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2014年08月15日(金)「戦争を考えるための作品」(プレゼンモード)

■テーマ

終戦の日にこそ、読む!見る!考える!

Sessionファミリーがオススメ!

戦争を考えるためのこの作品!

8月15日(金)放送のメインセッション「戦争を考えるための作品」で、
Sessionゆかりのゲスト陣が紹介した作品のリストです。
詳しくはポッドキャストをお聴きください!


【紹介順】

TBSラジオ『週刊 ほんなび』でもおなじみ 麻木 久仁子さん《電話出演》


三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の
片岡 剛士さん《電話出演》


外交や安全保障がご専門の東京財団研究員の
小原 凡司さん《電話出演》

防衛研究所の史料閲覧室でご覧頂ける戦時中の史料


ジャーナリストの
神保 哲生さん《電話出演》


漫画家の
今日 マチ子さん《電話出演》


フリーライターの
藤木 TDCさん《スタジオ出演》

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番組パーソナリティ・評論家の
荻上 チキは・・・


TBSラジオの
崎山 敏也記者《番組冒頭でメッセージを紹介》

    【崎山記者からのメッセージ】

「戦争を考えるための作品」
私が生まれたのは1964年。
東京オリンピックの年で、かげりは見えたものの高度経済成長が続いている頃でした。
小学校に入ると、当時は昭和史ものブーム。
昭和史を振り返る写真集や軍記ものがあふれていました。
戦中派のすぐれた小説はありましたが、それ以外はプラモデルと同じ。
「戦争を考える」には至りませんでした。

そんな私が大学生で出会ったのが、山上たつひこのマンガ「光る風」です。
「がきデカ」の作者がその前に描いていたすごい作品だよ、と
学生寮の先輩から薦められたのです。
衝撃的なポリティカル・フィクションでした。
軍備が進み、海外派兵も行なっている近未来の日本が舞台で、
数十年前に、ある村で発生した奇病の話から始まります。

奇病の患者と生まれた奇形児の島への隔離。
事件への国家の関与と、秘密を探ろうとするものへの軍や警察の弾圧。
奇病の島の人たちの苦しみから逃れるための不思議なお祭が描かれる一方、
奇形児たちの中には、現状を変えたいという強い政治衝動から武装革命を目指すものも現れます。
主人公の兄は軍隊での事故で手足を失います。

その事故は30年前の事件と関わりがあり、細菌兵器がらみであるらしいことがわかり、
元軍人で軍部に協力してきた父親は軍部に裏切られ、切腹します。
三島由紀夫の現実の切腹の2ヶ月ほど前です。
手足をもがれた兄の描写は、若松孝二の「キャタピラー」を思い起こさせます。
こんなマンガが1970年の「少年マガジン」に連載されていたのです。
ファシズム批判、ニヒリズム、革命思想。
人によって読み取るものは様々でしょうが、いつまでも読み継がれる作品でしょう。

もう一つ、「散歩のエッセイ」を紹介させてください。
小沢信男の「東京骨灰紀行」。
人は死ねばいつか骨と灰になりますが、著者の飄々とした語り口に誘われるうちに、
東京人は大量の屍の上に生きていることを思い知らされます。

例えば「両国」。明暦の大火に安政の大地震の供養塔。
関東大震災での大量の焼死者。それに乗じて起きた朝鮮人や社会主義者の虐殺。
そして「東京大空襲」。
著者はあきれたり、なげいたり、哀れんだり、笑ったり、感心したり。
ユーモアをただよわせた文章で東京各地の死者の眠る場所を巡ります。

大空襲で焼け残り、日本橋や銀座の被災者が押し寄せた聖路加病院。
戦後、その反省から、災害対応で廊下も礼拝堂もベッドが置けるようにしたところ、
地下鉄サリン事件の患者が押し寄せ、まさに戦場と化し、それを私、崎山も目撃しました。

70年近く戦争がないことで、「死」が遠くなったことは幸せかもしれませんが、
「死」を忘れることは不幸かもしれません。
「東京骨灰紀行」は文庫版も出たので、ポケットにねじこんで、街歩きに出かけ、
「記憶の場所」を探してみませんか。

以上です。次点に坂口尚のマンガ「石の花」。
梅崎春生の小説「幻化(げんか)」

荻上チキ、南部広美
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