「それは行政が決めていいのか」KSB記者・山下洋平の『ルポ ゲーム条例』

武田砂鉄のプレ金ナイト

TBSラジオで金曜午後10時~11時30分に放送中「武田砂鉄のプレ金ナイト」。   
4月28日の放送回のゲストは、『ルポ ゲーム条例 なぜゲームが狙われるのか』の著者、KSB瀬戸内海放送記者の山下洋平さん!

「はじまりは強烈な違和感だった」
山下さんは普段、KSB瀬戸内海放送で報道記者をされています。
この度、話題になった「ゲーム条例」の取材をまとめた『ルポ ゲーム条例 なぜゲームが狙われるのか』という著書を出されました。
「ゲーム条例」とは、「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」のこと。
2020年3月に香川県で成立した条例で、「ゲームは平日1日60分まで」など、
罰則はないですが、18歳未満を対象に具体的な制限が記されています。
この条例を「県民の8割が賛成」と報じられていたニュースに「そんな馬鹿な」と思ったのが取材を始めたきっかけでした。

「これで終わらしていいの?」
翌朝、議会事務局に行き、情報公開請求で賛成意見の原本を出した山下さん。
確認したパブリックコメントを見た時、その違和感が当たりました。
出てきた賛成意見は、コピペやひな形が100件以上。誤字が20件以上。これは明らかにおかしい!
しかしゲーム条例は成立してしまいました。
マスコミは、こうした問題のある条例は、施行される前は報じていても、施行されてからはサーっと引いて報道されなくなることが多いです。
「そこをやっぱり、これで終わらしていいのっていうのが、元々、もう本当、その一点で…。
その後も制定過程が不透明だということで、取材を続けていきました。

「とにかく対策をしているところを見せよう」
とはいえ、ゲームばかりしている子どもに対して困っているという人もいます。
それに条例をつくり、対応しようというのがはじまりだと思われますが、それは行政が決めることなのか?その根拠はなんなのか。
ちょうどこの時がコロナと重なり、「とにかく対策しているところを見せようとする」政府の対策と、ゲーム条例をつくる動きが重なります。

「おかしいっていうことをおかしいって言うべきだと思って」
賛否が分かれている問題があるときに、報道全体が及び腰になっていると感じている山下さん。
「僕はそこを踏み込むときは踏み込むべきだと思っていて。ただ、それは逆の意見を無視することとは違って。どちらかが、やっぱりこれはおかしいっていうことをやっぱおかしいって言うべきだと思って、ただそうじゃない側の意見もちゃんと聞いた上で、ていうことが大事なんじゃないかなと」。

他にも、「自分たちの非を認めることをしない」、高校生が裁判を起こした、「そもそも雑なんすよね、この条例」、「1日60分というのはあくまで目安ですよ」、についてなどを伺いました。

山下さんの著書『ルポ ゲーム条例 なぜゲームが狙われるのか』から発売中!

 

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