見に行ける!遊びに行ける!東京のインフラ!?

ジェーン・スー 生活は踊る

生活の知恵を授かるコーナー「スーさん、コレいいよ!」。ゲストは、番組初登場!東京理科大学・助教の高柳誠也さん!

「東京の土木構造物の魅力」を紹介とは。
 土木構造物というのは、橋、鉄道、水門、発電所、水道など人々が生活する上で必要なインフラ施設。そんなインフラ施設を見て、何が楽しいのか?施設を教えてもらったところで、どこをどのような視点で見ればよいのか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。ただ、全国各地には魅力的な土木構造物がたくさんあり、ここ東京にももちろんあります。そこで今回は見に行ける!遊びに行ける!魅力的な東京の土木構造物を教えていただきました。外出する機会も多くなってきたので、東京以外にお住まいの方もぜひ、参考にして下さい!

 

①羽田空港 D滑走路!

▼羽田空港は世界で5番目に利用者の多い空港。
コロナ禍前では国内線国際線あわせて1日20万人以上が利用していたという。
年々増える発着便数に対応するため、およそ13年前の2010年にはD滑走路が完成し、現在は4本の滑走路によって運用されている。羽田空港は第1、第2ターミナルを囲むようにA,B、C滑走路が走っている。D滑走路は、小さな島のように南側に単独でつくられている。
 
▼D滑走路の桟橋、特に脚に注目してほしい!
D滑走路の桟橋の脚は、まるで古代神殿のよう。100年間使用できるという要求水準を満たすため、耐海水性ステンレス鋼という耐久性のある素材で覆われている。また、桁下はチタン製のカバープレートで覆われている。その結果、特徴的なシルバーの輝きを放つ滑走路になっている。多摩川の河口にあるので、桟橋の形式にして生物多様性など環境にも配慮している。
 


▼以前は、羽田空港のD滑走路を見学できるツアー、船から見るツアーなどがあった。ただ、コロナの影響などもあり、現在でもD滑走路も回るツアーはあるが少ない。
 
▼陸からも遠いですが見ることもできる。
例えば、川崎区・市民健康の森の「浮島町公園」。臨海部にあり、海つり施設に接する川崎最東部の公園。
 
▼そのほか多摩川スカイブリッジからD滑走路を望むと、滑走路だけでなく着陸誘導灯や地下に潜っていくところの東京モノレールなど土木的見所がたくさんある。シーズンによっては干潮になった浜辺で潮干狩りを楽しむ人も。
 
▼飛行機に乗られる際には、離陸直後や、着陸直前に羽田空港をよくみてみると、D滑走路の桟橋と多摩川の河口との関係がよく見える。

 

②目黒区 大橋ジャンクション外壁と目黒天空庭園!

▼大橋ジャンクションは、高架を走る首都高3号線と地下深くのトンネルを走る首都高中央環状線を巨大なループを描きながらつなぐ土木構造物。1周約400メートルのループを4層にわたって重層する構造になっている。地上およそ35メートルと地下およそ36メートルをつなぐので高低差は70メートル以上。この高低差をつなぐために、特徴的なループ状となった。一般的なジャンクションに比べると1/4程度の面積におさまっているという。
 
この大橋ジャンクションの外壁と庭園
▼まず外壁。外から見るとコロッセオのような円形の建物。外壁は常緑のツル性植物であるオオイタビによる壁面緑化が行われている。

 
▼このジャンクションは、屋上に「目黒天空庭園」と呼ばれる公園がある。
勾配のある立体的な公園で、「四季の庭」や「くつろぎの 広場」など様々なエリアから構成されている。都心にあるので、庭園からの眺めもすばらしい。ランチなどにもおすすめ。コート場もある広場も。遊びに行けるジャンクション。東急田園都市線「池尻大橋駅」下車およそ3分、東急バス「大橋」下車およそ3分。

 

③杉並区 神田川・環状七号線地下調節池 善福寺川取水施設!

▼神田川・環状七号線地下調節池は、環状七号線の道路の下に18年もの歳月をかけて作られた巨大地底トンネル。
そこには、水およそ54万㎥を貯留する施設。一般的な学校のプールが280㎥らしいので、1,920杯分くらい入る。


▼ゲリラ豪雨や台風による洪水などから都心が守られている。


▼実は不定期で内部の見学を開催しています。詳しくは東京都建設局のHPを参照してください。場所的には東京メトロ・丸の内線「方南町駅」徒歩およそ7分。

▼環状七号線近くの神田川や善福寺川沿いの遊歩道からは、地下調整池につながる取水口(洪水時に水をとりこむところ)を見ることができる。

高柳さんからお知らせ
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高柳さんのプロフィールをご紹介します。高柳さんは、1987年長野県松本市生まれ。
東京大学大学院・工学系研究科・社会基盤学専攻修士課程修了後、建築設計事務所や岩手県で復興関連の施策立案に従事。2019年より東京理科大学の助教でいらっしゃいます。

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