イールドカーブ・コントロール(YCC)について

GMOクリック証券presents トレードアイランド学園

投資の始め方やお金の仕組みはもちろん、金融経済の注目ニュース、最新のマーケット動向などを学ぶ「トレードアイランド学園」。生徒「レッド吉田くん」と「花奈澪さん」、担任の「大橋ひろこ先生」と一緒に生放送で学んでいきます。

4/25授業のテーマ「イールドカーブ・コントロール(YCC)について」

【ニュース】新しく日銀総裁に就任した植田総裁体制の、初めての「金融政策決定会合」が今週27日と28日に開催されます。注目のポイントは、今の「緩和」について変更があるかどうか。その結果次第では、円相場や日本株などに大きな影響を与えることになります。 

「YCC」とは?

レッド君:「YCC」?

花奈さん:これ、2週間前に話題になったニュースですよ!

レッド君:日銀の総裁が変わったからといって<総理大臣が変わった><アメリカ大統領が変わった>といったニュースとは違って、日本の動きがそこまで活発になっていないですよね?

大橋先生:でもね、日本のインフレ率が上がってきたことは感じてるでしょ?

レッド君:物価が上がったり・・・

大橋先生:そう。先週金曜日にも発表されているんですが、総合指数でプラス3.2%、コアでプラス3.1%、コアコアでプラス3.8%。物価が去年よりも上がっている出てきているので、このインフレをそろそろ引き締めていかなければいけないんじゃないのという見方もあるので、新しい日銀総裁はもしかしたら緩和を止めるのかな、という予想が広がっているんです。

レッド君:なるほど。緩和を止めるということは、利息が上がるということですか?

大橋先生:そこまで急にはいかないです。利息は政策金利に紐づいているので。政策金利は日本はまだゼロ金利です。今、問題になっているのは<「YCC」を動かすか・動かさないのか>、ここが一番の注目ポイント!

レッド君:ものすごく大事なんですね、「YCC」というのは。

大橋先生:では、「YCC」とは何か。まず、国が国債を発行しています。国債は1年、2年、3年、5年、10年、30年と短いものから長いものまであります。長い期間の国債だと、長い間のリスクがあるから利回りが高くなりますよね。短くところの金利は低くて、長いところの金利は高くなる。これを「イールドカーブ」(利回り曲線)と言うんですよ。イールドカーブ(=yield curve)の頭文字をとってYC・・・

花奈さん:YってyieldのYなんだ!

レッド君:え、意味を知ってる?

花奈さん:わかんない(笑)。

大橋先生:yieldは利回りのこと。イールドカーブは利回り曲線。それをコントロールしていたのが日銀なんですよ。イールドカーブをコントロール(control)するので「YCC」。

「YCC」は・・・利回り曲線をコントロールする!

レッド君:これって、世界的にもコントロールするものなんですか?

大橋先生:しないです。市場で国債は売買されているんですよ。私たちも個人国債を買ったりできるんです。売買されて自然に金利は生まれます。売買されて債券の価格が上下動するんですけど、それによって利回りも上下動するわけです。買う人がたくさんいる人気の国債の利回りは下がっていきます。買う人が少ない、人気の無い危なそうな国債は利回りが上がっていきます。

レッド君:大橋先生、ちょっと待ってください!国債にもいろんな種類があるんですか?

大橋先生:あるんです。一般的に2年と言われているのが短期債と言われています。長期債と言われているのが10年ものの国債。10年先って何が起きてるかわからないじゃないですか?

レッド君:わからないです。

大橋先生:だから10年ものの国債を発行する側は高い利回りをつけないと買ってくれる人がいないですよね。

レッド君:そうか。今の1,000円の価値が1,000円じゃなくなっている可能性があるから。

大橋先生:そうそう。だから金利がついているわけですよ。それが市場で自然に売買されることで、イールド(利回り)は自然とカーブがあるわけですけど、その10年の利回りを日銀はゼロ近傍に抑え込むという政策を2016年からとっているんです。

レッド君:それをやることが何かプラスになるんですか?

大橋先生:金利が上がらないということは住宅ローンの変動型の金利が上がらないってことなんですよ。

レッド君:それに対しての副作用的なものは?

大橋先生:金利は市場で動くものだから、アメリカが金利が上がると日本の金利も自然と上がるもの。それを上げさせないと日銀がコントロールすることによって、日銀は市場から10年国債をたくさん買っているわけですよ。

花奈さん:ああ、なるほど~。

大橋先生:日銀がいっぱい買うことで金利を下げてるわけです。

花奈さん:<みんなは買わなくていいよ、オレ(=日銀)が買うから!>ってことですね!

レッド君:でも、その国債はいつかは売らないとダメなんですよね?

大橋先生:そこが問題なんです。利回り曲線をコントロールするために日銀がたくさん買うことで、市場に流通する50%の国債を日銀が持っているんです。市場にたくさん国債があるけど、流動性が無くなっちゃうんですよ。

花奈さん:う~ん?

レッド君:それって極端にいえばタンス貯金と同じじゃないですか?日銀が自分の国の国債を買ってるわけでしょ?

