「難聴体験」に行ってみた

森本毅郎・スタンバイ!

「話をしている時によく聞き返す」、「家族にテレビの音量が大きいと言われる」という方や、最近テレワークでヘッドホンの利用頻度があがって聞こえづらくなったいう方も増えているそうですが、そんな時に助けになるのが「補聴器」です。

ただ、補聴器は自分に合うものがなかなか見つからないという悩みも多いようです。

 

■聴覚ケアセンターが中目黒にオープン

そうした中、聴覚について色々相談できる施設が今年6月、中目黒にオープンしたということで、行ってきました。どんな施設か、「リケン補聴器センター ワールド・オブ・ヒヤリング」の、岡田大介さんのお話。

 

「リケン補聴器センター ワールド・オブ・ヒヤリング 中目黒店」営業部 岡田大介さん

まずセルフチェックとしては、ご自身で周波数別に、自分がどのぐらい音が聞こえているのかを簡単にチェックすることができます。

病院の聴力検査に似てますけれども、右と左とそれぞれヘッドホンをつけて、低い音だったり、キーンと高い音だったり、まずはどういった水準で聞こえてるのかっていうのをチェックできる。

それから、そのデータをもとに、様々な環境で、今の状態から、補聴器でどこまで改善できるか、補聴器の違いによってどのくらい聞こえ方が違うのかなどを、ミニシアターのような疑似環境で、簡易的に体験できます。

スピーカーがありますので、そこから、交通騒音だったり音楽を流して、それを補聴器を通したときに、どんな感じで聞こえるのかを体験できるようになってます。

中目黒駅から徒歩5分のところにある施設で、全面ガラス張りで解放感があります。

補聴器専門店の「補聴器のリケン」グループが運営していて、聞こえ方のチェックから、補聴器選び、レンタル、購入まで、専門家に相談しながら、一カ所で完結します。

「補聴器のリケン」グループのヒヤリング・ディストリビュータ・ジャパン株式会社がオープンした、「リケン補聴器センター ワールド・オブ・ヒヤリング」(左:代表取締役社長の林 義秀さん、右:岡田 大介さん)
自分で聴力を確認できる「セルフスクリーニングルーム」
聴力テストの結果は、タブレット上にグラフで表示されます

 

■難聴体験

中でも、特徴的なのが、「難聴体験」ができるブース。

こちらは、事前の聴力テストの結果もとに、その人の聞こえ方を疑似体験できるというもので、一緒に来た家族が「お祖母ちゃんは、どんな風に聞こえているのか」、実際に体験することができます。

ということで私も、「中等度難聴」の方の聞こえ方を体験してみました。

 

田中体験

(♪~)今、クラシックの音が流れていますが、難聴の方の聞こえ方を体験中です。ちょっと音がこもって聞こえますね。

では補聴器をつけた状態で聞いて見ます。あ~!大きくクリアに聞こえてます。確かに音が増幅されてますね。

(♪~)ではシーンを別のものに切り替えます。家族の食事風景の映像とともに一家団欒の音声が流れています。うーん、やっぱりちょっと聞き取りづらいかな。家族が何か喋っているのはわかるんですけど、耳を澄ませなければちょっと聞き取れないような、そんな感じです。

では補聴器をつけてみると…あ~全然違いますね。一人一人の音がはっきり聞こえますね。

「リケン補聴器センター ワールド・オブ・ヒヤリング 中目黒店」営業部 岡田大介さん

先ほどの音楽とかだと、音が豊かに全体が入ってきますので、かなり違いが出ると思います。

聴力テストのチェックデータをもとに、「エクスペリエンスルーム」で、今の聞こえ方と最新補聴器装用時の聞こえ方の違いを体験できる。
目の前のヘッドホンを使って、「素の状態」と「補聴器を装着した状態」での、周囲の音を聞き比べ。

今回は、特殊なヘッドホンを装着して、「中等度難聴の方の素の状態」と、「補聴器を付けた状態」を、ボタンで切り替えながら比べてみました。(ですので、いま聞いた音声では、音の違いはわかりません)

シーン別に、オーケストラのコンサート、家族の食事のシーンなどが流れ、補聴器アリ・ナシでハッキリと違いがわかったり、機種によって音割れが気になったりもしました。

私の90歳を超える祖父も耳が遠く、「あ、こんな風に聞こえてるんだ」ということがわかったのですが、まさにそれが「狙い」ということで、聞こえの度合いは表現できないので、体験して家族の理解を深めて欲しいと話していました。

 

■聞こえづらさを解消するイヤホン

ただ、難聴は、早い段階で対応する方が良いと言われていますが、「補聴器はまだ抵抗ある…」という若い方もいると思います。

また、補聴器は、調整に通ったりするのが大変ということで、そうした人に新しい機器も出てきています。株式会社Olive Union(オリーブユニオン)の坪井伸太郎さんに伺いました。

 

株式会社Olibe Union 坪井伸太郎さん

「Olive Smart Ear Plus(オリーブスマートイヤープラス)」という名前の製品でございまして、電車とかで皆さん使われてるようなワイヤレスイヤホンのような形をしているんですけれども、本体にマイクが付いておりまして、周りの音をしっかり拾って、大きく聞こえるというようなイヤホンでございます。

使うときは、シンプルに耳の中に入れていただいて、ご利用いただくんですけれども。

大きな特徴といたしましては、自社のスマートフォンアプリをご利用いただくことで、周りの音をどういうふうに大きくしたいっていうところをカスタマイズして、ご利用いただけるようなものになります。

特に接客業とかで、最近だとマスクをされるお客様だったりとか、パテーションがあって前よりもちょっと聞こえづらくなったという方が非常に多くいらっしゃいますので、そういった方が職場で利用できるイヤホンというところで、お買い求めいただいたりしています。

聞こえづらさを解消するイヤホン「オリーブスマートイヤープラス」。通常価格7万7千円(税込)、充電時間1時間、可動時間9・5時間。
スマートフォンアプリで音補正が出来る

見た目は、左右独立型の「ワイヤレスイヤホン」ですが、分類としては「集音器」。

その名の通り、周りの音を集めて聞き取りやすくするための器具で、実際、耳に着けると、大きくハッキリ聞こえます。医療機器である「補聴器」ほど高性能ではないものの、事前にスマホのアプリと連携して、聴力テストを行うことで、最適な聞こえ方を自分で調整できます。

お値段は、税込み7万7千円と、ちょっとお高めですが、補聴器の相場は、両耳で平均30万円ほど。それと比べると、まだ手が届くお値段かもしれません。

ただし、付けた感じ「音楽を聴いているようにしか見えない」のが課題で、今後どう違いを見せていくか、検討していきたいということでした。

聞こえづらいと、外に出るのも億劫になって、社会生活から離れてしまいがちなので、こうした機器や、施設をうまく使って、早めにケアするのも良いかもしれません。

株式会社Olive Unionの坪井伸太郎さんに聞きました

 

(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:田中ひとみ)

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