こちらは過去ページです。http://www.tbsradio.jp/ss954/へアクセスしてください。

★後藤和智さんの「成人の日・各紙の社説読み比べ」

※新聞社「社説のタイトル」 

●読売新聞「成人の日 チャレンジ精神で道を拓こう」
 「さとり世代」「デジタル世代」というステレオタイプ的な世代論に基づく認識となっており、また訓辞系とみても薄味。若年層に一方的に「自覚」を求める社説は世代間協調が必要な現状に相応しくはない。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160111-OYT1T50000.html


●産経新聞「「成人」121万人の20歳に 磨きのかかった「大人」を目指せ」
 全体的に訓辞というよりは愚痴に近い。若年層に向けた社説と言うよりも「今時の若者」を嘆きたい読者が溜飲を下げるような類の社説だろう。
http://www.sankei.com/column/news/160111/clm1601110005-n1.html


●岩手日報「成人の日 「はげます」側も自覚を」
 大人の側の自覚もまた必要だという認識に立ちつつも、採り上げ方がやや散漫。文中に挙げられている大槌町や由利本荘市の事例をもう少し掘り下げることができたのではないか。
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2016/m01/r0111.htm


●信濃毎日新聞「成人の年齢 若者が意思表示しよう」
 ある意味では成人の日「らしくない」、民法での成人年齢引き下げの問題点を採り上げた記事。ただ「成人」の意味を社会的な側面から再考するという点では良質な論説。
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160111/KT160109ETI090008000.php


●中日新聞「意志ある風になれる人 成人の日に考える」
 毎度おなじみの中日新聞のポエム。傾聴に値する提言はない。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2016011102000106.html


●京都新聞「民主主義の主役になる」
 世代に対するステレオタイプ的な見方を示す言葉の使用はないものの、読売新聞と同様の一方的に「自覚」を求める類の社説で、やはり訓辞としても薄味。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/index.html


●神戸新聞「若者たちの今/耐える強さを変える力に」
 若い世代がどのような状況に置かれているかということに多くのスペースを割いているのは独特ではあるものの、全体として感情的に過ぎる。
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201601/0008711808.shtml


●山陽新聞「成人の日 未来を選択する力蓄えて」
 「選挙に行こう」系の社説。ただ若い世代の政治への関心の低さを問題視する古典的な側面と、「デモだけでは変えることはできない」という近年の動向を踏まえた側面が混在していてその点は興味深い。
http://www.sanyonews.jp/article/283378/1/?rct=shasetsu


●高知新聞「社会に向け声上げよう」
 全体として極めて感情的。税と社会保障のあり方の議論を先送りしてきたと若い世代に「謝罪」するよりもやることが先にある。消費税増税やむなしという論調が透けて見えるのも問題。
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=350163&nwIW=1&nwVt=knd


●西日本新聞「成人の日 未知の一歩を踏み出そう」
 若い世代の政治参加に関する最近の動向を挙げつつも表面的であり、政策面での採り上げ方が少ない。「今時の若者」に期待するよりも政策の点検を行った方がいいのではないか。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/217667


☆ベスト:(敢えて言うなら)信濃毎日新聞
★ワースト:高知新聞


■総評:
 選挙権の年齢が18歳に引き下げられることを背景としてか、若い世代の政治への参加を訴える論調が目立った。しかしそういうときにこそ必要なのは、現在の政策の検証であり、若い世代が敢えて進んで政治に参画しようとしなくとも大丈夫なくらいの環境の整備ではないか。その点に自覚的な社説が(以前からではあるが)皆無なのが問題であると思う。また、メディアや社会が若い世代に対してどのような視線を向けてきたかを再考するというのも必要であろう(このような社説の例として、2013年の朝日新聞の社説がある)。

※慰安婦問題や南京事件など歴史認識に関する自民党の対外情報発信(いわゆる「歴史戦」)について、2015年10月19日(月)に行った自民党の国際情報検討委員会委員長・原田義昭議員のインタビューの全文書き起こしです(聞き手:荻上チキ)

2015年10月22日(木)「自民党の国際情報発信を徹底検証」(取材報告モード)
↑放送のHPはこちらから

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荻上 中国が南京大虐殺の資料、これをユネスコの記憶遺産に申請し登録されました。このことを原田さんは率直にどのように受け止めていらっしゃいますか?

原田 これはですね、結論においては非常に日本として遺憾に思っています。のみならずぜひ取り消さないといけないという立場にいます。

内容は、客観的な歴史事象に照らされたものではないし、経緯をユネスコの性質上きちんと関係国とお互いに検証しながら、事実を確認し合いながら、必要ならしっかり登録するし、ダメであればそこは登録しないと、こういうことであったんですけどね。

そのために日本はですね、終始一貫して事務局に対し、当然中国当局に対しても、捏造も含めてですね、とても認められないと言ってきたんですけどね。一切中国政府は、これに対応しない。一切、受け答えしないまま、非公開の形で決着されたことについては、日本は事前も事後についても、強烈な抗議をしておるところでありますし、またあわせてこうなった以上は、事後的な対応策をとらないといけないと、さまざま策を練っているところなんですけど。

※自民党の猪口邦子議員が、産経新聞社(著),古森義久(監訳)『History Wars Japan-False Indictment of the Century 歴史戦 世紀の冤罪はなぜ起きたか(産経新聞出版)』(『歴史戦 朝日新聞が世界にまいた「慰安婦」の嘘を討つ(産経新聞出版)』の英日対訳ダイジェスト版)と、呉善花(著)『Getting Over It ! Why Korea Needs to Stop Bashing Japan(たちばな出版)』(『なぜ「反日韓国に未来はない」のか (小学館新書)』の英訳版)をアメリカ在住の文化人類学者・山口智美さんなど海外在住の研究者や、日本在住の外国人ジャーナリストなどに対して送付していた件について、 2015年10月21日(水)に猪口邦子議員に行った電話インタビューの書き起こしです(聞き手:荻上チキ)


2015年10月22日(木)「自民党の国際情報発信を徹底検証」(取材報告モード)
↑放送のHPはこちらから


荻上 最初に、今回、猪口議員が山口智美さんに二冊の本、『history wars』と『Getting Over It?』を送ったということは事実なのでしょうか?

