『たまむすび in 武道館~10年の実り大収穫祭!~』レポート 歌も演奏も漫才も背負投も! 大豊作のドラマチック・プログラム

TBSラジオプレス

 

2012年4月の放送開始から10周年を迎えた『たまむすび』が、2022年9月21日に日本武道館でリスナー感謝イベント『たまむすび in 武道館~10年の実り大収穫祭!~』を開催しました。

TBSラジオプレスではこのお祭りに密着。本番の様子はもちろん、リハーサル中や舞台袖の写真とともに、記念すべき1日を振り返ります。
 

日本武道館にリスナーが集結

2022年9月21日。イベント当日、直前まで接近していた台風14号が過ぎ去ったあと、東京・日本武道館の上空には爽やかな晴れ間が広がっていました。

チケット販売開始からわずか3日間で1万人を超える応募が寄せられたイベントだけに、開場前からたくさんのリスナーが武道館にやって来ます。

駐車場には特別に展示された「赤江珠緒デコトラ」もお目見え。
 

午前中からリハーサル開始

午前10時30分。一方の舞台裏では、本日の主役となる番組メインパーソナリティの赤江珠緒さんが現場入り。

この日のために、企画発案からキャスティングに至るまで、様々な準備を重ねてきた赤江さん。その顔には、心なしか緊張の色が浮かんでいるように見えます。

本番直前の慌ただしさのなか、リハーサルがスタート。スタッフからの指示に元気よく返事をしながら、準備を手伝う共演者には「どうかご無理のないように!」と、声かけをする赤江さんを中心に、着々と進行していきます。

バイオリンを弾いているのは、もしかして……!?

『たまむすび』の現在の曜日パートナーが一堂に会するのは、この日が初めて。しかし、同じ番組を通じて、あのメインパーソナリティを長きにわたり支え続けてきただけに、さすがのチームワーク。真剣ながらも和やかな雰囲気のまま、無事にリハーサルが終了。

17時30分、まもなく開場です。
 

真打が前説!? 異例の幕開け

場内で開演を待つ間に聞こえてきたのは、『たまむすび』リスナーにはお馴染み、火曜日コーナー「おばあちゃんのやさしいつぶやき」の“エナおばあちゃん”こと、下川江那さんによる場内アナウンス。上演中のマナーが守られなかった際には「おばあちゃんが鉄拳を食らわせます!」と、注意事項の伝達にも遊び心が。

慣れ親しんだ声に安心したところで、開演直前の18時20分。暗転した武道館の場内に、期待と緊張感が漂います。

やがて明転したステージに目をやると、そこには「春風亭一之輔のマクラだけ話します!」を担当する落語家の春風亭一之輔さんが。

拍手喝采で迎えられた一之輔さんは、観客で埋め尽くされた会場を見渡し、「武道館が満員っていうのは、もっとハツラツとした雰囲気が漂ってくると思ってたんですけど……」と、控えめなラジオリスナーを形容したコメントで笑いを誘います。

赤江さんたっての希望で前説を務めることになった一之輔さん。この日の夜は、70年の伝統を持つ「三越落語会」で、自身初となるトリの出番が控えていたにもかかわらず、赤江さんからの「落語会の前は、空いてるの?」という一言に「空いてます、姉御!」と、出演を承諾。

落語界では師匠の一之輔さんが「拍手の練習は17年ぶりですよ」とこぼしながら、真打による前説で、贅沢な幕開けとなりました。
 

ステージで初めての全員集合

ステージの裏では、赤江さんの呼びかけにより、出演者一同が円陣を組み、声を上げて心を一つに。

いよいよ本番。オープニングムービーが流れ、出演者たちが入場。表には「た」「ま」「む」「す」「び」「収穫祭」の文字が、裏にはそれぞれの名前が書かれた大きなうちわを担ぎながら登場。

