日銀の金融政策決定会合を受けてのドル円の動きと「FOMC」について

投資の始め方やお金の仕組みはもちろん、金融経済の注目ニュース、最新のマーケット動向などを学ぶ「トレードアイランド学園」。生徒「レッド吉田くん」と「花奈澪さん」、担任の「大橋ひろこ先生」と一緒に生放送で学んでいきます。

5/2授業のテーマ①「日銀金融政策決定会合を受けてのドル円の動き」
【ニュース①】先週28日の金曜日、新しく日銀総裁・植田総裁の初会合となる「金融政策決定会合」が開催されました。注目されたYCCについては修正も撤廃もありませんでした。
レッド君:とりあえず見ましたよ。
花奈さん:私はリアルタイムでは見られなかったので、夜ニュースで見ました。
大橋先生:YCCの修正も撤廃も無いのは予想通りだったんですが、予想通りのわりには為替市場でドル円相場がかなり動いたので、これはなんでなのか。植田総裁は「インフレ動向が安定的に2%に達する」という目標が実現するまではYCCは継続するということを改めてコミットしたんです。
レッド君:なるほど。
大橋先生:でも、今インフレってかなり高いよね?って思っていませんか?
レッド君&花奈さん:はい。

花奈さん:かなり順調に上がっている気がします。
大橋先生:日本のインフレ率は総合で前年比+3.2%。
レッド君:そんなに上がってるんだ。
大橋先生:じゃあなんで、2%の目標を超えているのにYCCの解除とか撤廃をしないのかという話なんですが。<安定的に2%の目標を実現するために>というココがポイントで。
レッド君:2%を安定させるということですか。
大橋先生:常に2%ずつインフレになっていく世界を目指しているというんですね。今回「展望レポート」というものが同時に発表されているのですが、その展望レポートの日銀が見るこれからの日本のインフレ率はどんどん下がっていって2023年度の年度末には2%を割っちゃうかもしれない、という。

花奈さん:今は3%あってもってことなんですね。
大橋先生:これからインフレ率はどんどん下がるかもしれませんよというような見通しなので、ここでまた金融緩和の政策をいじるとインフレは安定的に2%に達するという目標が達成できないから、ということで<緩和は維持><YCCは当面いじらない>というメッセージをマーケットに送ったということなんですね。
レッド君:でも、それを送ったんだけど、今週ドル円相場がけっこう動きましたよ?
大橋先生:先週の時点でドル円相場がポーンと上に上がりましたよね。133円台にあったものが、5/2の現時点で137円ですから4円くらい。やっぱり海外の投資家の方々は日銀はやっぱり変更するんじゃないかと。年内にメッセージとして利上げをするということをやるんじゃないかと構えて見てて。ドル円を売って待っていた人たちってけっこう多かったんですって。ところがやらないよというメッセージを強く打ち出したことで、売ってたらやられるんで慌てて買い戻す、と。そしたら買い戻すエネルギーだけでドル円相場が上がっていくという。
レッド君:そういうことなんですか。
大橋先生:お二人はデモトレードをやっていましたけど、どうでした?
レッド君:その瞬間、ドルがすごく上がって円が安くなって。でも、ぼくはデモトレでやっていたのでそこで一気に残高が上がったんですよ。ちゃんとポジションを取っておきました。でもオレ、たまたまです。そう、たまたまだったので自分ののフォームで振ってないので・・・
大橋先生:これ、たまたま買ってたからドル円が上がって利益になったということですけど、もしそれがドル円を売ってたりしたら大きな損失になっているってことなんですよね。1,000通貨単位で4円が動くと4,000円くらいなんですけど、1万通貨で4円動くと4万円ですからこれを10万通貨、20万通貨単位でやる人もいますから、そうするとこの一瞬、1週間で大変な利益にもなるし損失にもなると。
レッド君:そこらへんの見極めが大事で。また慎重に行き過ぎると買えないし・・・。難しいですよね。
大橋先生:そう、だからまだデモで、こんなイベントの時にはこんなに動くんだという体感するフェーズかなと。
5/2授業のテーマ②「今週のFOMC」
【ニュース②】先週、日本では日銀の金融政策決定会合が行われましたが、今日2日と明日3日にかけてアメリカの金融政策を決定する会合「FOMC」(連邦公開市場委員会)が開催されます。
レッド君:FOMC・・・フォーマック!ではない?(笑)。違うと(笑)。どう意味なんですか?

