現場にアタック

2011年09月28日(水)

担当 山﨑 景子

そろそろ秋祭りの季節ですが、今日はお祭りの露店で見かける「ポン菓子」の話。
大きな機械にお米などを入れて加熱して「ボン!」
菓子はたまに食べますが機械は見たことがない!
私にとっては「昭和」の風景ですが、今でもポン菓子機がコンスタントに
造られているそうです。しかも実は年間90台くらい売れているそう。

その機械「ポン菓子機」を製造している荒川区の工場が、今、
「卓上用ポン菓子機」を開発中なんだそうです。
その名もずばり「有限会社ポン菓子機販売」。
なんでまたそんなものを造ろう
としているのか。社長の吉村文明さんに伺いました。


  これが今考えている「パーソナル・ポン菓子機」。
  ねらいとしているのは30代、40代でお嫁に行かない人。
  そういう方は流行に敏感で、結構お金を使うんですよ。
  例えば、掃除機で夜中くるくる掃除してくれるアレとか、
  パンが焼けるナントカとか。そして、スーパーとかコンビニでシリアルを
  買っている...。そこで、この機会(ポン菓子機)をうんと小さくすれば、
  マンションのキッチンでかわいい音がポンとするくらいに...という感じで。
  できたらIHとか電気で加熱して、朝から「ポン!」ですよ。


オシャレ家電の一つにしたいそうなんですね!!
インターゲットは30~40代の女性。
朝、小さな機械をテーブルに置いて、手軽に「ポン」...というコンセプト。

今年は震災があったために、春のお祭りは各地で軒並み中止。
でも秋祭りは盛大に...ということで、夏以降、全国から注文がどんどん来ているそう。
ただ最近は地域のお祭りなどは小規模になって、昔のように大量のポン菓子
は作らなくなってきた。そこでポン菓子機を小型化して個人で楽しんでもらおうと
しているそうなんですね。
 
ただ、マンションの部屋で使ってもらうとなると、問題は「音」。
卓上用はまだ開発中なので、、、
今あるなかで一番小型のタイプのを聞かせてもらいました
ミシンくらいの大きさの機械なんですが、、、どうでしょうか??


聞いてみると、、、「ボン!!!!」っと
運動会のピストル音以上の音!!!
小型のものでも結構大きな音にビックリ!!

でも吉村さんは改良に自信があるようで、サイレンサー付けますからと、
余裕の表情!
今年中には形にして、来年3月には完成させる予定だそうです。


ところでこの吉村さん、てっきりこの道数10年という職人かと思っていたら、
北九州で30年間、小学校の先生やっていた方でした。

なぜ小学校の先生がポン菓子機の製造なのか?
話を聞くと、実は日本でポン菓子機を開発した人というのが、
吉村さんのお母さまだそうなんです。
しかもまだお元気。吉村利子さん、85歳。
今も北九州でポン菓子機の会社の
社長をなさっている。
利子さんがポン菓子機を造るようになったいきさつを伺いました。


  戦争中、大阪で小学校教師をしていて、空襲があって子供をばっと抱いた
  時にすごくやせていたんです。もう食糧難で下痢ばっかりでね、消化の
  いいものをおなか一杯たべさせてやりたい、そればっかり思っていました。
  勉強していた時、蒸気を利用した「穀類膨張機」というのがベルギーで
  作られたというのを読んで、これはいいと思って大学の先生に話したら、
  それじゃあみんなで手伝おうっていって、図面ができたんです


20歳の時、作った図面を持ってひとり北九州・八幡に行き、
八幡なら戦争中でも材料となる鉄があると、鉄工所をあちこち回って、
2年後ようやく職人にポン菓子機を造ってもらったそうです。
それが吉村さんのお父さま。昭和22年のことです。

それ以来、利子さんのポン菓子機は日本中に広がって、海外にも。
みなさんが食べたポン菓子は、利子さんのおかげ。

今では、貧しい海外の子供たちの支援にもポン菓子機はひと役買っていて、
中米ハイチに7台のポン菓子機を納め、利子さん自ら現地に行って実演。
もちろん日本国内はすみずみまで行き、85歳の今でも出かけているそうです。

そういう利子さんの背中を見て育った吉村さんは、
今のうちにポン菓子機のことを伝えないと、知っている人がいなくなってしまう...と
思いたって52歳で教師を辞めて、自分も東京でポン菓子機の製造と実演を始めました。

そんな息子・文明さんのことを、お母さまの利子さんはどう思っているのか。
やっぱり嬉しいんでしょうか?

   そやけど、もっと機械にも情熱を注いでほしいし、
   また、できたポン菓子も本当においしいものを。もうこれでいいだ、じゃなしに。
   砂糖の炊き方を私は教えませんでしたけど、自分で本当に泣いて泣いて、
   難しいんだっていうのを、これは文明なんかは
   まだわからないんじゃないかと思って。
   文明が作ったのを食べまして、もっとパリッとしとかないといけないのに
   と思ったことがありました。

 

開発者は厳しい!!
だけどポン菓子が今も息づいているとは、、。
はたして卓上ポン菓子機はうまくいくのか? 楽しみにしましょう。

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