猪口 はい、そうですね。

荻上 どうしてこの二冊の本を送ろうと思ったのですか?

猪口 これは山口先生だけでなく、何人かの影響力のある方々、あるいは発言を積極的にされている有識者、あるいはメディアの方々に送っておりますので。そういう中で、山口先生も業績をあげていらっしゃしますので、献本という形で、ひとつの資料として送らせていただきました。

荻上 なるほど。それはアメリカの研究者の方々などに送ったということになるんですね?

猪口 アメリカの、というか、なに人かということですか?

安保法案をめぐって、2015年9月16日に自民党、公明党、次世代の党、日本を元気にする会、新党改革の5党の党首が合意した内容について、以下に掲載致します。9月17日(木)のメインセッション「安保法案は結局、どんなものになったのか?」の参考にしてください。

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1平和安全法制に関する合意事項 2015.09.16.jpg 平和安全法制に関する合意事項 2015.09.16.jpg

平和安全法制についての合意書

               平成二十七年九月十六日

5党は以下の三点について合意した

一.別紙「平和安全法制に関する合意事項」合意する

二.別紙「平和安全法制に関する合意事項」を以下の手続きで担保する
 一 政府答弁
 二 附帯決議
(三 国会決議)
 四 閣議決定
(注)閣議決定の内容は「この政党間合意の趣旨を尊重する」「適切に対処する」ことを明らかにするものとする

三.別紙「平和安全法制に関する合意事項」において、今後検討すべき事項については、協議会を設置した上、法的措置も含めて実現に向けて努力を行う

 内閣総理大臣
 自由民主党 総裁 安倍晋三

 公明党 代表 山口那津男

 日本を元気にする会 代表 松田公太

 次世代の党 代表 中山恭子

 新党改革 代表 荒井広幸


(別紙)

平和安全法制に関する合意事項

平成27年9月16日

日本国憲法の下、戦後70年の平和国家の歩みは不変。これを確固たるものとする。二度と戦争の惨禍を繰り返さない。不戦の誓いを将来にわたって守り続ける。国連憲章その他の国際法規を遵守し、積極的な外交を通じて、平和を守る。国際社会の平和及び安全に我が国としても積極的な役割を果たす。防衛政策の基本方針を堅持し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならない。平和安全法制の運用には国会が十全に関与し、国会による民主的統制としての機能を果たす。

このような基本的な認識の下、政府は、本法律の施行に当たり、次の事項に万全を期すべきである。

1 存立危機事態の認定に係る新三要件の該当性を判断するに当たっては、第一要件にいう「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求権の権利が根底から覆される明白な危険がある」とは、「国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況」であることを鑑み、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮して、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険など我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性などから判断することに十分留意しつつ、これを行うこと。
 さらに存立危機事態の認定は、武力攻撃を受けた国の要請又は同意があることを前提とすること。また、重要影響事態において他国を支援する場合には、当該他国の要請を前提とすること。

2 存立危機事態に該当するが、武力攻撃事態等に該当しない例外的な場合における防衛出動の国会承認については、例外なく事前承認を求めること。現在の安全保障環境を踏まえれば、存立危機事態に該当するような状況は、同時に武力攻撃事態等にも該当することがほとんどで、存立危機事態と武力攻撃事態等が重ならない場合は、極めて例外である。

3 平和安全法制に基づく自衛隊の活動については、国会による民主的統制を確保するものとし、重要影響事態においては、国民の生死に関わるような極めて限定的な場合を除いて、国会の事前承認を求めること。また、PKO派遣において、駆け付け警護を行った場合には、速やかに国会に報告すること。

4 平和安全法制に基づく自衛隊の活動について、国会がその承認をするにあたって国会がその期間を限定した場合において、当該期間を超えて引き続き活動を行おうとするときは、改めて国会の承認を求めること。政府が国会承認を求めるにあたっては、情報開示と丁寧な説明をすること。当該自衛隊の活動の終了後において、法律に定められた国会報告を行うに際し、当該活動に対する国内外、現地の評価も含めて、丁寧に説明すること。また、当該自衛隊の活動について、180日ごとに国会に報告を行うこと。

5 国会が自衛隊の活動の終了を決議したときには、法律に規定がある場合と同様、政府はこれを尊重し、速やかにその終了措置をとること。

6 国際平和支援法及び重要影響事態法の「実施区域」については、現地の状況を適切に考慮し、自衛隊が安全かつ円滑に活動できるよう、自衛隊の舞台等が現実に活動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所をしていすること。

7 「弾薬の提供」は、緊急の必要性が極めて高い状況下にのみ想定されるものであり、拳銃、小銃、機関銃などの他国部隊の要員等の生命・身体を保護するために使用される弾薬の提供に限ること。

8 我が国が非核三原則を堅持し、NPT条約、生物兵器禁止条約、化学兵器禁止条約等を批准していることに鑑み、核兵器、生物兵器、化学兵器といった大量破壊兵器や、クラスター弾、劣化ウラン弾の輸送は行わないこと。

9 なお、平和安全法制に基づく自衛隊の活動の継続中及び活動終了後において、常時監視及び事後検証のため、適時適切に所管の委員会等で審査を行うこと。さらに、平和安全法制に基づく自衛隊の活動に対する常時監視及び事後検証のための国会の組織のあり方、重要影響事態及びPKO派遣の国会関与の強化については、本法成立後、各党間で検討を行い、結論を得ること。

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衆院憲法審査会で、参考人として招かれた憲法学者3人全員が、集団的自衛権の行使は憲法違反との認識を示したことを受けて、6月9日に政府が見解を野党に示した文書(A−1「新三要件の従前の憲法解釈との論理的整合性等について」、A−2「他国の武力の行使との一体化の回避について」)と、自民党が安保法案の正当性を訴えるために党所属議員に配布した文書(B「平和安全法制について」)を番組で入手しましたので、全文を公開いたします。

