レジェンドが教えるゴルフの極意!~青木功さん

コシノジュンコ MASACA

青木功さん(Part 1)
1942年、千葉県生まれ。1961年にプロ入りし、1971年の関東プロゴルフツアーで初優勝。以来、日本ツアー賞金王アメリカPGA優勝など国内外で数々の成績をおさめ、2004年には日本人男子初の世界ゴルフ殿堂入りも果たしたゴルフ界のレジェンドです。2008年に紫綬褒章、2015年に旭日褒章を受章。

JK:先日はありがとうございました! 人生であんなに寒くて、あんなに酷なゴルフは初めて(^^;)

青木:いえ、こちらこそ。大雨の中大変でしたね。あれはちょっと異常過ぎましたよ。大雨注意報とか出てたんですから。

出水:お二人の初対面はいつですか?

JK:昔の話でわすれちゃたわ(笑)

青木:みなさん生まれてないかもしれない(笑) ただ、最初会ってから何十年と間をあけて、ちょこちょこ会ってる感じだからね。

JK:でも全然変わらず、素敵ですね。

青木:そんなことないよ! もう80になるんだもん。この時期は暑いですけど、ゴルフをやると汗をかいたり水を飲んだりして身体の代謝があるので、少しは若く見えるかもしれないけど。僕が外国に行った頃は、日本だと大きいから下向いて歩いてたでしょ? でも向こうでは上を向いて歩いてたから、帰ってくると「姿勢よくなったな」って言われた(笑)

JK:でもプロのみなさん、最後のパターの一発で人生が変わりますよね。天国と地獄! やっぱり緊張で手がおかしくなる?

青木:一喜一憂じゃなくて、もっと極端に変わりますよね。絶対入れたいって本人は思ってるし、ポンと入った瞬間は何もなくただ嬉しい。やった!っていう全ての表情が出ますよね。私もプロテストを通った時はさほどでもなかったんですけど、8連勝した時のたしか17番ホールの時に、しびれっていうのか、打てなくなったようなことは1回ぐらい覚えてます。しびれっていうのは、「勝ちたい」っていうのと「これを入れたら勝てる」っていうのもあるし、その中で自分の考え以外のことがわーっとのしかかってくる感じ。

JK:考えなきゃいいんだけど、考えちゃうのよね。

青木:ひとつ例を挙げると、1ラウンド18ホール72で回ったとします。打つ時間は何秒だと思います? 

JK:えっ、合計で? 

青木:構えて、ポーンと打つ。それを4秒としましょう。そうすると4×72だから2分半ぐらいでしょ? それだけで4時間半かかるんですよ。逆にいうと、考える時間の方が長くて、余計なことを考えちゃう。景色がいいとかなんとか楽しい時間もあるけれど、4時間半歩く体力も必要になる。

出水:そう考えると特殊なスポーツですね!

JK:昔はカートってありました?

青木:ないです。みんな昔は2バッグ持って歩いたんですよ。私は小さい時から野球をやってたんで、その辺の体力はあったんです。

JK:野球の選手ってゴルフ上手ですよね?

青木:上手っていうか、体力があるからでしょうね。それと私はピッチャーですから、野球をやってると指先の感覚がいい。ピッチャーがゴルフをやると上手くなるっていうけど、何というかカンがいいんでしょうね。

JK:私の苦手は池なんです。目の前に池があると、池の中に入っちゃうんです(T.T)

青木:私なんか冗談で言うんですけど、「イケネ~」って言えばいいんですよ(^^) 入ったら入ったで「イケネー!」って(笑)

JK:あれなんとかならないですかね? 池でも、川が弱いんです。ふつうに池だったら遠回りしたりなんだり考えるんだけど、川の場合はそこを渡らなきゃいけないじゃないですか。

青木:「あそこを越してやろう」とか「越さなきゃいけない」とか、使命感が強すぎるんじゃないの? 逆に言うと、「入るなら入りなさい」って方が意外と越えるかもよ。逆に「何とかしないといけない」ってなると、何とかしなきゃいけない身体になっちゃうから・・・

出水:力入っちゃうんですよね! 吸い込まれるようにボールが入っていってしまう(T.T)

青木:だけどそういう経験からだんだん上達して、上手く自分の味方にしていくのがいいんじゃないかな。

出水:青木さんはプレイ中に自分に訴えかける言葉みたいなものはあるんですか?