竹山さん、山里さん、大吉さん、土屋さん、玉袋さん、外山さんが次々と舞台の上へ。全員の後ろ姿を見送ったあと、いよいよ米俵を持った赤江さんの登場です。

スモークの中から威勢よく飛び出したメインパーソナリティ。「待ってました!」とばかりに熱い拍手を送る客席に向かって、思わず「最高~!」と一言。

2階席まで満員となった武道館を見渡した出演者一同は、興奮を隠しきれない様子。「凄いよ、ここからの景色が!」と、玉さん。「今日こうやって武道館に辿り着いたんですね」と、熱のこもる土屋さん。

開始直後からおしゃべりが止まらない6人に、赤江さんが「やかましい!(笑)」と制する一幕も。

そんな赤江さんも、高まるテンションを抑えられなかったようで。武道館という大舞台に立つ貴重な機会に、どうしてもやってみたかったという、観客たちによるウェーブを客席に呼びかけます。

山里「なんでそんなにやりたがるの?」
大吉「膝が弱そうなお客さんが多いから止めておいたほうが……」

出演者たちの不安をよそに、息の合ったウェーブを見せる客席のリスナーたち。赤江さんも「素晴らしい!」と満足げな表情を浮かべていました。
 

Chocolat & Akitoによるオープニングアクト

最初のプログラムは、『たまむすび』のオープニングテーマ曲「扉」を歌うChocolat & Akitoのライブ。10年間にわたって番組の扉を開けてきた歌声に、観客も盛り上がります。間奏部分では番組のジングルを再現したパフォーマンスも披露されました。

ライブが終わり、一人ステージに姿を現したのは大吉さん。なんと、このあと出演予定だった漫才コンビ・ミルクボーイの乗る新幹線が事情により止まってしまい、出番に間に合わないことを説明。どよめく客席を前に「大失敗でーす!」と、失敗も明るく告げる大吉先生。さすが、頼もしい。
 

6年ぶりの赤坂一回キャンディーズ

思わぬハプニングに出番が繰り上がってしまったのは、2016年に『たまむすび』の番組内で結成された赤江&山里の漫才コンビ「赤坂一回キャンディーズ」。6年間のブランクがあったとは思えないほど、息の合った見事な漫才を披露。それどころか、5分の予定だった漫才の時間を16分に引き伸ばしてしまうというまさかの展開に。

山里「赤江さん、台本にないこと言うんだもん!」

無事に漫才を終えた二人のもとに、大吉さんがやって来て……

    
赤江「M-1の審査員を務めていた大吉さん、いかがでしたか?」
大吉「身振り手振りだけは上沼恵美子さんでしたよ」  
 

外山さん&玉さんの金曜コンビが特訓の成果を披露

漫才のあとは、外山さん&玉さんの金曜コンビによる和太鼓パフォーマンス。

両手にマメを作りながら特訓を重ねる様子がスクリーンに映し出されます。玉さんはこの日のために一週間の禁酒をしたそう。真剣な表情を浮かべるお二人が、力強い太鼓の音で「まつり」を演奏。

演奏が終わると、渾身の力を振り絞った玉さんは舞台の上に倒れ込み、すかさず酸素ボンベを吸引。達成感を全身で表現していました。
 

秘蔵写真&映像公開コーナー

続いて、チャイムの音とともに出演者たちが制服姿で登場。「おはよー!」と元気よく登場する外山さんとは対象的に、山里さんが「なんか嫌な予感がする……」と不安げな様子を浮かべます。

大吉さん「学生コントやるには平均年齢が高い(笑)」

優等生的な着こなしの大吉さん、山里さん、土屋さん。不良風の玉さん。そして、セーラー服の外山さんと、竹山さん。

外山「竹子、かわいい!(笑)」
竹山「なんで俺だけこの格好なの?」

教室のセットに制服姿の出演者たちが揃ったところで、赤いジャージに身を包んだ「ヤンタマ」先生の進行で、過去の秘蔵写真や映像を振り返るコーナー。

まずは、32年前に撮影された博多華丸・大吉とター坊ケン坊(竹山さんが当時組んでいたコンビ)のVTR。福岡出身の同郷であり、福岡吉本の一期生で同期でもある4人。

カメラに向かって雄弁に語る華丸さん。なかなかツッコむことができずに戸惑う大吉さん。漫才が上手くできず、悔しそうなター坊こと竹山さんと相方のケン坊こと田中健二さん。若かりし日の4人が武道館の大きなスクリーンに映し出されます。