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【文書A−1(政府が野党側に示した見解)】


新三要件の従前の憲法解釈との論理的整合性等について
                         平成27年6月9日
                         内 閣 官 房
                         内 閣 法 制 局

(従前の解釈との論理的整合性等について)
1 「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成26年7月1日閣議決定)でお示しした「武力行使」の三要件(以下「新三要件」という。)は、その文言からすると国際関係において一切の実力の行使を禁じているかのように見える憲法第9条の下でも、例外的に自衛のための武力の行使が許される場合があるという昭和47年10月14日に参議院決算委員会に対し政府が提出した資料「集団的自衛権と憲法との関係」で示された政府見解(以下「昭和47年の政府見解」という。)の基本的な論理を維持したものである。この昭和47年の政府見解においては、
(1)まず、「憲法は、第9条において、同条にいわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているが、前文に置いて「全世界の国民が...平和のうちに生存する権利を有する」ことを確認し、また、第13条において「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、...国政の上で、最大の尊重を必要とする」旨を定めていることからも、わが国がみずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らであつて、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない。」としている。この部分は、昭和34年12月16日の砂川事件最高裁大法廷判決の「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとりうることは、国家固有の機能の行使として当然のことといわなければならない。」という判示と軌を一にするものである。
(2)次に、「しかしながら、だからといつて、平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであつて、それは、あくまで外国の武力攻撃によつて国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれからの権利を守るための止むを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。」として、このような場合に限って、例外的に自衛のための武力の行使が許されるという基本的な論理を示している。
(3)その上で、結論として、「そうだとすれば、わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであつて、したがつて、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」として、(1)及び(2)の基本的な論理に当てはまる例外的な場合としては、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるという限界が述べられている。
2 一方、パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器などの脅威等により我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしてもその目的、規模、態様等によっては、我が国の存立を脅かすことも現実に起こり得る。新三要件は、こうした問題意識の下に、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、このような昭和47年の政府見解(1)及び(2)の基本的な論理を維持し、この考え方を前提として、これに当てはまれる例外的な場合として、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるとしてきたこれまでの認識を改め、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合もこれに当てはまるとしたものである。すなわち、国際法上集団的自衛権の行使として認められる他国を防衛するための武力の行使それ自体を認めるものではなく、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として、一部、限定された場合において他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とする武力の行使を認めるにとどめるものである。したがって、これまでの政府の憲法解釈との論理的整合性及び法的安定性は保たれている。
3 新三要件の下で認められる武力の行使のうち、国際法上は集団的自衛権として違法性が阻却されるものは、他国を防衛するための武力の行使ではなく、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない必要最小限度の自衛の措置にとどまるものである。

(明確性について)
4 憲法の解釈が明確でなければならないことは当然である。もっとも、新三要件においては、国際情勢の変化等によって将来実際に何が起こるかを具体的に予測することが一層困難となっている中で、憲法の平和主義や第9条の規範性を損なうことなく、いかなる事態においても、我が国と国民を守ることができるように備えておくとの要請に応えるという事柄の性質上、ある程度抽象的な表現が用いられることは避けられないところである。
 その上で、第一要件においては、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」とし、他国に対する武力攻撃が発生したということだけではなく、そのままでは、すなわち、その状況の下、武力を用いた対処をしなければ、国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかであるということが必要であることを明かにするとともに、第二要件においては、「これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと」とし、他国に対する武力攻撃の発生を契機とする「武力の行使」についても、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置に限られ、当該他国に対する武力攻撃の排除それ自体を目的とするものでないことを明かにし、第三要件においては、これまで通り、我が国を防衛するための「必要最小限度の実力の行使にとどまるべきこと」としている。
 このように、新三要件は、憲法第9条の下で許される「武力の行使」について、国際法上集団的自衛権の行使として認められる他国を防衛するための武力の行使それ自体ではなく、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち我が国を防衛するためのやむを得ない必要最小限度の自衛の措置に限られることを明かにしており、憲法の解釈として規範性を有する十分に明確なものである。
 なお、ある事態が新三要件に該当するか否かについては、実際に他国に対する武力攻撃が発生した場合において、事態の個別具体的な状況に即して、主に、攻撃国の意思・能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断する必要があり、あらかじめ具体的、詳細に示すことは困難であって、このことは、従来の自衛権行使の三要件の第一要件である「我が国に対する武力攻撃」に当たる事例について、「あらかじめ定型的、類型的にお答えすることは困難である」とお答えしてきたところと同じである。

(結論)
5 以上のとおり、新三要件は、従前の憲法解釈との論理的整合性等が十分に保たれている。


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【文書A−2(政府が野党側に示した見解)】


他国の武力の行使との一体化の回避について

                         平成27年6月9日
                         内 閣 官 房
                         内 閣 法 制 局

1 いわゆる「他国の武力の行使との一体化」の考え方は、我が国が行う他国の軍隊に対する補給、輸送等、それ自体は直接武力の行使を行う活動ではないが、他の者の行う武力の行使への関与の密接性等から、我が国も武力の行使をしたとの法的評価を受ける場合があり得るというものであり、そのような武力の行使と評価される活動を我が国が行うことは、憲法第9条により許されないという考え方であるが、これは、いわば憲法上の判断に関する当然の事理を述べたものである。
2 我が国の活動が、他国の武力の行使と一体化するかの判断については、従来から、①戦闘活動が行われている、又は行われるようとしている地点と当該行動がなされる場所との地理的関係、②当該行動等の具体的内容、③他国の武力の行使の任に当たる者との関係の密接性、④協力しようとする相手の活動の現況等の諸般の事情を総合的に勘案して、個々的に判断するとしている。
3 今般の法整備は、従来の「非戦闘地域」や「後方地域」といった枠組みを見直し、
(1) 我が国の支援対象となる他国軍隊が「現に戦闘行為を行っている現場」では、支援活動は実施しない。
(2) 仮に、状況変化により、我が国が支援活動を実施している場所が「現に戦闘行為を行っている現場」となる場合には、直ちにそこで実施している支援活動を休止又は中断する。
という、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成26年7月1日閣議決定)で示された考え方に立ったものであるが、これまでの「一体化」についての考え方自体を変えるものではなく、これによって、これまでと同様に、「一体化」の回避という憲法上の要請は満たすものと考えている。

