大人気「ぬいぐるみのお泊り会」そして「専門病院」は10ヶ月待ち!

練馬区の図書館で「ぬいぐるみのお泊まり会」というユニークなイベントが開かれました。どのようなものなのか、練馬区立小竹図書館の中嶋典子館長に伺いました。
■ぬいぐるみが図書館にお泊まり!
練馬区立小竹図書館 中嶋典子館長
ぬいぐるみのお泊まり会とは、お子様が大切にしているぬいぐるみをお預かりしてその間ぬいぐるみが図書館で働いている様子をアルバムにしてそれをお渡しする事業です。ぬいぐるみに、私たちと一緒に本の修理をしたり、本が元々あった場所に返す仕事とかをやってもらいます。お返しの日にはぬいぐるみの選んだ本ということで、お子様に「こんな本をあなたのぬいぐるみが選んでくれましたよ」ということでご紹介したりします。自分のぬいぐるみが私のために選んでくれたということで、本はちょっとって思ってる子どもでも、ぬいぐるみを通して図書館に興味を持ってくれたり、絵本に興味を持ったりしてくれるということでとても意義を感じています。
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(「ぬいぐるみのおとまり会」のポスターから)
子どもたちからすると、自分の大好きなぬいぐるみが図書館で本当に生きて働いていたり、他のぬいぐるみのお友達と仲良くなったりしている写真がアルバムになって帰って来るので、それが楽しくて参加するようです。
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一方、事業を行う側の狙いは、それを通して本に興味を持ってもらおうということ。もともとはアメリカで始まり、それが日本に伝わって今や全国の図書館で開かれているんです。取材した小竹図書館でも、毎年すぐに定員が埋まってしまうほど大人気でこのイベントをきっかけに図書館に来るようになった子どもたちもいるそうです。
■予約殺到!ぬいぐるみの専門病院とは
この図書館でのお泊まり会はお子さんが対象だったんですが、今、子どもだけでなく大人でもぬいぐるみが欠かせないという人が増えています。ぬいぐるみ人気から、なんと「ぬいぐるみの専門病院」ができていて予約が絶えないというんです。ぬいぐるみの病院とはどういうことなのか、東京・千代田区にあるぬいぐるみ専門病院「杜の都なつみクリニック」箱崎菜摘美院長のお話です。
杜の都なつみクリニック 箱崎菜摘美院長
私たちはぬいぐるみを家族の一員として扱っておりまして、ただお直しをするというだけではなく、ぬいぐるみを治療するといったコンセプトで病院をやっています。月100体の患者様を受け入れております。中綿の交換、あとしっかりとお風呂のエステに入っていただいて、その時に綿をお入れしてからストレート矯正、もしくは毛並みをしっかりと整えてツヤツヤにしてお帰りいただいております。全国からいらっしゃいますし、海外からも最近はご依頼が増えています。中国、韓国、台湾とか、あと遠いところでいうとヨーロッパ方面からもお客様はいらっしゃいます。今現在ですと10ヶ月待ちになってるんですね。最近になって皆様ぬいぐるみを大事にする文化を恥ずかしがらない方が増えてきたのかなという印象です。ぬいぐるみが汚れたから直したいというご依頼は増えていると思います。

洋裁の専門学校などを卒業したスタッフ7人が対応していますが、月100体のぬいぐるみを直しても追いつかないほど需要があるんです。海外からの依頼も多いということでしたが、海外からぬいぐるみだけが届くこともあれば、日本に旅行に来た際にこの病院に寄ってぬいぐるみを預けて治療している間に観光する外国人観光客もいるそうです。お客さんは若い方もいれば、祖父母や親の代から受け継がれるぬいぐるみを連れてくる方、ゲームセンターでたまたま取ったぬいぐるみをずっと大切にしている方など様々です。
■なぜぬいぐるみ専門病院へ?
私が取材にお邪魔した日は、杉並区の50代のご夫婦が熊と犬のぬいぐるみの治療に来ていたので、少しお話を伺いました。
犬のごんちゃんって言うんですけど、首が座らなくなっちゃたので。初めてです。色々丁寧に説明していただくのですごく安心して預けられるなと思ってよかったです。本物の動物や人間のように扱ってくださるので、すごく安心できるなと思いました。僕らみたいにぬいぐるみが家族の一員になってる人にとっては、ずっとあり続けてほしい病院だと思います。
ペットが家族の一員であるように、ずっと大切にしているぬいぐるみも家族と同じ存在。その気持ちに寄り添ってくれて丁寧に直してくれるこのクリニックはありがたい場所だと話していました。
(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:西村志野)