加藤綾菜×みたらし加奈2

スナックSDGs powered by みんな電力

土曜日の夜、ラジオの中にオープンする社交場が、「スナックSDGs」。  
毎週いろいろなお客さまを迎えて「この星の未来」を話し合う番組です。  
スナックのホストは、再エネソムリエの大石英司TBSアナウンサー上村彩子  
今回のお客さまは、加藤綾菜さんとみたらし加奈さんです。  
 

         ↓放送音源はコチラ!

 


加藤綾菜  

1988年、広島県生まれ。2011年に加藤茶さんと結婚。結婚から10年が経った今年、夫婦の日記『加トちゃんといっしょ』という本を上梓。

みたらし加奈  

1993年、東京都生まれ。臨床心理士として働く傍ら、メディアやSNSを通して、「メンタルヘルス」や「性被害」の正しい認知を広める活動をしている。  

 


今回のSDGsは・・・

**********



―同性婚が可決されない限りはライフプランが決めにくい。


上村 
実は私と加奈さんは大学時代からの知り合いで、出会った当時、加奈さんは男性のパートナーがいたんですよ。


加藤 
えー嘘ー?!でもモテるだろうなー、可愛いし!


上村 
だからSNSで「実は女性のパートナーが出来た」っていうのを発信したときに私びっくりして。


みたらし 
あ、そっか!言ってなかったっけ。


上村 
そうなの。だから「へ!?いつの間に!?」みたいな感じで。なので、そこを加奈さんがどう気付いたのかとか、なんか出会った時にはもう葛藤を抱えていたのかとか。ずっとそれを私も聞きたくって。


みたらし 
大学2年生の時に結構長く付き合っている彼氏がいて、大学院1年目ぐらいまで、6年弱ぐらい付き合いましたね。私はずっと自分のことを異性愛者、ヘテロセクシュアルだって思っていました。男性とこのまま結婚して子供を産んで・・・そんな感じなのかなーって、もやもやもやもや思っていたんですけど、初めて「東京レインボープライド」っていう渋谷で行われるLGBTQのフェスティバルみたいなのに行った時に、すごいなんか込み上げるものがあって、「なんだろう?この気持ち」って。それでずっとこう、ポカポカしながら過ごしていく中で、たまたま友達の女性の方が「女の子の後輩に告白されたんだけどどうしよう?」って相談をしてきたんです。 

で、「どうしようって何?好きなの?」って言ったら、「なんか好きかも」って言うから、 
「じゃあ別に付き合えばいいんじゃないの?何をそんな躊躇してんの?」みたいな感じでこたえたのが私自身にもブーメランのように返ってきたんです。「なんで私、自分のこと異性愛者だと思っていたんだろう?」って。 
そこでなんかコロッて腑に落ちた部分があって、同性愛の出会いを求めるアプリに登録したんです。女性同士が出会うアプリみたいなのがあって。


加藤 
へー、そっから始まりなんだ。


みたらし 
そうなんです。そこで今のパートナーと出会ってお付き合いするに至ったっていう感じだったので、なんかそんなにずっと思い悩んでいたというよりは、「何でこの選択肢しかないんだろう?」みたいな感じだったっていうのが始まりでした。周りは結構びっくりしていて、その彼氏の友達とかにも「え!?そんな突然!?」みたいな反応をされたりはしたんですけど、でも当たり前ですけど付き合っていると全然変わらないというか、好きな気持ちもそうだし、会話もそうだし、リレーションシップの在り方も全然変わりはないので。生理のことや体のことは違いがあるかもしれないですけど。


加藤 
お父さんとお母さんも驚いたんじゃないですか?全然すぐに受け入れてくれたんですか?