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【文書B(自民党が所属議員に配布した文書)】


※国会議員ご本人にお渡し願います。

平和安全法制について

 現在国会で審議されている平和安全法制は、憲法のもとで、国民の命とわが国の平和を守るために必要な法律を整備するものです。決して憲法違反だとか立憲主義の逸脱ということはありません。日本を取り巻く安全保障上の環境が大きく変化する中で、色々な法律を点検してスキマを防ぎ、抑止力を高めて、戦争を未然に防ぐことが必要なのです。
 かつてほとんどの憲法学者は自衛隊が違憲だといっていました。今でもそういっている憲法学者もいます。憲法9条の2項に「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」と書いてあるから、憲法違反だというのです。しかし、私たちの先輩は日本が侵略されたとき『座して死を待て』と憲法が決めているはずはないと言って自衛隊の創設を決断しました。その自衛隊のおかげで日本の平和と安全は守られてきたのです。
 みなさん、そもそも憲法判断の最高の権威は最高裁です。最高裁だけが最終的に憲法解釈ができると、憲法81条に書いてあるのです。その最高裁が唯一憲法9条の解釈をしたのが砂川判決です。そのなかで、日本が主権国家である以上、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために自衛権の行使ができるとしたのです。最高裁のいう自衛権に個別的自衛権か集団的自衛権かの区別はありません。複雑化する世界情勢のなかで、他国が攻撃された場合でも日本の存立を根底から覆すような場合があります。そのような場合、集団的自衛権を行使することはなんら憲法に反するものではないのです。
 さらに最高裁は、わが国の存立の基礎に重大な関係を持つ高度の政治性を有する事柄が憲法に合致するかどうかを判断するのは、一見きわめて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所ではなく内閣と国会であるともいっています。
 すなわち国民の命と日本の平和を守るための安全保障政策に責任を持つべきなのは私たち政治家なのです。
 安倍内閣とわが党は長年この問題を議論し、日本の平和と安全を守るために、憲法の許す範囲で限定的に集団的自衛権を行使することが必要であると考え、平和安全法制を国会に提出しました。皆さんの理解を得ながら、早期に法案の成立を図り、わが国の平和と安全を守ることが国会の責任だと考えています。

3月11日の放送を前に荻上チキ、南部広美、崎山敏也が
岩手、宮城、福島の語り部に取材をしました。
その取材をした際の音声を公開しますのでお聞き下さい。

岩手県陸前高田市
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
岩手県大船渡市
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
宮城県南三陸町
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
宮城県石巻市雄勝町
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
福島県南相馬市小高区
※ミッドナイトセッションで放送したため、
 4月11日まで放送の音声をお聞きいただけます。
 また、こちらも、近日中に長編版を配信します。

東日本大震災から4年。石巻市の語り部の方にお話を伺いました。
 石巻市雄勝町編を聞く

■語り部

 みらいサポート石巻の雄勝町出身の語り部 佐藤麻紀 さん
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 「みらいサポート石巻」が取り組んでいる「石巻津波伝承AR

 雄勝町は、画面右の雄勝湾の付近
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 佐藤さんの自宅があった場所
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 避難生活に使われた石巻市雄勝斎場
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 現在も残るガレキ
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東日本大震災から4年。南三陸町の語り部の方にお話を伺いました。
 南三陸町編を聞く

■語り部

 まなびの里南三陸・いりやどのママガイド、
 ママサークルもこもこ代表
高橋志保 さん

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 現在の南三陸
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 防災対策庁舎
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 チキさんがお土産を買った『ワカメまつり』の様子
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東日本大震災から4年。大船渡市の語り部の方にお話を伺いました。
 大船渡市編を聞く

■語り部

 椿の里・大船渡ガイドの会 副会長 森るり子 さん
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 三面椿
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 サン・アンドレス公園
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東日本大震災から4年。陸前高田市の語り部の方にお話を伺いました。
 陸前高田市編を聞く

■語り部

 陸前高田市観光物産協会 副会長 實吉義正 さん
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 奇跡の一本松
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 公営住宅の跡
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 道の駅
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 ベルトコンベア
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★後藤和智さんの「成人の日・各紙の社説読み比べ」

※新聞社「社説のタイトル」 

●朝日新聞「成人の日に考える―答え合わせと黒のスーツ」
 旧来の中日新聞的な「エピソード紹介系」の社説だが、短い文章とは言え、エピソードの紹介のあとに「多様性を認めよ」というものはやや唐突すぎた印象を受けた。政治や社会の役割についてもう少し踏み込んだ解説がほしかった。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#20150112


●読売新聞「成人の日 若い力で豊かな未来を築こう」
 「不安定な状況に置かれておきながらも可能性を持っている若者」という認識で書かれている、2000年代後半以降の成人の日社説の典型と言えるもの。「若い感性」や「可能性」の礼讃は訓辞系の社説ではありがちと言えるが社会的な支援などについて触れてほしかった。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150111-OYT1T50114.html


●毎日新聞「成人の日 大きな優しさと強さを」
 各社説とは違い「日本人の読書離れ」について触れた社説で、全体としてはやや劣化言説に傾倒した形となっている。だが大文字の「知性」「教養」礼讃は恐らく社説を読むような人からすれば「何を今更」感がぬぐえないし、またITなどによる知と読書などによる知を相反するものとし、若年層において前者に優れ後者に欠けているという使い古されたイメージを呼び起こして論ずるというスタンスも疑問である。
http://mainichi.jp/opinion/news/20150112k0000m070104000c.html


●日本経済新聞「若者が自信を持つための舞台づくりを」
 若い世代の「不安」を全体的に押し出したものであるが、やや感傷的な印象がぬぐえなかった。経済誌らしく、昨今の経済状況と絡めて論じてほしかった。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO81850750S5A110C1PE8000/