大橋先生:・・・まあほんとは財務省が発行してそれを日銀が買っちゃってるという。一応、市場は通しているんですけど。それはルール違反じゃないの、マネタイゼーションとも言われるんですけど、そんなことやっちゃいけないんじゃ無いのとも言われているんですが、実際に2016年からやってきたわけですよ。

「YCC」が注目されている理由とは

レッド君:そんな日本に対して、海外の投資家はどんなふうに言っているんですか?

大橋先生:<見ものだな>って。<長期金利なんてコントロールできるわけない><どれだけ国債を買わなければいけないんだ>と思われていたんだけど、これがコントロールできてきたんですよ、今までは。

レッド君:今まではね。でも、このあとはどうなるかわからない?

大橋先生:でも去年、コントロールが上手くいかなくなり始めたんですよ。アメリカの金利が猛烈な勢いで上がり始めましたよね。世界の金利ってだいたい連動するんですよ。アメリカが上がるといろんな国の金利も上がってくる。日本の金利も上がり始めたんですね。短期金利はマイナスの政策金利に紐づいているから低いんですけど。全体的にじわっと上がるときに10年金利を日銀が抑えているから、5年とか7年とかの金利が上がっているのに10年のところだけペコっと凹んじゃったんです。

レッド君:え、ダメじゃないですか?

大橋先生:それを“イールドカーブの歪み”というんですけど、カーブが自然じゃなくなって、ペコっと。

花奈さん:10年のところだけペコっと。

大橋先生:それを副作用だと呼ぶ人たちもいます。それが問題になって、2016年は当初0%で始まったイールドカーブ・コントロール(YCC)も、段階的にゼロ、プラス0.25%まで上限を許容すると幅を広げているんです。去年12月、黒田総裁の時、今まで0.25%まで許容していた金利の上昇を0.5%まで一気に2倍に広げちゃったんです。それを黒田総裁がサプライズで発表したから、ドル円相場が一気に<7円もドル安円高>になっちゃったんです。

レッド君:ああ、そうなんだ!

花奈さん:7円!!

大橋先生:だからイールドカーブの修正とか止めますというのは、為替市場にとても大きな影響があるってことなんです。

花奈さん:だから総裁が変わったということで、この「イールドカーブ・コントロール(YCC)」が注目度がめちゃくちゃ高いということですね。

大橋先生:ただ、日銀の植田新総裁の就任会見では<すぐにはやらない>と言っているんです。

レッド君:でもサプライズがあるかもしれないじゃないですか。

大橋先生:そう。前の黒田総裁はサプライズをやってきた人なので。植田新総裁はサプライズをしないよね!?と市場が信じていいのかどうか。

花奈さん:だから27日、28日の「金融政策決定会合」は注目ですね!

大橋先生:この4月にやらなくても<年内のどこかでYCCはやめましょう><0.5%を0.75%とか1%まで認めましょう>とか。

FX実践編:今週のキーワード【デモトレード】

大橋先生からリスクについて教えてもらったことでFXを始める前に、実は先週から「デモトレード」を始めていたレッド君と花奈さん。この1週間やってみた2人の感想は・・・

◎レッド君:「デモトレードのやり方がよくわからなくて、1万かける何個買いますか?というのが出てきて(=取引のロット)。で、100入れたんですよ(=100X1万通貨)。それを前日に買って次の日の朝に見たらマイナス60万という赤文字が出て。ただその後、ローソク足を見ながら自分で底を見つけて返りを入れたら50万プラスになった!デモトレードだから気が楽にできて、自分のお金だったらそんなことはできないなと思った」

◎花奈さん:「今週ガーンと下がることが多くて、いつ入っていいかわかんなくて。勇気を出してめちゃくちゃガーンと下がった後にちょっと上がったところでやってみました!でも10分で売っちゃいました!不安で不安で。でも、デモトレードで良かったなと思って。その後もガーンって下がっちゃったので」

<大橋先生の解説>

▼自分のリアルマネーをどれくらいから始めるのかを考えて取引ロットを考える。

・GMOクリック証券のデモトレードでは、最初1,000万円の仮想資金がある。

・自己資金10万円で始める人は0.1ロッドや0.3ロッドなど(1,000通貨単位の取引)。自己資金50万円、100万円を入れられる人は10,000通貨単位で始めても。

▼デモトレードの最初の画面に出てくる、青部分=「BID(ビッド)」(売れる値段)、赤部分=「ASK(アスク)」(買える値段)。「BID」(売り)の値段より「ASK」(買い)の方が微妙に高い。買う時は高い価格で買わなければならない、売るときは安い価格で売らないといけないという仕組み。

▼「売り」と「買い」の価格差を「スプレッド」(=FXの取引コスト)という。

・FXは基本的に取引手数料は無い。BIDとASKの価格の差が 手数料みたいなもの。最初の取引の瞬間はマイナスから始まる。

・スプレットの差は「狭い」「タイト」という。GMOクリック証券の場合スプレットは0.2銭(狭い!)(FXは日本の個人投資家のプラットホームとして素晴らしい)(※外貨預金の場合、100円や1万円のケースも)

・人気の無い、取引の流動性の無い通貨ペアはスプレットが広くなる(ランド円、ペソ円、トルコリア円など)

・大きなイベント(CPIや雇用統計の発表など)は価格が急に動く時はスプレットも広がっていく。

Youtubeのアーカイブでご覧ください!

#ライブ #tbsラジオ  #トレアイ学園

<注意事項>

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