みたらし 
元々親の知り合いの方でレズビアンの方とかゲイの方とか、それこそトランスジェンダーの方とか、周りにはずっと居たんですね。一緒に旅行行ったりとかしていたし、何だったら男性同士のパートナーと母と私で温泉とか行っていたりもしていたから、そこら辺はあんまり・・・。まあ、「まさか自分の子供が・・・」っていうのはもしかしたらあったかもしれないんですけど、私の前では全然、結構すんなり受け入れてくれたっていう感じです。


上村 
素敵なご両親ですね。私この前、渋谷のLGBTQのイベントに行ってきたんですよ。レインボープライド。もう、色んなブースが出ていて、本当に「部屋を借りるのも大変なんだ」とか、お墓のことまで取り上げていたり、新婚旅行先のことを紹介するブースがあったり、本当に私たちが知らないだけでもう、いろんなことで悩んでいる方がいるんだなっていうのが、びっくりして。今、加奈ちゃん、私と一緒の29歳だと思うんですけど、生活でどんなことに今大変さを感じていますか?


みたらし 
やっぱり不動産探しは結構困難なことも多くて。カミングアウトした状態で探すと、どんどん部屋が限られちゃう。どうしても今、企業努力でしか無かったりするので、どんなに不動産会社がアテンドしてくれたとしても、建物のオーナーさんに理解がないとダメだったりするんですよ。私の友達であったのが、ローンを組みたいってなったときに「同性のカップルです」って言ったら、最初審査が通りそうだったのが後から「すみません、お子さんがいる家庭に審査が通りました。」って言われちゃったり・・・っていうケースもあって、そう言った面では生きづらいな、と。 
私は子供も欲しいんですけど、今の状態だと安全に精子提供してくれる機関がないんですよ。だからそういう面での不安とかっていうのもやっぱりあるので。どうしても、同性婚が可決されない限りはライフプランが決めにくかったりしますよね。 

なんか、同性婚の話とかをすると、今はウクライナ情勢とかも凄く大変な時期なので「今別にその話することじゃないでしょう」とかって言われますよね、私も、ニュースのコメントとかで同性婚の話題をすると批判されたりするんですけど、でもそうは言っても刻一刻と人生は進んでいて時間は止まってくれないから、当事者の権利みたいなのが刻一刻と剥奪され続けている現状って言うのは、やっぱり変えていかなきゃいけないなって。そんなことを感じながら日々発信をしています。 

同性婚も、勿論当事者の中で反対している人たちもいるんですけど、でもTwitterに上がってくるほとんどのバッシングの声みたいなのって、当事者じゃない場合がすごく多いんですよね。その二人が幸せになっていくことに関して「何かしらの意見を申したい」みたいなところが多くて・・・。もしかしたら国民全体の幸福度が低いから、人の幸せとかに難癖をつけたりとか、色々勘繰ってそこで誹謗中傷してしまったりするのかなっていうのは結構感じています。たぶん、その結婚自体を批判をしているスタンスっていうよりは、日々の鬱憤みたいなのをそこで全部発散している、みたいな状況もすごい多いなって思うから・・・。同性婚のこともそうですが、「傷ついている当事者」がさらに傷つけられるみたいな自体は結構発生はしているので、誹謗中傷のことってちゃんと、本当に「国がしっかり考えなきゃいけないことでしょ」っていうのは常々感じています。


加藤 
私の時はなかったんですよね、まだ。叩かれても我慢しろっていう感じだったんで。1回も反論したことないんです。一番ひどいのでは、「両親がお金に困って娘を売った」とかって書かれました。結構大きく。「そんなの嘘だろ!?」って思うけど、それにも反応しない。もう、黙り続けてきた10年間って感じなんですけど。


みたらし 
そういうのって、綾菜さんと茶さんとで共有されたりとかはしていたんですか?