●産経新聞「成人の日 大人への一歩は投票から」
 1990年代の「投票呼びかけ」系の社説と、昨今の若い世代の「不安定さ」に絡めた劣化言説(《職を得ても「自分に向いていない」などとすぐに投げ出してしまう若者気質が指摘されてもいる》)のハイブリッドで、訓辞系というよりは愚痴系とした方が近い。社会的な状況にあまり触れず若い世代の気質、無関心さの問題を強調するのは社説の読者層の溜飲を下げる結果にしかならないのではないか。
http://www.sankei.com/column/news/150112/clm1501120002-n1.html


●岩手日報「成人の日 権利と責任みつめよう」
 成人の日の社説としては伝統的な、投票権を中心とする「大人の権利と責任」系の社説で、いくつかのものが列挙されていて薄味。ただ《民法では現在、20歳以上の「成年」は、親などの同意がなくても一人で契約できる。それは一方で、消費者被害に遭う心配が増えることにもなる》と、消費者としての側面に触れたのがあり、ここを中心として消費者としての権利・責任について触れたら独自性の強いものにできるのではないか。
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2015/m01/r0112.htm


●信濃毎日新聞(11日)「あすへのとびら 成人の日を前に 「さいわい」の切符を探す」
 2000年代以降の成人の日の社説において散見される「経済成長を超えた価値観」系の社説だが、この手の社説は(本年で言うと読売新聞のような)「若者の可能性」系の社説の一変奏であり、社会的な側面の軽視という問題点はあまり違わない。
http://www.shinmai.co.jp/news/20150111/KT150110ETI090011000.php


●中日新聞「戦争しない人に成る 年のはじめに考える」
 「大人社会の責任」を連呼するものの、全体として感傷的に過ぎ、もう少し現代の日本の現状に即した具体的な例示、データなどの提示が欲しい。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2015011202000108.html


●京都新聞「成人の日  主権者の自覚を持とう」
 これも成人の日の社説としては伝統的な「投票呼びかけ」系の社説。個人的には《政治学者の故丸山真男氏は、憲法12条が国民に保障する自由と権利について「国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」としている点に触れ、「主権者であることに安住して、その権利の行使を怠っていると、ある朝目覚めてみると、もはや主権者でなくなっているといった事態も起こる」との警告になっていることを指摘した。そんな危うい事態を招いてはならない。》という点がぐっときた。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/index.html


●神戸新聞「大人とは/自分のことを深く知ろう」
 公選法の投票年齢の引き下げに触れ、18歳成人の社会には何が必要なのかを現状に即して解説した記事。感傷的に過ぎる点はあるが、伝統的な「投票呼びかけ」系の社説に走る新聞が多い中で、独自性は評価したい。
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201501/0007650816.shtml


●山陽新聞「成人の日 地域のあすを担う力に」
 地方紙らしく「地方創生」に触れ、現代の若い世代の「内向き」思考を一つの可能性として読み替えた社説であり、(個人的には疑問もあるものの)地方のために若い世代の可能性に期待する、ということを地方(岡山県)の観点から論じる、地方紙としての視点が貫かれた記事。もう少し地方経済の現状などについての言及が欲しかったが。
http://www.sanyonews.jp/article/119296/1/?rct=shasetsu


●中国新聞「新成人の役割 政治参加で未来選ぼう」
 不安定化する社会事情から投票権の必要性を訴えるという点では伝統的な「投票呼びかけ」系の社説のさらに伝統的なパターン。ただこの社説の論理を突き詰めると「若い世代の苦境は若い世代が行動しないせいだ」という論理や、あるいは人権の個人救済の論理を肯定してしまうものにならないか。
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=120831&comment_sub_id=0&category_id=142


●西日本新聞「成人の日 若者が希望感じる社会に」
 若い世代の置かれている「不安」を列挙するが、その後に投票権の重要性を訴えるのではなく18歳成人の整備について軽く触れたのが印象的。末尾が《18歳投票の実現には若者が政治に関心を持てるような教育などの環境を整えることが不可欠です。また何より大事なのは、頑張れば努力が報われる-と若者が感じる社会にすることだと考えます》と、社会環境の整備こそ重要だとする結論にしたのは大きく評価したい。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/138630


☆ベスト:神戸新聞、山陽新聞
★ワースト:産経新聞(次点:毎日新聞)


■総評:
 衆院選の翌年と言うこともあり、「投票権」の重要性に触れた社説も少なくなかった。また若い世代の現状を悲観的に描くものも少なくない。このあたり、昨年も成人の日の社説をめぐる認識として示した「成人の日の社説は当時の若者論の反映である」という認識を修正する必要はないと思われる。しかし、本年は全体として感情的、感傷的なものが多く、経済政策や地方の現状などと絡めた提言などを行う社説が少なかったという印象を受けた。また若者論の枠組みを問い直すものも見られなかった。

 ベストとしては当初は該当なしも考えたが、18歳成人の可能性について(やや感情的ながらも)採り上げた神戸新聞や、地方のにとって何が必要とされているかと言うことについて(これも感情的な側面はあるものの)採り上げた山陽新聞などの地方紙の論説を本年は高く評価したい。他方、全国紙においては毎日新聞や産経新聞のような劣化言説への傾倒など、地方紙に後れを取っていると言わざるを得ない。

 また昨年との比較で言うと、「若い世代の内向き志向」について触れた社説が激減、昨年流行語にもなった「さとり世代」という言葉を採り上げた社説は一つもなかった。これも成人の日の社説が若者論の流行を示すという一端を強く示していると言える。

元滋賀県知事で、びわこ成蹊スポーツ大学・学長の嘉田由紀子氏が、今回の衆議院選で民主党公認候補の支援を行っていることについて、自民党滋賀県連が「びわこ成蹊スポーツ大学」を運営する学校法人大阪成蹊学園の理事長宛てに送った文書を番組で入手しました。全文を掲載いたします。

