百貨店の若者離れ お歳暮の若者離れをどう食い止める?!

森本毅郎・スタンバイ!

一般的に、12月初旬から20日頃までがお歳暮を送る時期とされていますので、ちょうどこれからお歳暮の時期が始まるわけですが、今年のお歳暮には、これまではなかった特徴がいくつかあるようなんです。

 

■お歳暮にチーズケーキ・ピザ

 

まずは一つ目の特徴です。そごう・西武のリーシング本部リーシング二部フード担当 平手健介さんのお話です。

 

 

そごう・西武リーシング本部リーシング二部フード担当 平手健介さん

 

行動制限が解除されてはじめてのお歳暮を迎えます。「集う」ということが特徴になるととらえています。売れ筋は慣例的な定番ギフトよりも、みんなで囲むお鍋が売れていたり、よりカジュアルなチーズケーキとピザのセットなど、普段お歳暮として扱うことがない商品がよく伸びています。お歳暮のギフトというより、みんなでシェアして使うものが売れ筋の商品になっています。

 

今年のお歳暮の特徴は「会いたいのに会えない。だから送ります」というものだったんですが、今年は「会えるから一緒に食べよう」という特徴がありみんなでシェアするものがよく売れているそうです。コロナ禍で帰省するということ自体がなかなかできない年が続いていましたので、これまで通りのことが逆に今年ならではの特徴となっています。

 

 

■「若者離れ」を食い止めるお歳暮作戦

 

お歳暮といえば、ビールやハムやスイーツなどが一般的ですが、そごう西武で売れているのは、チーズケーキとピザのセット(5400円)などが人気です。「お歳暮」のイメージとは違った商品が売れているんですが、実はこの売れ筋の商品からも今年のお歳暮の特徴が見えてくるんです。そごう・西武のリーシング本部リーシング二部フード担当 平手健介さんです。

 

そごう・西武リーシング本部リーシング二部フード担当 平手健介さん

 

百貨店なので、主力の世代は50代~60代が多いんですが、中でも30代~40代の人も買ってくれているという傾向があります。娘さん、息子さん、お孫さんの3世代に渡って利用してもらえる商品を特に強く提案しています。百貨店にまだ親しみのない若い世代も、お歳暮をきっかけに身近に感じてもらえるような取り組みをしていきたいと思っています。

 

 

百貨店全体の売り上げは年々下がっています。経済産業省のデータによると、最盛期の1990年には12兆円の市場規模でしたが、近年は6兆円台とおよそ半分です。百貨店の「若者離れ」も進んでいますし、一方でお歳暮という文化自体の「若者離れ」も進んでいる状況です。こういった厳しい状況の中ですが、百貨店にとってお歳暮は、実はバレンタインと同じくらいの売り上げ規模を誇る重要なイベントです。だからこそ「若い世代」にも刺さるチーズケーキやピザなどの商品を強く押し出していて、百貨店としても、お歳暮としても、若者離れを食い止めようという作戦です。お歳暮コーナーは、12月中旬まで百貨店でピックアップされていますので、いい方向にいくかどうかというところです。

 

■おせちの魚介類が足りない?!

 

 

お歳暮とともにこの時期盛り上がっているのが「おせち商戦」。おせちについても聞いてみると、なかなかうまくいっていない事情が見えてきました。行動制限がなくなったことで個人向けから複数人向けのおせちが人気だということと、若者向けの商品を増やしていることはお歳暮と同じだったんですが、もうひとつ、問題がありました。

 

松屋銀座店 営業一部食品一課バイヤー(係長) 田中翔さんのお話です。

 

松屋銀座店 営業一部食品一課バイヤー(係長) 田中翔さん

 

実際、原材料の高騰が直撃したなかで、そもそも原材料自体が手に入らないという問題が残っていて、今までよりも数自体が作れないという報告も受けました。どうしても各メーカー様から今までのおせちの内容とは違う内容にしますという声が非常に多く、メニュー変更をすることでお値段を上げるのではなく抑えるようにしたとか、そういった工夫はされていたというところですね。 

 

 

おせちというと、魚介類が多いですよね。その魚介類が手に入りにくい状況が続いています。例えばロシアが一大産地のイクラやカニの確保が難しく、量を減らしたり、メニュー変更をして別の食材に変えることで、おせちの価格の上昇を抑えたりしています。例えばこれまで1万円で買っていたおせちを、単純に原材料が高騰した分をプラスして2万円になっています。どれくらいの値段だったら買ってくれるのか、販売価格を決めるのが大変だったということです。おせちを買う側からしてみれば、値段で買うのか中身で買うのか、悩みそうです。

 

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ!』取材・レポート:西村志野)

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