「リベンジのように臓器密売がされている」木村元彦が取材したコソボ

アシタノカレッジ

TBSラジオで月~金曜午後10時~11時55分に放送中の「アシタノカレッジ」。   
3月10日の放送回では、ジャーナリストの木村元彦さんをお迎えしました。

さまざまなサッカーの現場に取材されている木村さん。
以前のカタール大会では、さまざまなことが話題になりましたが、木村さんが大きく問題視されたのは、開催地カタールの人権状況。
LGBTQの人が最悪の場合死刑になってしまうことや、使い捨てのようになってしまった労働者の問題がありました。「FIFA自体がノーレイシズムを訴えているわけだから、開催地事態に関心を持つべきだということと、選手たちがそういうものに対して声を上げ始めた」ことを木村さんは考えており、「政治をスポーツに持ち込むなんて人もいるんですけども、政治とは違って普遍的な人道人権に意見することは政治ではないから」とのことです。

そんな木村さんはこの度、著書「コソボ 苦闘する親米国家 ユーゴサッカー最後の代表チームと臓器密売の現場を追う」を出されました。
コソボはセルビアの一部だったのですが、多数派がアルバニア人で、セルビア人はマイノリティですが、セルビア人にとっては聖地なので絶対手放さない土地でした。
ところが多数派のアルバニア人、元々自治権を持っていましたが、それをセルビア大統領が自治権を剥奪してしまって、そこでまた独立宣言をアルバニア人たちが一方的にしてしまい、「コソボはセルビアのものだ!アルバニア人なののだ」と内戦状態に。

そしてこの本の軸になるのは、1999年にNATOによるユーゴスラヴィアの空爆。
知識人も結構な支持がありましたが、正当性はあるといわれていますが果たしてどうなのかということが書かれています。
「内戦状態になっていて、人道破綻問題が起きてきて、民間人に対する虐殺も出てきて、国際社会が動き出すわけですね。なかなかNATOが妥協点を見いだせず、最終的に調停案を蹴ったということで、それでNATOが軍事行動を起こしたということになってるが、これもやっぱりさらに取材をしていくとただ決裂したわけではなくて、NATOの占領地化みたいなことを交渉されたが、受け入れられず決裂し、空爆を始めた」そう。
これが結果的に国境が変わることにつながりました。


「複雑なデリケートな親米国家になっていて、解放軍ってさっき言ったいわゆる武装組織が政府要人になってるものですから、いわゆる民間統治というか、言ってみれば、なかなかガバナンスも聞いてなくて、やっぱりある種のリベンジのように、少数民族であるセルビア人を拉致して殺害して臓器密売の犠牲者にしているという現状があったので、それをずっと取材してきたというのが僕のこの本の言ってみればテーマ」。

この後も著書についてたっぷりと伺いました。
木村木彦さんの著書『コソボ 苦闘する親米国家 ユーゴサッカー最後の代表チームと臓器密売の現場を追う』は、集英社インターナショナルから発売中!

番組では、みなさんからのメッセージをお待ちしています!
◇メール:ashitano@tbs.co.jp
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◇Instagram:ashitanocollege

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