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プロフィール

菊地成孔(きくちなるよし)
●生年月日:1963年6月14日生
●出身地:千葉県銚子市
音楽家、文筆家、音楽講師。
85年にプロデビュー、ジャズを基本に音楽活動を展開。
現在は「デートコースペンタゴン・ロイヤルガーデン」、「菊地成孔とペペトルメント・アスカラール」、「菊地成孔ダブ・セクステット」で活動中。
文筆家としては「スペインの宇宙食」、「歌舞伎町のミッドナイトフットボール」、「ユングのサウンドトラック」など。

IPサイマル radiko

放送後記 第4回(2011年5月8日)   菊地成孔さん収録を終えて語る

DSC01640.JPGのサムネール画像
皆さん今週もお聞きいただきありがとうございました。今週はとにかく口内炎が治ったのと(笑)あと、ポッドキャストや番組の同録をまとめて聴いて、段々尺感が分かって来ました。前回も同じ事を言いましたけど。2時間番組しかやった事がなかったので、1時間にまとめる感じというのが分かってきました。とは言え今回も長くしゃべっちゃっていますけど、トントントンと、これでこうなると1時間だなっていう体内リズムみたいなものが出てきたんで、あせったり興奮したりする必要がなくなったっていうか、落ち着いてきたっていうかね(笑)。今迄2時間のつもりでしゃべっていたんで、「わー、もう時間がない」とかあるいは逆に「足りない!」とか途中の焦りがあったんですけど「あ、これか」という感じにだんだんなって来まして、なおかつ口の中も環境がよくなって(笑)リラックス感っていうのが4回目にして出たかなっていう風に思っているんですけど。そんな感じですかね。

★今週は一通失恋した方のおハガキが来ていました。僕はラジオの仕事を始めて長いんですが、あれだけキツい失恋の悩みを菊地さんみたいに簡単にさらっと流した人を見たのは初めてなんですけど(笑)

ああー、とにかく2通目以降を防止するためにも(笑)この人にこんな(失恋の)相談をしてムダなんだという事を、ちょっと残酷ですけどわかっていただいて。恋愛なんかどうでもいいって言っているんじゃないですよ。恋愛は・・・一番大切かもしれない。今、日本の国民の国是が恋愛ですからね、他に真剣な事ないですから。ずーっとそれ以上の物がないなと思っていたら、今回こんな事がおきてしまい、それまで日本人の平均って一番キツい事って、好きな人に好きって言えない事だったり、そんな事だったんで、恋愛も大変だなと思うんですが。こんな事言うとカッコ付けギリギリですが、恋愛にまつわる色んな事ね、失恋して痛いとか、恋を始めるとうれしいとかね、そういった事はワタシ全て音楽につぎ込んでいるつもりなんですよ。演奏に。なので、おしゃべりでうまく言う人とかいるじゃないですか「恋って・・・だよねー」みたいな(笑)。そんな事を言って傷ついている人を慰めたりするのはからっきしダメで、まあそもそもお前が何やってんだって言われたらこれがもうからっきしですから。人に言える程立派な事になってないんで(笑)全然ダメですね。誰も信用してくれませんが、全然モテないし、童貞なんだと(笑)。まあキャバクラの中でもよく童貞だって言いますよ(笑)。「モテそうだよね」って言われたら「そんな事ない、だって童貞だもん」っていう事でごまかしてますんで。本当に恋の痛みが、ワタシの音楽でより傷をなめるような事になったり、あるいはスッキリするといった事になるとすれば一番いい事で。ワタシ、ファンメールBOXも持ってますから、恋愛の悩みもいただきますけど、それはそれは「こんなの知らない人(ワタシ)に読ませていいんですか?」っていう連綿たる凄いのが来ちゃうんですけど、これは申し訳ないなっていう。一応は読んでいますけど、何の参考になる事もできませんけどっていう、音楽聴いてくださいよっていう事で処理させていただいていますので。えーこんな事言うと(恋愛相談が)余計に来たりしますけどね。いずれにせよ返答はこんな感じで「童貞なんで分かりません」っていう事にしてもらえればなっていう(笑)。

★ラジオのパーソナリティーで、兄貴になりたがる人っているじゃないですか。菊地さんは兄貴的な所が皆無ですね。

兄貴って年じゃないですからね(笑)。リスナーによってはお父さんって年ですから。兄貴ぶるのもどうかなっていうのもありますけど、少なくても恋愛、惚れたはれたっていうのは、まあもちろんワタシもありますよ、ありますけど、音楽に吸収されちゃっているんですよね。だから恋愛に限らず、「こんな事で迷っています」とか「どうやって生きるべきでしょうか?」とかをまかり間違って書いて番組に送っちゃったりする人がいると思うんですけど、まあそれに関しては対応を見ていただくっていう(笑)形でですね。何に対して熱心に答えているのか?それは(今週来たハガキの)ジョン・ウィリアムスについて話しているんだっていう(笑)好事家に対しては、非常に熱心であるという事をこれから番組で毎週毎週(わかっていただければ)。ただ一般的な質問に関してはアレ(うまく答えられない)だっていう・・・ところですかね。

★説教されたい人っていらっしゃいますよね。リスナーで。

ああ。説教されたい人いますよ。

★お説教はしないんですか?菊地さんは

ワタシは学校やっているんですよね。私塾。入学は無制限でやっているんで、年齢も性別も国籍も無制限ですけど、そうするといろんな方が来るんですけど、まあフロイトに換言してしまう限りにおいて、学校に来ようという半分の人の心の中においては「怒られたい」っていうのが入ってますから。怒られて、興奮する事によって自分が上がっていき、怒られる事で育っていくと。育っていくっていうのはオマケで、興奮するのが先にあるんですけれど。だから怒られたい人がたくさん入ってくるの。で、もうこの年になると目を見ると分かりますから。ああこの人怒られたいんだなと。その時の気持ちは「残念だけど、途中でこの人は辞めてしまうんだな」っていう。やっぱり全員やめます。怒られたい人は。(ワタシは)怒んないから。怒った事ないです。どんなにできない子にも怒んないんで、怒られたくてウズウズしているちょっと、この人物知りだし怖そうだから怒って欲しいなって思って股間が濡れている女子生徒とか全員辞めますね(笑)失望して。怒ってくれないっていうんで。その時の冷たい顔ね、最初は「怒ってください」って目がジワッと潤んでいるんですけど辞める時は「チェッ!」みたいな感じで辞めて行きますよね。怒られちゃうとダメになっちゃう人がいるじゃないですか?そういう人ばかり残りますね。僕の性癖だと思いますが、ちゃんとバランスのいい大人としてという事を考えると、時に怒り、必要に応じて励まし、時に笑わせ、バランスよくやってあげるのが一番いいと思うんですよ。森進一さんみたいにね。多分。森進一さん、全部やってくださると思うんですよね(笑)。あの声で。あの声で「お前ちゃんとしろよ」って。「本当は何がしたいんだ」っていう時とか、「本当今日はよかったよ」っていう時とかあると思うんですけど、それが(ワタシは)できなくて、真摯に話を聞いて、「じゃあ何とかしようかな」っていうのが関の山で、「お前みたいのはー!(激怒)」っていうのはできないんですよね。誰にもやった事ないです。だから自然と(ワタシには怒ってもらえないという事が)リスナーの方にも通じるんじゃないですかね?(笑)


兄貴になれない。怒らない菊地さん。このインタビューは次回に続きます。