こんな場所でゲーム?ゲームを活用したユニークな取り組み

きょうは、「ゲーム」に関するお話。意外な場所に、ゲームが広がっています。
■映画館の巨大スクリーンでテレビゲーム
テレビゲームやスマホゲームをする人の中には、「迫力のある画面でプレイしたいな」と思う人もいると思いますが、そんなゲーマーの夢を叶える施設が話題になっているので取材しました。Budscene(バドシーン)の品田純子さんに伺いました。
株式会社Budscene(バドシーン) 品田純子さん
映画館と同じ環境でゲームが楽しめるっていう、レンタルシアターになります。
ゲーム機本体は、お客様に持ち込んでいただくんですが、そのゲーム機を使って、何人かでレースゲームやったりとか、格闘ゲームやったりとか。
あとは、ホラーゲームを。映画館暗いので、それで画面が大きくて、音がこう、前後左右から聞こえてきて恐怖感が増すと思うので、それを1人の人がプレイして、周りの人がおっかなびっくり見てる感じですかね。
「ゲームを大画面でやってみたい!」っていう要求は、ゲームする人なら一度は思うことだと思うので、結構、興奮気味に「楽しかった~」ってニコニコ帰っていかれる方が多いです。

「Theater SPROUT(シアタースプラウト)」というレンタルシアター( 浅草・かっぱ橋道具街)。
本来は、プライベート「シアター」なので、好きなDVDなどを持ち込んで、映画を楽しむ施設ですが、165インチの巨大スクリーンに、立体サラウンドの大音響。全30席の中でゲームも出来ちゃうという、ゲーマーにとっては夢のような空間です。
料金は、人数によって異なり、例えば「5人」で「2時間」利用する場合、一人、2200円。
利用者は、「ニンテンドースイッチ」や「プレイステーション」などのゲーム機を持参する必要がありますが、中には、一人で3時間、みっちりゲームをやって帰ったお客さんもいたそうです(おそらく誰にも邪魔されず、楽しみたかったのでは…とのこと)。
今、家のテレビも大きくなっているので、「わざわざお金をかけてまで映画館行くかな?」と思ったのですが、まさか一人の方もいたとは、皆さん、映画館だからこそ感じる迫力を満喫しているようです。
■デイサービスでカジノゲーム
さらに、映画館の他にも、「こんな場所で、ゲームができる!」と話題になっている施設がありました。続いて、日本シニアライフの代表、森 薫さんのお話です。
日本シニアライフ株式会社 代表取締役社長 森 薫さん
麻雀と、ブラックジャックだったりとか、ポーカーだったりとか、パチンコだったりとか、スロットもそうなんですけど、カジノにあるようなゲームが、レクリエーションとして入っている「デイサービス」ですね。
朝ご自宅に送迎、8時半ぐらいから伺ってですね、10時から全体で、ストレッチを皆で10分ぐらいやるんですね。
そうすると、施設内で使える「ベガス」という紙幣がもらえるんですけれども、それを用いてレクリエーションに参加をしてですね、勝ち負けを競い合っていただいて。
麻雀やるときは、3千ベガス払って、1位になると、2万6千ベガスが返ってくる。
もちろんゲームもそうなんですけれども、お金の計算ってとても身近で大事にするじゃないですか。なので、真剣に「ちょっと違うぞ!」なんて言いながら。「もっとくれ」とか、多すぎる時の申告はないんですけど、少ないときは必ず「ちょっと少ないぞ」っていう、自然の生活の流れで計算を取り戻していただきたいなという意味で、紙幣を介在させて、そのためには楽しいことがあった方がいいので、「ゲーム」に繋げているような感じになってますね。
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その名も、「デイサービス・ラスベガス」。関東を中心に、全国22店舗を展開している施設。
今回、私は横浜・都筑の施設に伺ったのですが、とても高齢者施設には見えません。
本場さながらのバカラテーブルやカジノチップはもちろん、麻雀や、パチンコなどのゲームを取り入れていて、この日、麻雀は4卓埋まっていました。
また、ゲームを行うには、施設内のオリジナル通貨「ベガス」が必要です。
このベガスはもちろん、換金することはできませんが、体操を行うことで獲得できるので、「あまり体を動かしたくない」という人も、自発的に運動に参加できる仕組みになっています。

■折り紙より楽しい
ゲームを通して考えたり、計算したりして、頭の運動にもなる、ということですが、ただ、遊びとは言え、真剣勝負。実際に、麻雀をしていた方に、こちらの施設の感想を、聞いてみました。
男性(60歳)
60です。週3回で、来だして6年目に入ったところですね。ケアマネさんに探してもらって、こういう所あるよって噂は聞いてたんですけど。どんな所かなと思って、興味示して。ここはもう楽しいから、今1本に絞ったんです。負けると悔しいですけどね。他は俺、楽しみっていう楽しみはないですよね。交代でマシン、器械体操するぐらいだから。まぁ折り紙とかね、得意じゃないから。得意じゃないっていうか、しないですよね、あんまりね。
女性(82歳)
82歳です。もう8年か9年くらい来てるかな。ここへ来るのとても楽しいです。送り迎えのお車も、お洒落な車なんですよ、黒塗りで。もうこういう所だったら来られるけど、他は行く気ないです。
お二人とも、「要介護」認定を受けている方。
デイサービスの送迎といえば、施設の名前が書かれた白い車を思い浮かべますが、こちらは、黒いワンボックスカーでお迎えし、「近所の人に知られたくない」という人も通いやすくなっています。
いわゆる従来型のデイサービスは、利用者の8~9割が女性。なぜなら、男性は、普通のデイサービスでありがちな童謡、塗り絵、折り紙をレクでやるのは受け入れがたいようで、そういう方も、このラスベガスなら「行っても良いか」と思えるようで、なんと利用者の7割が男性だそうです。
中には、要介護5の車椅子での生活から、要介護3になって、歩行器での歩行が可能になった事例もあるそうですが、施設側も、選ばれるための工夫が必要な時代なのかもしれません。
(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:田中ひとみ)