大吉「武道館で流す映像じゃないよ!」
竹山「51歳でこんな格好してるんだから、恥ずかしいものなんて何もないよ」

お次は、TBSの名物歌番組『日本有線大賞』に出演する入社3カ月目の外山さん。落ち着き払った様子を見せつつも、「えっと……」と言葉を詰まらせながら進行しています。今では新人アナウンサー研修の講師を務めている外山さんにも、こんなに初々しい頃があったのですね。
    
続いては、父は日本画家の土屋禮一さん、母は絵本作家の土屋侑美さんという、土屋家のVTR。なんと、赤江さん自ら訪問! 映像を見るまでこの事実を知らなかった土屋さんから、思わず驚きの声が上がります。ご両親にインタビューをしながら、なぜか赤江さんの思いつきで3人でアカペラを披露する謎の展開に。

土屋「プロが一人もいない!」

コーナーの終盤、スクリーンにはピエール瀧さんの姿が映し出されます。2020年4月、新型コロナウイルスに感染したことで『たまむすび』の出演も約2カ月間お休みしていた赤江さん。当時療養中だった赤江さんを気遣い、瀧さんは励ましの動画を送っていました。10周年のお祝いということで、特別に許可を得て、シリーズ全3作の“お尻で割り箸を割る”動画、本邦初公開です。

「赤江の全快を祈って!」と言いながら、お尻で割り箸を真っ二つにする瀧さん。

ヤンタマ「またお前も学校来いよ!」
 

M-1チャンピオンによる『たまむすび』漫才

コーナーが終わると、サプライズゲストとして華丸さんが登場。武道館のステージに博多華丸・大吉が揃いました。来場者のトイレタイムを気にするなど、お二人らしい気の利いた楽しいトークを展開。

華丸「(長渕剛のモノマネで)今ここに立ってます!」

と、ここでようやく武道館にたどり着くことのできたミルクボーイが登場。

内海「5時間かけて東京に来て、急に立ったのが武道館ですよ!」

十八番の「コーンフレーク」漫才を『たまむすび』バージョンで披露します。

駒場「TBSラジオで平日のお昼1時からやってる番組らしいのよ」
内海「ほな『たまむすび』やないか。『たまむすび』は2時間半の生放送なのに本番前の打ち合わせがほぼないらしいのよ。そら絶対『たまむすび』やないか」
駒場「でも分からへんのやな」
内海「何が分からへんのよ」

駒場「リスナーさんが堂々と“聴いてます”って言ってくれる番組らしいねん」
内海「ほな『たまむすび』とちゃうやないか! 『たまむすび』は出演者がリスナーさんと街中で会うても、恥ずかしそうに小声で“聴いてます”って言われるだけやねん。もう少しだけ詳しく教えてくれる?」

駒場「メインパーソナリティの人がポンコツらしいのよ」
内海「ほな『たまむすび』やないか! 赤江さんはメールの読み間違いがひどすぎて、ラジオネーム“色白のどちんこ”さんを“色白の、どちんこ”って読んだ人やねんで。絶対『たまむすび』やないか」

駒場「でも金曜パーソナリティの人はちゃんとしてるらしいねん」
内海「ほな『たまむすび』とちゃうがな! 外山さんもむちゃくちゃ変な人やねん。椅子やなくバランスボールに座りながら放送してて、今はそのバランスボールも3代目らしいのよ。大人しく椅子に座っといて下さい!」

番組のエピソードが織り込まれたネタに、会場は大きな笑い声で包まれました。
 

赤江珠緒の要望がすべて叶った

続いては「たまむすびミュージックショー」と題されたコーナー。

まずは、土屋さんがメインボーカルを務めるアカペラグループ、RAG FAIRから。ヒット曲「恋のマイレージ」を『たまむすび』仕様の替え歌で披露。

竹山さんは特技のバイオリンで「情熱大陸」を演奏。

外山さんはaikoの「カブトムシ」をカラオケで。実は当初、曲中にテンポが速まっていく「倍速カラオケ」を披露するはずが、機材のトラブルが発生。しかし外山さんは慌てるどころか落ち着き払って、最後まで見事に歌い切りました。