*********************

平成26年12月8日
学校法人 大阪成蹊学園
理事長 石井茂様

自由民主党 滋賀県支部連合会
幹事長 県議会議員 佐野高典

平成26年も残り少なくなってまいりましたが、貴職におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申しあげます。
さて、過日12月4日(※)、急遽、衆議院が解散され、目下激しい選挙が繰り広げられています。当滋賀県におきましても、全国で一番若い「平均年齢42年の若き候補者」が次の時代を担うべく大奮闘しております。
ところで、貴学園所属の「びわこ成蹊スポーツ大学」の嘉田学長は、マスコミ報道で大きく取り上げられていますように、民主党公認の「小川候補」の後援会長に就任された他、4日(※)の公示以来、小川候補の街頭活動に参加、或いは、個人演説会に自身の応援ビデオを上映されるなど、民主党公認候補への支援を活発に展開されています。
元より、大学あるいは学長個人の教育理念は様々であり、またそのことが私学の特徴となっており、我が国の教育に対して大きな貢献をされてきたという歴史があり、だからこそ、多額の税が私学振興のために交付されているわけであります。
しかしながら、国政選挙中、一般有権者を前にして、特定の政党、特定の候補を、大々的に応援されるということは、教育の「政治的中立性」を大きく損なう行為であり、当県連と致しましては、誠に遺憾であります。同封いたしました新聞記事をご覧いただきましても、本来、公平中立であるべき大学の学長のとるべき姿とはとても考えられません。
本件につきましては、自民党本部、および日本私立大学協会とも、協議を重ねており、しかるべき対応を取らざるを得ない場合も生じるかと存じます。東京オリンピックや滋賀県の2巡目国体を控え、スポーツ振興が進められる中、政権与党自民党としても、本事態に対しましては、大きな危惧を抱かざるを得ません。諸事情ご賢察の上、貴職におかれましては、嘉田学長に対しまして、節度ある行動を喚起いただきますよう切にお願い申し上げます。
末筆ながら、貴学園のますますのご隆盛を祈念いたします。

※【註】2日の誤り

▼送付された文書のコピー
108190.jpg

▼文書に同封されていたという新聞記事のコピー
1549356_73608213980347.jpg

▼滋賀報知新聞 12月10日掲載記事のURL
http://www.shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0017178

========
※2014年12月14日(日)19:55〜25:00 生放送!
「TBSラジオ総選挙スペシャル2014」
出演:荻上チキ、片桐千晶、神保哲生、木村草太、飯田泰之、
斉藤淳、麻木久仁子、大西連、武田一顕、崎山敏也ほか。

http://www.tbsradio.jp/senkyosp/

各党共通の公開質問状とは別に、次世代の党に対しては、山田宏幹事長にご出演いただいた際(2014年12月5日)に話題に上った「在日外国人の生活保護の受給率」について、追加質問をお願いしました。以下にその回答を全文掲載します。

また「在日韓国・朝鮮人の戦後史」の回にご出演いただいた明治学院大学 教養教育センター准教授の鄭栄桓さんにも、在日外国人の生活保護受給率についての見解を伺いましたので併せて掲載致します。

=====

次世代の党への質問

Q. 平沼党首の演説や「タブーブタのウタ」などでは、生活保護の受給率が日本人に比べ、在日外国人は8倍にのぼると主張されています。これはどのような調査をもとに算出されたデータでしょうか?

    ◆次世代の党からの回答◆

・保護率「8倍」とする外国人とは、「韓国又は北朝鮮」籍の人を指します。
 他の外国籍の人は含んでおりません。
・平成22年10月1日国勢調査(5年ごとに調査)においては、
 世帯主が「韓国又は北朝鮮」籍の場合の保護率(世帯)は
 27,035/190,246=14.2%   ※ただし、世帯数比較
 全生活保護者数(日本籍+全外国籍)
                  [出典:平成22年被保護者全国一斉調査]
 平成22年 保護率 1.52% (1,410,049世帯 1,952,063人)
  保護率:各年度10月1日の推計人口に対する被保護実人員の割合
 この時点で 1.52 と比べて 9.2倍
 平成24年、保護率は1.67%に上がっているので、8.5倍

☆世帯数と保護率の比較となり、しかも調査日に3か月のずれがあるため、
 多く見積もり過ぎないに配慮しました。
☆平成12年、17年の保護率(世帯)、保護率とも、上昇率はほぼ同じで、
 この現状は、ここ10年は続いていると考えています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

明治学院大学 教養教育センター准教授 鄭栄桓さんへの質問

Q. 次世代の党は、2014年12月11日現在、選挙広報用の動画サイトで「日本の生活保護なのに日本国民なぜ少ない、僕らの税金つかうのに外国人なぜ8倍」と主張していますが(*1)、これに対する見解を教えてください。

◆鄭栄桓さんからの回答◆

(1)そもそも2010年の統計によれば、全被保護世帯数に占める外国籍者を世帯主とする被保護世帯の割合は2.48%である。次世代の党が特にやり玉にあげる「韓国・朝鮮」籍者(*2)を世帯主とする被保護世帯の割合に至っては1.68%にすぎない(*3)。
上記の宣伝文句は、あたかも外国人の生活保護受給者数が日本国民のそれの「8倍」であるかのような誤った印象を与えるものである。被保護世帯の圧倒的多数が日本国民であることは明白であるにもかかわらず、外国人が生活保護を日本国民より多く需給しているかのような宣伝を行うことは、多くの誤解を招く可能性がある。

(2)次世代の党は、「外国人なぜ8倍」とは「保護率」を指すとしている。「韓国・朝鮮」籍世帯数から割り出した2010年の被保護率14.2%と、全被保護人員数から割り出した2012年の被保護率1.67%(*4)を比較し、「韓国・朝鮮」籍者の被保護率が「8.5倍」であるという。
 だが、被保護世帯数と被保護人員数という異なる母集団を「比較」することにそもそも問題がある。仮に全被保護世帯数(1,608,994人)を総世帯数(51,950,504人)で割るならば、被保護率は3.10%であり、次世代の党の「比較」の方法を用いるならばその差は「4.58倍」となる。但し、国勢調査は外国人登録に比して外国人人口が低く現れる傾向にあり、これを勘案すればさらに低い数値となるだろう(*5)。被保護世帯の総数は厚生労働省によって公表されているにもかかわらず、なぜあえて異なる母集団の「比較」を行ったのか不明である。