加藤 
私がもうすごい叩かれて落ち込んでいても、加トちゃんはいっつもバラエティ見てめっちゃ笑っているんですよ。それで「ウザっ!」と思って。


上村 
(笑)。


加藤 
「いっつも私だけ苦しんで、加トちゃん普通じゃん!?」と思っていたんですけど、何年かして、加トちゃんがなんかのインタビューで「自分の奥さんが叩かれているのが一番つらかったです」って言っていたんです。それで、なんか、普通に過ごしていたのは、加トちゃんなりの優しさだったんだなぁ、と思って。同じように私みたいに落ち込んでいたらだめじゃないですか。加トちゃんはいつも自然体で、何も気にしないって感じでいてくれた。


大石 
そういう優しさも、あるんですねえ。


加藤 
そう、そういう優しさもあるんだ!って。


加藤 
2年前に、親友の鈴木奈々ちゃんがすごい心配してくれて。加トちゃんがその当時77歳で、「加トちゃんが何かあった時に綾菜ちゃんを守ってくれる人がいない」って。加トちゃんが亡くなったら、報道陣の方が家に詰め寄ったりした時に「綾菜ちゃん一人じゃできないでしょ」っていうのを加トちゃんと話してくれていて。それで、私が事務所に入ることになったんですよ。


大石 
そうなんだ!


加藤 
「事務所に入ったら窓口になってくれるから、加トちゃんが安心でしょ。」っていうので、今の事務所に奈々ちゃんが誘ってくれて、それが31歳ぐらいの時でした。そこで初めて番組とかに出るようになって自分の意見を言うことができてから、「あ、そんなんじゃなかったんだ?」みたいな世間の反応というか、ちょっとずつ誤解が解けてきて。で、それまでは「毒妻」とかって書かれていた週刊誌とかでも、何か「いい嫁だった」とか書かれるようになったんですよ。その時、私も初めは「えっ、こんなに褒めてくれて嬉しい!」と思って端ですけど、加トちゃんに、「どんなに叩かれても、けなされても、どんなに褒められても、動じちゃいけない。堂々とちゃんとブレずに生きなさい」って言われて。そうだなと思って、それを忘れずに今ずっと生きて行こうと思っているんですけど。なんか叩かれたりするとすぐこう一喜一憂していて、それはすごいしんどかったです。



―人はみんな偏見を持っている。



大石 
ちょっと話とは違うけど、僕も経営者の一人じゃないですか。今お二人のお話を聞いていて、会社として、企業としてね、何かこう整備しておいた方がいいこととかないのかなって。僕の会社、すごい世代広いんですよ。上は80歳くらいから、若い子は新卒だと22歳ぐらいまでいて、価値観が全然違うんですね。これはもう同性婚もそうだし、年の差婚もそうだし。それをこう、どう整備していくと良いのかな、と。ウェルビーイング、を考えたときに、どんな仕組みを整備していくと働きやすい会社になるのか。


みたらし 
同性同士のパートナーシップに関しては、同性婚とはまた違う、”同性同士のパートナーシップ宣誓”というものが今はあるんですけど、それを持っている二人だったら、それは結婚していると同等の扱いをする、お祝い金が出るみたいなことをしている会社もあります。制度的なところで当時者が困っていたりとか、必要としているっていう事はもちろんあるとは思うんですけど、やっぱり風通しの良い会社であることが一番かなと思います。 

研修だったりで教育の機会を設けるっていうのはすごい大切で、私は”アンコンシャス・バイアス”に関して呼んでいただいたりするんですね。「無意識の偏見」に関する研修を社員向きにして欲しいって言われたりするんです。 
LGBTQの話もそうなんですけど、人ってみんな偏見を持っているんですよ。たぶん、偏見を持ってない人なんか一人もいない。自分の身を守るために、オプションとしてついているのが偏見って考えてもらっていいと思います。わかりやすいところで言うと、友達が出産するってなって、それが男の子って聞いたら、なんとなく贈り物は水色のものを手にとっちゃう。ピンクとじゃくて水色。 