青木:プレッシャーがかかるっていうじゃないですか。プレッシャーって自分で解除するものなんですけど、自分がおかしいなと思ったときに、他の人のほうがもっとそういう感覚じゃないかな、と思うようになったらさほど感じなくなったね。自分よりも、周りの方がそれ以上に感じてるんじゃないかなって思ったら楽になった。

JK:ギャラリーがわーっといっぱいいて、そこで打つわけでしょう? どういう気分なんですか?

青木:最初のうちは邪魔くさかった。フェアウェイを歩いていく時に、ロープがあるじゃないですか。あの間から打つって結構難しいんですよ。その時も、「まあいいや、当たったら当たったで!」と思うと、意外と行くんですよ。「当たっちゃいけない」って思うとそっちに行くんですよね。当たったら当たったでいいや、って。そうやってやってきましたよ、私。

JK:でもそうやってわーっといると、意識はしますでしょ?

青木:やっぱり意識はしますよ。最初は「見られている」という意識でやってて、視野が狭かったんですが、でも今度は「見せてやる、私が打つから見てて」って考えたら、視野がすごく広く感じました。

JK:ゴルフブームを作ったのは青木さんよね。

青木:私が作ったわけじゃないですが、その前に先代の人たちが海外に行ったりしていましたからね。その中に私たちが入ってきて、どういう風にしたらいいのか先輩に聞いたり友達同士で話をしたりしてやってました。やっぱりこれって受け継がれていくものなんですね。

JK:若手が育っていくとかすごいですよね。

青木:今ベテランもたくさん頑張っているし、22~23の若手が強くなってきてるからね。ゴルフをするために何が必要かっていうと、挨拶をすること。私のジュニアにくる子にも、「おはようございます」「お願いします」「よろしくお願いします」「ありがとうございます」、家に帰ったらお父さんお母さんに「今日1日、ジュニアに出させてくれてありがとう」って言えるようにしてきたんですけどね。

JK:どのスポーツにも言える基本ですよね! 将来有望な子は出てきそうですか?

青木:何人か出てますけどね。いま小学生までがジュニアで、中学生にはゴルフ環境がないんですよね。高校にはゴルフ部があるんですけど、中学校にもあったらいいなと思って働きかけているんですけど。

JK:学校教育を変えたらどうですか?

青木:変えたいな~と思って。文部省一緒に行きますか?(^^)ゴルフ部作っていいですか、って。

JK:青木さんが動いたらなりますよ! 先生が憧れて「ぜひお願いします」って(^^)ゴルフ好きな先生だったら一発よ!

青木:なかなかね、今までないだけに、よーいドンでどこから始めるかが難しいですね。今もちょうど東北福祉大だとか日大だとか日体大とか、今年来年あたり卒業している子がいるんで、その中であと4~5人ずば抜けてくる子がいれば競争になるんでね。競争しなきゃだめですね。先に行った人につねに挑戦していかないと。

JK:プロって年齢制限はあるんですか? 

青木:年齢はないです。一時、中国かどこか15歳でマスターズに出た子がいましたけど、15~16歳、18歳でも、プロに転向するのはいつでもできると思います。ただ遠征費がかかるんで、その辺の兼ね合いがね。

JK:ああいうのって全部自費なんですか? 

青木:最初は自費です。スポンサーつけてやるのもいいんですけど・・・

JK:スポンサーつける前に勝たないとね。

青木:いや、今は勝たなくても、「勝ってほしい」ということでスポンサーがつくかもしれないですね。松山君がマスターズ行って勝って、またひとつのブームが出来ましたからね。ここ2~3年のうちにまたああいう選手が出てくるだろう、出てほしい、というのが私の願望です。私は野球をやってて、中学で県大会に行く時にサヨナラ負けして、「私には団体プレイは合わない」と思った。やっぱり短気ですからね。1人のほうが喜びも大きいし、自分が打ったんだからってあきらめがつく。そういう意味ではさっぱりしてるかもしれない。

JK:女子プロでも、岡本綾子さんももともとソフトボールじゃないですか。

青木:そうですね、綾は左利きのピッチャーだったんですよね。ゴルフでいうと、左利きの人が右で打つとすごく上手くなる、という昔の言い伝えがあるんですよ。左手指導っていうんですけど、そのぐらいゴルフでは両手を器用に使わなくちゃいけないってことです。


==OA曲==

M.  ダニー・ボウイ / サム・テイラー

ツイート
LINEで送る
シェア
ブクマ