ポケットの男女不平等問題。街の実感は?

森本毅郎 スタンバイ!

今回は、女性向けのスーツを含む洋服のポケットが、男性向けと比べて少ないという「ポケットの男女不平等問題」を取り上げます。発端は、ユニクロが発売した「感動ジャケット」という商品が、男性用と女性用で同じ値段なのに女性用は胸ポケットと内ポケットが付いていないとSNSで指摘され、このポケットの少なさはあらゆる女性向けの洋服にみられるという声が相次いだことです。

 

■内ポケットや、スカートのポケットが少ない

まずは、新橋で仕事終わりの女性に、仕事で着用している服にポケットがついているどうか聞きました。

パンツスタイルは(ポケットが)割とあるんですけど、スカート系とかワンピースは少ないかもしれないですね。服を買う時にポケットあるか無いか確認して、無くても気に入れば買っちゃうんですけど。ポケットがあればお手洗いに行く時もハンカチを入れてとか、お昼休憩に外に出るときでも携帯とか入れて出かけられるから、やっぱりポケットはあった方がいいなと思います。

ポケットは、ジャケットに2つと、下に2つ。内ポケットはないですね。でも確かに、何かあったときに携帯とか入れて歩けたら結構楽ですよね。

ジャケットの表、腰に近い部分の両脇のポケットはあるけれども、これは基本的に飾りであまり使わないと言われています。では使える内ポケットがあるかというと、女性向けでは少なく、あったとしても物を入れられる深さは無いことが多いです。また、下がパンツスタイルの場合はポケットが付いていることもままありますが、スカートだとやはりポケットは少ない。なぜ男女でこのような差があるのかというと、フランス革命までさかのぼるとされています。18~19世紀に女性のドレスがゆったりしたものからタイトなものになり、見栄え上ポケットが廃れていったと言われています。

 

■女性ユーザーの要望に答え、内ポケットをスマホサイズに

こうした中で、女性のニーズに応えてポケットを充実させたスーツを販売しているブランド「ONLY」を取材しました。サブマネージャー土屋敦子さんのお話です。

株式会社オンリー ONLY事業本部 サブマネージャー 土屋敦子さん:

ジャケットの内側、左側を開いてちょうど手が入るところに一つ深めのポケットをつけております。元々は名刺を入れるサイズで作っていたんですけれども、お客様からスマホを入れたいというお声がありましたので多少サイズを深くしまして、働く女性の方には便利だというふうに言われてます。あとメンズ仕立てのスーツという、メンズの型紙と同じ型紙で小さいものをレディーススーツで作っていまして、これはメンズと同じだけポケットの数がありますので、左側に3つ、右側に1つポケットがあります。女性らしくありたいというよりはスーツ本来のよさみたいなものを求めてらっしゃるお客様も多くて男女に関わらず本物のスーツが欲しいという方は、こういうメンズ仕立てのスーツを大変気に入っていただいてます。

ONLYは元々男性向けスーツブランドとして1970年代に出店し、200年代ごろには女性向けも作り始めたということです、男性向けスーツの機能性を生かしつつも、デザインやシルエットは女性向けにし、そして、ユーザーの声を受けてさらにポケットを深くしたという流れです。

なお、ポケットに関する女性たちの要望を受けてファッション業界も徐々に変わりつつあるようで、 あるブランドでは、ホームページにおけるポケットの有り無し表記を分かりやすくしたほか、CINEMATIQというブランドでは「ポケットに酒瓶が入るタイトスカート」を販売するなど新たな動きも出てきています。

 

■子育て中の女性もポケットを要望

しかし、こうした女性向けの洋服でポケットを充実させる動きはまだまだ始まったばかり。特に子育て中の人は、もっと私服でもポケットを充実してほしいと訴えます。豊洲で聞きました。

小6と小4です。小さい子供がいるときは常に大きいカバンを持ってるから、そこまで意識してなかったですけど、大きくなってきて、習い事のお迎えとか、ちょっとした外出のときに携帯とか最低限のものが必要だなと思うときにポケットがあると便利ですね。ハンカチとか…。

8歳と5歳です。スカートにポケット付いてたらいいなって。コートとか着てないときはポケットがなくて。子供が持ってきたゴミとかもすぐポケットに入れられなかったりとか、そういうのが不便です。

今8歳です。ポケットは確かに昔から少ないなと思ってたんで、突然石ころ拾ってきて手渡されたりとか、小さい頃はしてましたので確かにそういったものを入れる何かポケットがあればなっていう所は確かにありました。

このように、子供からぱっと渡されたものを入れられるポケットがなくて不便という声が多かったです。ポケットの数や大きさを男女で分ける意味があるのか、ファッション業界に携わる人はいま一度考えてほしいと思います。

(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:中村友美)

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