それは、人間ってものすごい数の情報、それこそ1億とか2億の情報に囲まれているんですよね。常にいろんなものが置いてあったり、いろんな情報・いろんな言語が入ってきたりとかしていて、その中でいち早く意思決定をするために、偏見とかバイアスっていうのをかけて即座にチョイスができるようにしているんですね。でも、それを他者に押し付けてしまうとすごく息苦しいことになってしまう。だから、たとえばじゃあ会社の中で30~40台の方に対して「一人身」「独身」と言ったりしますけど、そもそも「独身」っていう言葉も「人間って二人じゃないと生きていけない」みたいな、偏見じゃないですか。


大石 
たしかに。


みたらし 
「いつ結婚するの?」とか「いつ子供産むの?」っていう投げかけをしないようにするのって、「この言葉って言わない方がいいんだよね?」って口をつぐむだけじゃ問題の解決にはならないんですよね。「なんでそれをしちゃいけないのか」「なんでそれを人に言ったらその人が傷ついてしまうのか」っていうところに関して、自分が持っているバイアスを押し付けてしまうと相手はすごく息苦しいって思ってしまうんだよ、っていうところを企業で研修をしてくと、その後のディスカッションとかで「もしかしたら部下にこう言っちゃっていたかも・・・」とか、「上司からこう言われて、もしかしたらしんどかったかも・・・」みたいな話が結構噴出してきたりします。そういう形で、みんなで一緒に学ぶ機会っていうのは、もちろん予算とかもあるだろうし忙しい中で行うのは大変かもしれないけど、それを企業側から提案してあげるっていうのは大切なんじゃないかなってのはありますね。



―目の前の人を大切にすること。


上村 
パートナー、ウェルビーイングというテーマでお送りしてきましたが、あらためて、「誰もが等しく尊重され、自分らしさを諦めなくていい社会」を作るために、私たち一人一人は何ができるか。お二人はどういう風に思いますか?


加藤 
私が心がけているのは「目の前の人を大切にする」っていうこと。目の前の人を大切にして、その人もその人の目の前の人を大切にして・・・っていうだけで絶対平和になるなと思っていて。私、近所に友達めっちゃいるんですよ。銭湯に行くんですけど、その銭湯で80代のお友達とか70代のお友達が30人くらいいるんです。自分から「おはようございます!」とか、「今日もお風呂熱くていいですね!」とかって話しかけていたらどんどん仲良くなって。だから、そのおばあちゃんたちのことまで心配だから、毎週日曜日の朝家まで見に行くんです。 

これ欠かさずやっているんですけど、一度、倒れていたっていうのがありました。周りの人を大切にして、地域の人も大切にしようと思って生きています。・・・答えになってない?


大石 
いやいや、これこそSDGsじゃないですか?


みたらし 
「社会を作るために」って考えるとすっごい大規模なことを想定しちゃいがちだけど、「誰もが等しく尊重され、自分らしさを諦めなくて良い社会」を作るために大事なのって、「自分の半径5mぐらいの人たちをどれぐらい大事に出来るか」だと思っていて、いろんな人がそれを実践していくことで広がっていくことだと思う。 

私自身に関しては、もちろん「自分の半径5m以内の人たちを大切にする」ってのもありながら、やっぱり5mの中には「自分」も含まれていて、自分を支えるサポーターの中には自分も含まれていると思うんですね。だからそれが躓かないように、嫌なことは嫌だし、笑って受け流さないし、辛いことがあったらすぐ休む。自分ファースト、自分を大事にした結果、それが回り回って「他者を大切にする」っていうことに繋がってくかなって思います。綾菜さんの「周りの人を大切にする」っていう姿勢って、なんか私はすごく実直だなと思って、たぶんご自身のこともいっぱいヨシヨシしてきたっていうか、綾菜さんが綾菜さんに対してすごく実直だったからこそ、周りの方に対してもすごく実直な優しさをかけられるんだろうなって思います。勝手にジーンとしながら聞いていました。


加藤 
私、自分の事全然考えてなかったです。(笑)今言われて、「自分を大事にしよう」と思いました。ちょっと心がけます、今日から。

  


 

 

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