(3)すでに指摘した通り、生活保護受給者の圧倒的多数は日本国民が占めており、実数が圧倒的に異なる集団の被保護率を比較することにいかほどの意味があるのか疑問である。むしろ、貧困が存在するにもかかわらず実態に比して日本国民の被保護率が低いのだとするならば、捕捉率の低い現状をこそ改善すべきであろう。圧倒的少数の外国人受給者に責任を転嫁すべきではない。
 そもそも、「韓国・朝鮮」籍の高齢者が生活保護制度に頼らざるをえない状況が作り出された背景には、戦後日本の社会保障制度の欠陥がある。現在の「韓国・朝鮮」籍者の生活保護受給者の約半数が高齢者の一人・二人世帯であるといわれるが(*6)、これらの高齢者の多くは日本人の高齢者の所得保障の中心をしめる公的年金から排除されているからである。いわゆる在日朝鮮人高齢者の無年金問題である。
 国民年金法(1959年11月施行)には国籍要件があったため「韓国・朝鮮」籍者は国民年金制度に長らく加入できなかった。難民条約批准(1981年)に伴い1982年より加入が可能となったが、それ以前に排除された人びとへの救済措置は採られなかった。このため1982年1月1日の時点で①60歳以上の者は加入できず、②35歳以上の者は25年の受給資格期間を満たせないため老齢年金を受給できず(*7)、③20歳以上で失明等の障害のあった外国人は国民年金には加入できても障害年金は受給できないこととなったのである。しかも在日朝鮮人の多くは、企業からの就職差別や国籍条項による公務員就業からの排除のため被用者年金(厚生年金、共済年金)を受給する資格も得られなかった。このため、多くの日本人の高齢者の所得保障の中心をしめる公的年金から排除された在日朝鮮人高齢者にとっては、生活保護が唯一のセーフティネットとならざるを得ない。
 「韓国・朝鮮」籍世帯数に占める生活保護受給世帯の割合が、総世帯数に占める被保護世帯の割合よりも高い背景には、以上みたような、戦後日本の社会保障から排除されてきた在日朝鮮人高齢者の無年金問題がある。欠陥のある制度を作り出した責任に触れることなく、実数としては圧倒的少数の受給者のために、日本国民が生活保護ご受給できないかのような主張を展開することは、重大なミスリードになり得る。


*1 「タブーブタ/次世代の党」(次世代の党チャンネル)
https://www.youtube.com/watch?v=R7ilGGkne-I

*2 「回答」には、「保護率「8倍」とする外国人とは、「韓国又は北朝鮮」籍の人を指します」とあるが、「韓国・朝鮮」籍の誤りである。外国人登録上の国籍表示「朝鮮」は、朝鮮民主主義人民共和国の国籍を意味するわけではない。

*3 2010年7月1日現在の厚生労働省調査による被保護総世帯数は1,608,994世帯、うち外国人を世帯主とする被保護世帯数は40,029世帯、「韓国・朝鮮」籍者を世帯主とする被保護世帯数は27,035世帯である(厚生労働省『被保護者全国一斉調査』平成22年度)。この統計はあくまで外国籍者が世帯主である被保護世帯を示すに過ぎないため、受給世帯の構成員がすべて外国人であるとは限らない。

*4 なお「回答」は、2010年の被保護率を「1.52%」とし、根拠となる「全生活保護者数」について2010年の「被保護者全国一斉調査」(以下、「一斉調査」)をあげて1,410,049世帯、1,952,063人とするが、これは誤りである。この数値は厚生労働省が算出した2010年度の一ヶ月平均被保護世帯数であり、「一斉調査」によるものではない。「一斉調査」によれば、被保護総世帯数は上述の通り1,608,994世帯、被保護総人員数は1,878,725人である。

*5 2010年の国勢調査による「韓国・朝鮮」籍者数は423,273名であるが、同年の「韓国・朝鮮」籍の外国人登録数は565,989名である(総務省統計局『人口推計』「平成17年及び22年国勢調査結果による補完補正人口」及び法務省入国管理局『登録外国人統計 統計表』2010年を参照)。

*6 金耿昊「戦後日本における在日朝鮮人生活保護「問題」の現在と過去――在日一世世代に対する民族差別と貧困の継続」、君島和彦編『近代の日本と朝鮮 「された側」からの視座』東京堂出版、2014年。なお、戦後日本における外国人の社会保障からの制度的排除とその問題については、田中宏『在日外国人[第三版]』岩波書店、2014年もあわせて参照されたい。

*7 1986年4月の国民年金法の改定によるいわゆる「カラ期間」の適用措置により、この時点で35歳以上かつ60歳未満の在日朝鮮人には老齢年金受給の可能性が開かれたが、この場合の年金の支給額は実際に加入した期間からのみ計算されるため、その額は低額にとどまるものとなった。 

【1】1票の格差について質問します
Q1. 違憲状態の解消について(A・いつまで)に
(B・どのような方法)で、1票の格差を(C・割合)以下にします。

    ◆回答◆

A:議長の下の「選挙制度調査会」の答申がなされたら、それを基に協議

B:同上

C:2倍未満


Q2. 格差が何倍までだったら「違憲状態ではない」と判断しますか?

    ◆回答◆

最高裁の判断による



【2】ヘイトスピーチについて質問します
Q1. ヘイトスピーチを法律で規制することに賛成ですか?反対ですか?
  賛成の場合→ヘイトスピーチについてどう定義するのか?
  党としての見解をお教え下さい。

    ◆回答◆

その他(党内で議論中のため)



【3】教育問題について質問します
Q1. 無返金の奨学金制度の導入に賛成ですか?反対ですか?

    ◆回答◆

賛成



Q2. 現在の教育の諸課題の最大の要因は・・・
 「社会の支援不足にある」「親の教育力の低下にある」どちらの考え方に
 より賛同しますか?

