飲食店、学校…第7波をどう乗り越える?広がる、デジタル技術の活用

森本毅郎 スタンバイ!

新型コロナの第7波は依然、深刻な状況ですが、きょうは、感染防止のための新技術を取材しました。

 

■飲食店の「CO2濃度」をネットで確認

まずは、今月3日に発売された、会食などでの感染が懸念される飲食店向の感染防止技術、飲食店向けの「T*Platsティ・プラッツ)」というサービスについて、日立製作所のマネージドサービス事業部、羽根 慎吾さんに伺いました。

日立製作所 「ティ・プラッツ」担当部長 羽根 慎吾さん:

お店の感染対策を「見える化」して、きちっとやっているお店に安心して行っていただけるようにするためのサービスです。

お店とかに行くと、よくCO2のセンサーが置かれている。あれは、お店に行かないと分からない。ただ、それをお店に行く前に知って、安心してお店に行ければということで始めたのがこの「ティ・プラッツ」というサービスです。

だいたい大きさがですね、手のひらサイズ位で、レジの前に置いていただいたり、壁に付けていただいて、情報を送っていただきます。そうすると、そのサイトで、グラフにしたり、評価したりして、換気状況などがインターネットで見えます。

それを見ていただいて、この時間に行けばいいとか、この店はちゃんと換気できてるよっていうことを確認していただいて、来ていただく。

小型のセンサーで店内の衛生環境を測定する、「T*Plats(ティ・プラッツ)」
COs濃度や室温、騒音などが、専用サイトでチェックできます

こちらは、日立製作所と、森ビルの子会社「イーヒルズ」が始めた「T*Plats=ティ・プラッツ」というサービスです。「T」は「TRUST=信頼」の「T」で、「Plats=プラッツ」はスウェーデン語で「場所」を表していて「信頼される場所」という意味。「このシステムを使うと、そこが感染対策上、信頼できる場所なのかわかりますよ」ということのようです。

飲食店に設置されたセンサーが、店内の「二酸化炭素の濃度」や「音」、「スマートフォンの電波」等を感知。これによって、お店がどれぐらい混んでいるか、二酸化炭素の濃度は「よい」のか「換気が必要」なのか、専用サイトにリアルタイムに表示されます。

そして、基準値を超えるとお店に通知が送られるので、お店側は、換気や、お客さんの制限など、対策を迅速に打つことが出来ます。

少しでも、リスクの低い時間帯に、お店に足を運んでもらおうという狙いで、既に、全国60店舗で導入が進んでいるそうです。

 

■学校向けの「健康観察アプリ」活用広がる

一方、今、飲食店よりもクラスターが心配なのは学校。ここでも、デジタル技術を使った取り組みが広がっていました。茨城県つくば市のベンチャー企業「リーバー」の、ヘルスケア事業部長、鈴木 雄貴さんのお話。

株式会社リーバー ヘルスケア事業部長 鈴木 雄貴さん:

今まで学校現場で行われていた健康観察を、ご自宅から学校に報告できるようなサービスになっております。

保護者のスマートフォンから、お子さんの体温、体調とか、あとは今日学校に出席するか、そういったものをスマホで入力していただきまして、学校の先生方の管理画面の方にですね、子供たちの出席状況とか、体調の一覧が表示されるといった仕組みになっております。

これができることで、ご自宅で療養中も、その児童生徒の方がどんな体調なのかっていうのも、今までは紙を持って行く連絡帳を、近くの近所の友達に持って行ってもらう形で報告をしてたんですけど、これが直接親御さんから先生に届けられる。

累計1500校ぐらいの学校に使っていただいております。

小・中学校で導入が進んでいる、生徒の健康観察アプリ

こちらは、子どもたちの体調を管理できるアプリです。

朝、保護者は、子どもの体温が何℃か。体調はどうか、喉が痛いかなどを、スマホのアプリで入力。これによって家庭から学校に必要な情報を直接送信できる為、従来のように書類を手渡しして、それを先生が管理する、という手間がなくなります。

さらに、このアプリは、子どもの体調管理だけでなく、24時間365日、スマホで医師に相談ができる機能も。

体のどの部分にどんな症状があるのか、10問ほどの質問に答えて送信すると、早ければ数分で医師から回答が届くので、夜間や休日など、「すぐに受診すべきかどうか」の参考に使っている親御さんも多いようです。

アプリには、気軽に医師と相談できる医療相談システムも搭載

 

■クラスター予測も可能? 

更にお話を伺うと、このデータを活用して「教育現場でのクラスターの発生を事前に予測しよう」と、筑波大学や京都大学など4つの大学と、共同研究が進められているということです。

株式会社リーバー ヘルスケア事業部長 鈴木 雄貴さん:

今のデータの研究からはですね、14日から20日ぐらい前から、「この集団で感染の確率が上がりそうです」というデータがわかるような形になってます。

なので、「この集団で抗原検査を受けた方がいいですよ」という形でチェックをして、やっぱり1人いたねと、集団の中に陽性者が1人いることを早く検出するみたいなイメージかなと思います。

例えば1年生と5年生に子供がいるような兄弟さんの中で、1年生のところでクラスターが発生していたら、次は5年生のところも発生する可能性があるだとか、体温のデータ、体調のデータ、周囲の陽性者数のデータとか全部を掛け合わせてアラートを出すような仕組みになっています。

やっぱり子供は広がりやすいですし、子供から親御さんに移って、親御さんの仕事に行けなくなってしまう。こういったところも、防ぐ一つになるかなと思っております。

厚生労働省によると、「学校や教育施設」でのクラスターは、夏休み前(7月18日まで)の1週間に、過去最多409件が確認されていて、やはり家庭内感染は深刻です。

先ほどの健康観察アプリで集めた、児童の発熱データなどを解析しクラスターの兆候が分かれば、早期の検査を行ったり、リモート授業を実施したりして、クラスターの発生が未然に防げるのではないかということで、今年度中にはベータ版の運用を目指しているということでした。

 

(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:田中ひとみ)

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