玉さんは、『金曜たまむすび』内で放送中「とにかく、壁紙の話」でおなじみ、安東弘樹さんを連れてステージに。二人でぶら下がり健康器対決。

玉さん「玉4つがぶら下がっています!」

土屋さんにステージへ引っ張り出された山里さんは、レミオロメンの「粉雪」が流れるなか、「絶対歌わないからね!」「止めて止めて!」と言いながら、サビに突入したところで大熱唱。

最後は、RAG FAIRと一緒に赤江さんが「たまむすB級ソングメドレー」を歌い、ここで締めくくり……と思いきや!?

東京オリンピック柔道男子100kg級の金メダリスト、ウルフ・アロン選手が登場。

赤江「武道館といえば、武道の聖地!」

突然ウルフ・アロン選手との柔道対決がはじまり……

まさかの赤江さん勝利!

ショーの最後に、赤江さんの念願が叶いました。
 

歌と昔ばなしで振り返る10年

お祭りはいよいよ終盤。ここでスペシャルゲストの中西圭三さんが、満を持してステージに姿を現し、数々のヒットソングをメドレー形式で披露。

リスナーお助け調査企画「竹山、ガムテープ買ってきて!」がきっかけとなり、番組との縁を深めた中西さん。リスナーから寄せられたフレーズをもとに、赤江さんが作詞を担当、中西さんが作曲したオリジナルソング「ドラマチック・プログラム」を披露。

中西「赤江さんが手がけた歌詞から“良いも悪いも含めて、それ自体が人生なんだ”という気持ちが受け取れました。前に進んでいこうと思えるきっかけになる曲だと思います」

赤江「本当に素敵な曲を作っていただいてありがとうございます!」

出演者全員での歌が終わり、一人ステージ上に残った赤江さん。

ここからは「たまやか村」と題して、『たまむすび』の10年間を昔ばなし形式で朗読。

絵を描いたのは、番組の年賀状イラストも担当しているイラストレーター/漫画家の死後くん。

実は死後くんの絵に混じって、出演者が描いた絵も使われていました。一体どんな絵が描かれていたのか、詳しくは死後くんのTwitterで解説されています

進んできた道は、デコボコ道だったのでしょうか。険しい山道だったのでしょうか。遠く地平線まで続く一本道だったのでしょうか。たくさんの人に助けられて歩いた道ですが、どんな道だったのかは覚えていません

赤坂という場所に建てられた『たまむすび』という家。皆さんからのお褒めの言葉で、スクスクとグングンと育ち、今では地上954階建ての立派なビルになりました

赤江さんの口から語られる番組の歩みに、会場中が静かに聞き入りました。
 

武道館に響いた「明日も午後1時に!」

ついに迎えたフィナーレは、フォーマルな装いに身を包んだ7人の出演者がステージに並んでの撮影会。

閉幕の時間が近づくなか、会場を見渡しながら「いやぁ……長かった」としみじみする赤江さん。

土屋「燃え尽き症候群になっちゃわないで」
大吉「明日も(放送が)ありますから!」

出演者たちがそれぞれに赤江さんへ声をかけます。

赤江「明日も午後1時にお会いしましょうね!」

最後は「たまむすび!」のかけ声で、この大イベントに幕を下ろしました。

全力を尽くしたステージを降りて楽屋に戻り、安堵と達成感の表情を浮かべる出演者のみなさん。忘れることのできない最高の日の締めに、『たまむすび』のさらなる発展を願って、一本締めで終了。

お疲れさまでした!

11年目の放送も、お楽しみに!
 

番組情報

『赤江珠緒たまむすび/金曜たまむすび』
放送時間:毎週月~金曜日 13:00 - 15:30
パーソナリティ:赤江珠緒(月~木)、外山惠理(金)
パートナー:カンニング竹山(月)、山里亮太(火)、博多大吉(水)、土屋礼央(木)、玉袋筋太郎(金)
【番組HP】
https://www.tbsradio.jp/tama954/
 

 

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