千万円の基礎控除額を超えると税金がかかります。
 ちなみに両者を比べた場合、贈与税の方が高いです!
 (両者の良いところどりで、年110万円分、税金がかからない生前贈与を行って、
 相続税を減らそうとする人も多いそう。)

 では、42億の場合は、生前贈与のほうが、2千万円ほど高いんです!
 なぜ鳩山さんはわざわざ高いほうの生前贈与したのか、再び落合さんに聞きました。

 


  今回は株式の贈与もしたとあり、今は株安の時代なので、安い価格のまま贈与できる。
  また、株式の場合毎年配当を受けることができるので生前に贈与するとその後の配当金は
  もらった側が受けることができるので現金より有利な贈与だと思う。
  さらに、今国会で、一緒に相続税の増税も話があった。平成27年から相続税と
  贈与税が5パーセントが上がることになっている。

 

 


株の場合は生前贈与のほうがお得!なんです。
鳩山さんはブリヂストン株が100万株(18億円相当)ずつ生前贈与されているんですが、
贈与しなかったら去年の実績で年間配当2200万円×2だけお母さんの所得になるので、
後々そのお金に相続税がかかってしまう。
なので、贈与をしておけば、配当金は自分のもので、株が値上がりすれば
自分の儲けになるわけです。

もうひとつ!鳩山さんが今回生前贈与を使った背景には、相続税引き上げ問題があります。
民主党は一般庶民を直撃する消費税だけ上げるのは不公平だということで
相続税引き上げを検討中。
国会の混乱で先送りになっているが、社会保障と税の一体改革大綱によると
平成27年度からは相続税と贈与税が現行の50%から55%に引き上げられるんです。
今回の鳩山兄弟の場合、早めの贈与で2億円づつお得だったんです!

これまで億単位の話をしてきましたが、、、
「生前贈与」している人は鳩山さん以外にもいるのか、街行くみなさんに聞いてみました。

 

  ●ないです。税金が高いと聞いているのでない。
  ●ないです。財産がないのでないです。
  ●健康に不安が出たときは考えるが、今のところない。

 

 

みんな財産がないから生前贈与はしない、、、とのこと。
となると、一般の人は相続税が当てはまりますが、
落合税理士に聞いたところ、日本人の95%は相続税支払う必要はないそう。
というのも、現在のところ遺産が5千万円以下であれば相続税はかからないんです。

ただ!相続税の増税が決まれば、基礎控除額も4割引き下げられるので、
遺産がだいたい3千万円以上の人はの人は、相続税が必要になってくる可能性もあるんです。

とはいえ、大部分の人は相続税は払わないですが、「相続」については多かれ少なかれ
しないといけないわけです。
いろいろ心配事もありそうですが、話を聞いているとこんな人たちに出会いました。

 


  ●(夫)財産がないので心配ない。隣にいる大蔵大臣がしっかり把握している
   →(妻)心細い。そのとき考えるといって話を聞いてくれない
  ● 年を取ってきて、銀行の暗証番号とかを機械の前で考えてしまうことがあるので、
    それが不安で今、子どもたちに少しずつ教えている。
  ● 今ここで何かあったら、たぶん家族のものはわからないと思うので最近暗証番号は
   変更して統一するようにしています。

 

 

カードが何種類もあったりすると、どれがどれだかわからなくなりますよね。
例えば奥さんが財布を握っている場合、どこの銀行の口座にいくらあるとか、
株がいくらあるとか家族は知らないことも多いそう。
また地方では、死亡届が出た途端、銀行口座が凍結されるところもあるそうなんです。

親だっていつまでも元気なわけじゃない。
ということで、落合さんに一般家庭でも備えておくべき対策について聞きました。

 

 

  一般家庭でやっておいたほうが良いのはどういった財産があるのか一度洗い出す。
  本人はわかっているが、周りの人がわからなかったり、本人も思い返さないと
  わからない口座があったりとか、そういった財産簿ができれば
  元気なうちに作っておけば、残された人はやりやすいと思いますね。

 

 

物事がはっきりしているうちに財産の話しはしておくべき!
生きているうちに財産の話をするのはなんとなくタブーの人が多い。
でも、落合さんによれば少額の遺産でも相続で、もめることも少なくないそう。
多い少ないに関わらず、いくらぐらいの財産があるのか知っておくことは必要ですね。

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