    ◆回答◆

どちらともいえない



【4】生活保護政策について質問します
Q1. 党として重視している項目に○チェックをして下さい(複数回答可)
 ○1:不正受給対策
  2:捕捉率の向上
  3:給付額の減額
  4:給付額の向上
  5:扶養義務の強化 
  6:外国人への支給を原則取りやめる
  7:外国人への支給を法律上、明文化する
  8:生活保護の受給を窓口で不当に阻止する、いわゆる「水際作戦」をなくす
  9:生活保護支出総額の削減
  10:貧困率の改善についての具体的な数値目標を掲げる
 ○11:その他

    ◆回答◆

その他 就労による自立の促進、受給者の状況に応じた健康や
生活面等に着目した支援、指定医療機関制度の指定要件の明確化や
後発医薬品の使用促進等による医療扶助の適正化等



【5】放送法の改正について質問します
Q1. 政府から各放送局に直接免許を交付する現行の方法ではなく、
  政府から独立した機関に免許の交付権限を委ねるよう改正することに
  賛成ですか?反対ですか?

    ◆回答◆

反対



Q2.アメリカでは放送上の公平原則、いわゆる「フェアネスドクトリン」が1987年に
  削除されましたが、日本でも公平、中立、公正をうたった
放送法第4条を削除することに賛成ですか?反対ですか?

    ◆回答◆

反対



Q3.メディアの資本力集中を避けるため、いわゆる「クロスオーナーシップ」
 (一つの資本が複数形態のメディアをもつこと)を制限することに
賛成ですか?反対ですか?

    ◆回答◆

賛成

【1】1票の格差について質問します
Q1. 違憲状態の解消について(A・いつまで)に
(B・どのような方法)で、1票の格差を(C・割合)以下にします。

    ◆回答◆

A:2012年、野田総理(当時)と安倍総裁が国民の前に約束したことなので、
  すぐにでも実現すべきだった。今回の選挙後の衆議院議員の任期中に必ず実現すべき。

B:衆議院の小選挙区と比例議席の削減、最高裁の意見に従い、
  各県一議席均等配分の廃止による一票の較差の是正

C:現在、第三者機関の設置を決め、答申を待っているところ。
  大変な削減という考えに変わりはない。


Q2. 格差が何倍までだったら「違憲状態ではない」と判断しますか?

    ◆回答◆

最高裁の判断を基本とすべき。
衆議院について、2倍以内におさまる案を提示してきたところ。



【2】ヘイトスピーチについて質問します
Q1. ヘイトスピーチを法律で規制することに賛成ですか?反対ですか?
  賛成の場合→ヘイトスピーチについてどう定義するのか?
  党としての見解をお教え下さい。

    ◆回答◆

賛成

ヘイトスピーチは、国連人種差別撤廃委員会からも法規制の勧告が出ている。
多様性を重んじ、包容力のある日本社会をつくるためにも対策が必要。
民主党案は、人種等を理由とする不当な差別行為は禁止するが、罰則規定は設けない内容。
そのため、国・地方に差別防止施策の責務を課す、
内閣府に「人種等差別防止政策審議会」を置く等の規定を設けている。
言論の自由に抵触する内容とはなっていない。他党とも協力して、実現をはかりたい。



【3】教育問題について質問します
Q1. 無返金の奨学金制度の導入に賛成ですか?反対ですか?

    ◆回答◆

賛成



Q2. 現在の教育の諸課題の最大の要因は・・・
 「社会の支援不足にある」「親の教育力の低下にある」どちらの考え方に
 より賛同しますか?

    ◆回答◆

社会の支援不足



【4】生活保護政策について質問します
Q1. 党として重視している項目に○チェックをして下さい(複数回答可)
 ○1:不正受給対策
  2:捕捉率の向上
  3:給付額の減額
  4:給付額の向上
  5:扶養義務の強化 
  6:外国人への支給を原則取りやめる
  7:外国人への支給を法律上、明文化する
  8:生活保護の受給を窓口で不当に阻止する、いわゆる「水際作戦」をなくす
  9:生活保護支出総額の削減
  10:貧困率の改善についての具体的な数値目標を掲げる
 ○11:その他 (制度の根幹はしっかり維持しつつ、適性に運営)

    ◆回答◆

真に支援が必要な人に適切に生活保護認定を行う一方で、
不正受給を防止し、医療扶助に関する電子レセプト点検の強化や
後発医薬品使用の促進など適正化を進めます。
現在行われていない受給要件の再確認を一定期間ごとに行い、
また不正受給への罰則を強化します。
生活保護基準引下げについては、生活保護世帯のみならず、
多くの低所得者が負担増となることが懸念されるため、
その影響や実態把握を行い、
勤労者世帯がさらなる生活苦に陥らないよう見直しを求めます。
子どもの貧困を解消します。
今の政府は過去最大幅の生活保護基準の引下げを行いました。
さらに、それに連動して個人住民税の非課税基準が引き下げられれば、
子どもの貧困拡大が懸念されます。
そのため、民主党が提唱して成立した子どもの貧困対策法に基づき、
社会保障や学習支援、保護者の勤労支援、
高校生や大学生の奨学金などを充実させ、
子どもの貧困を解消し、「貧困の世代間連鎖」を断ち切ります。



【5】放送法の改正について質問します
Q1. 政府から各放送局に直接免許を交付する現行の方法ではなく、
  政府から独立した機関に免許の交付権限を委ねるよう改正することに
  賛成ですか?反対ですか?

    ◆回答◆

どちらとも言えない



Q2.アメリカでは放送上の公平原則、いわゆる「フェアネスドクトリン」が1987年に
  削除されましたが、日本でも公平、中立、公正をうたった
放送法第4条を削除することに賛成ですか?反対ですか?

    ◆回答◆

どちらとも言えない



Q3.メディアの資本力集中を避けるため、いわゆる「クロスオーナーシップ」
 (一つの資本が複数形態のメディアをもつこと)を制限することに
賛成ですか?反対ですか?

    ◆回答◆

どちらとも言えない

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荻上チキ、南部広美
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