球春到来!野球人口増加へ球児たちを救え!

プロ野球はキャンプが始まり、春の高校野球も近づいてきて野球の季節になりますが、いま野球を始めたい、野球を続けたい球児たちは大変なようです。というのも、グローブやバットなどの道具の値段が高くなって揃えるのが結構な負担ということなんです。
■手ぶらでグラウンドへ!グローブの貸し出し
そんななか、野球部員にグローブの貸し出しを行なっている高校があります。群馬県立松井田高校野球部の庄司治人監督のお話です。
群馬県立松井田高校野球部 庄司治人監督
かなり今道具代も高くて、5万円はするかなっていうところですね。ここにきてさらに1万円は確実に上がってるかなというところはあります。「グローブが無いのでグラウンドに行けません」という生徒もいたので、夏の大会に連合チームって言って他のチームと一緒に参加するような時もあるような形なので、なんとか単独で出場させてあげたいなっていうことで、もう少しハードルを低くして気軽にやってもらえるスポーツにするにはっていうところから、チームで貸し出す形にすれば気軽に「キャッチボールしよう」とグラウンドに誘えるかなというので、グローブの貸し出しっていうところに行き着いた感じです。
グローブの皮の値段自体が上がっているそうで、値上げの波が野球道具にもきているというんです。多くの学校ではグローブやスパイクは個人で用意することが多いそうなんですが、いきなりグローブが必要となると、みんな入部をためらいますよね。確かに、続くかどうか分からないのに5万円というのは結構高い。。そこで、野球部の活動費で野球部用のグローブを購入して貸し出しを始めたそうです。いま松井田高校の野球部員は7人なんですが、そのうち4人が高校から野球を始めました。もしかしたらこの4人は、貸し出しがなかったら入部をためらっていたかもしれないので、グローブ貸し出しの効果は出ているようです。
■人生を変えてくれた貸し出し用グローブ
実際に貸し出し用グローブを使っている2年生の野球部員に話を聞きました。
グローブとかスパイク、ユニフォームを一気に揃えるとなると数十万とかしてしまうのでグローブだけでも貸してもらって行けるという環境がすごい行きやすかったっていうのがあります。普通は高いお金でグローブとか買ってから入部だと思うんですけど、0円から始められるので遊び感覚で行ってハマるという形でした、自分は。高いお金だと母にも言いづらいですし、5万円とかを急に要求するのもすごい申し訳なくなって、言いづらくて部活に行けないという環境も自分はあったので徐々に買っていって揃えるという形が松井田高校ではできたのですごいありがたく思っています。
「5万円なんて、親には言えない」というのがなんとも切実ですが、無事グローブを借りて参加することで、入部につながったそうです。この選手、実は中学3年まで不登校だったんですが、高校で野球部に入ったことで自信がついて、今では生徒会の役職に就くなど野球に出会って変わることができたそうなんです。グローブの貸し出しは、本当にありがたかったと話していました。
■ピッタリのバットが見つかる!バットのサブスク
一方、高くなっているのはグローブだけではなく、バットも同じです。そんななか「バットのサブスクリプションサービス」を行うスポーツ用品店があります。千葉県鎌ヶ谷市のスポーツ用品店「超野球専門店CV」の中村勇太さんです。
スポーツ用品店「超野球専門店CV」 中村勇太さん
バットがかなり高額になっていますので、実際に現場で試して自分に本当に合っているのか確認してから、購入したい人は購入してもいいと思いますし。出口があるサービスなんですよね、サブスクリプションと言っても。永遠と月額料金がかかってしまうっていうサービスではなくて、販売価格に達した時点で請求が止まるシステムをとっていて、常時で会員数は今100人くらいになりますね。「こんなにバットって高いの?」みたいな親御さんが非常に多かったので、野球を諦めて欲しくないなっていう思いからこういったシステムを思いついた感じですね。野球人口の増加につながれば一番嬉しいなと思いますね。
昔野球をやったことがあるという方は「バットってそんなに高かったかな?」という方もいるかもしれませんが、バットの値段は20年前に1万円で買えた少年用のものが、今は4万円くらいにまで値段が上がっているそうなんです。なかなかお給料は上がっていないのに厳しいところです。このバットのサブスクは月額2500円~6000円で、バットが自分に合わなければ解約してバットを返して、また次のバットを試せる仕組みになっています。手軽なので、すでにのべ2000人ほどが利用しているということでした。
(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:西村志野)