大橋先生:FOMC は、日銀の金融政策決定会合と同じような会合の名前です。日銀に相当する中央銀行の名前をFRBと呼びます。
花奈さん:FRB・・・
大橋先生:フェデラル・リザーブ・ボード(FRB)、これがアメリカの中央銀行。その中央銀行が開催する金融政策の会合がFOMC。これは年に8回開催されるんですけど、ここで金利を上げるとか下げるとか、量的緩和をやるとかやらないとか、色んなことが決められて。これが為替市場ではかなりのビッグイベントなんですね。
花奈さん:日本は維持でいくよと言ったけど、さあ次はアメリカはどっちなの?ということですね!
レッド君:どっちに行きそうなんですか?

大橋先生:アメリカは、今は0.25%の利上げをするでしょうというふうに市場は予想しています。先物市場では90%は織り込まれています。すごい少ない10%の人たちは利上げしないかもしれないと思っているので、もし利上げをしないという決定があると、ドル円相場が<え、しないの???>ってビックリして下がるという可能性がああります。利上げをするのは当たり前なんですよ、予想されているから。意外と利上げしてもドル円は上がらない。しなかった時にはものすごい下がる。そうやって市場のトレーダーは予測して構えてる。
レッド君:ということは、その瞬間に<売り>で入った方がいいってことですか?
大橋先生:利上げしてもあまり上がらない、利上げしなかったら下がるという確率でいうと、売りで構えてるトレーダーは多いかもしれないですね。
レッド君&花奈さん:なるほど~
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大橋先生:ただし、もしかしたら利上げして、さらに<利上げは続きますよ、6月も7月も年内あと何回も利上げするかもしれません!>と市場にメッセージを送ったとします。そしたらビックリして市場はもっとドルを買ってドル高になるかもしれないです。
レッド君:ああ、どっち!?
大橋先生:今回、日銀の植田総裁の会見がありましたよね。あれと同じようにFRBのパウエル議長が会見するんですよ。そこで<まだまだインフレ率が高いから利上げは続けますよ>と、“タカ派のメッセージ”と呼ぶんですけど、強気のメッセージを出したらドル円はもっとボーンと上がるかもしれない。

レッド君:これって投資家の皆さんは会合の前に予測してポジションを取っておくんですか?
大橋先生:日銀の時はそうやってポジションを取っていた人たちがそうやってやられましたよね。下がると思っていたのに上がっちゃったから。そうやって事前にポジションをとる人もいるけど、やられるリスクは相当高いと言うことは覚えておいた方がいいですよ。
レッド君:ということは、発表された後にどう動くのかを見ながら・・・
大橋先生:イベントの時は<こうなったらこうする>と決めておくことが重要なんですよ。

FX実践編:今週のキーワード【デモトレードで学ぶ②】
<レッド吉田君のFXの誤解>
→取引は午前9時から午後3時まで?(午後3時以降でも動いていたのはデモトレだからでは?)
※日本株市場!東京証券取引所の日本株、個別株の取引)
<大橋先生のFX講座>
◎「平日月曜から金曜(土曜朝まで)24時間取引ができる」
◎為替取引は世界中のどこかで取引が行われている。
(日本が寝ていてもアメリカやヨーロッパでは貿易や為替の交換は起こっているからレートが存在する)

◎「日本の祝日で株式市場はお休みでも、FXは動いている」
(業者の人は大変じゃないですかBYレッド君)
◎日本の大型連休や正月などは小動きになるが、海外の投資家たちが狙いを定めていることも!
「大きく動かして儲けてやろうと考えてる投機家もいる」(大橋先生)「空き巣じゃないか!」(レッド君)
※基本的には動きが少ないのでデモトレの場としてはいい環境。
◎色んなクセがある。例えば「月末はユーロが動きやすい」「絶対だったら儲かるのになあ~」(レッド君)
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