アニサキス食中毒 相次ぐ被害にパルスパワー

森本毅郎 スタンバイ!

魚介類に寄生し、食べると激しい腹痛などに襲われるアニサキスによる食中毒が   全国各地で相次いでいます。先日も某アイドルがアニサキス食中毒により救急搬送される報道などもありました。
 

■アニサキスの予防は・・・

そんなアニサキスについて、生魚を扱う都内飲食店の現場の声を、新橋にある「根室食堂」平山徳治オーナーに聞きました。

「根室食堂」平山徳治オーナー:

飲食店で生魚を扱ってますので、基本的には夏場が一番、注意しなきゃいけない部分っていうのは、やはりアニサキスかなと思います。アニサキスの被害を受けてしまったお客様、やはり1日経ってから急に腹痛が起きてしまうというケースもよく聞く話で、アニサキスがもう出やすい魚っていうのもあるんですよ。たとえば鯖であったり、そういった魚に関しては、なるべく神経をとがらせ、経験がある方に、三枚おろしにすることは義務付けてますが、やはりその100%の予防というのは本当に難しい問題でありまして、なるべく目視する、で冷凍をかける、何かそういった形でお客様に提供はしていますね。
 

 

夏場は特にアジ、サバ、イワシなどの旬の青魚などにアニサキスが寄生している事が多い印象だそうですが、冬場もタラの白子の粘膜にアニサキスが居ることもあり、一年中アニサキス対策への神経はとがらせていると平山さん。根室食堂では今まで幸いにも食中毒被害は報告されていないそうですが、とにかく苦労が多いようです。

 

 

■パルスパワーでアニサキスを撃退!

そうした中、アニサキスを一瞬で駆除する画期的な装置を開発した企業がありました。株式会社ジャパンシーフーズ代表取締役の井上陽一さんのお話しです。
 

株式会社ジャパンシーフーズ代表取締役の井上陽一さん:

今回開発したのはですね、パルス殺虫器といいまして、アニサキスを殺虫する装置でございます。単純に言いますと、電気を使ってアニサキスを感電死させる装置になるんですけれども、通常の直流電流ではなくて、パルス電流と言われる、ごく短い時間に大電流を流すものになっております。この装置では1万5000ボルトの電流を、100万分の1秒の時間に、繰り返し流すことによって、アニサキスの温度を上げることなく、アニサキスを殺虫することができる装置となっております。まず目視の場合ですと、深く身にアニサキスが潜ってしまった場合はですね、どれだけ注意深く見ようとも検知することが不可能と。パルス殺虫装置であれば100%殺虫ができて、かつ生とほぼ遜色のない品質を維持できる技術となっております。

こちらは、雷のように一瞬で電気エネルギーが放出される「パルスパワー」を使って、アニサキスを感電死させる装置で、熊本大学と共同して、3年かけて開発。

冷凍だと100%死滅させられるが魚の風味が失われることや、や目視などでは魚の身の深くまで寄生している場合は100%取り除くことが難しいなど、今までの対策で課題になっていた問題点をクリアしつつ、殺虫が出来ると言うことでかなり期待がかかる装置。

今は自社で実証実験している段階ですが、処理能力が1日8時間稼働で2・300㌔。完成予定の2025年までには1日4トンの処理能力の達成を目指して開発を進めている。実装化が実現すれば、安全においしく生魚を食べられるようになりますが、まだ数年先のお話し・・・

では、それまで個々がとれる対策はないのか、パルス殺虫器の開発にも携わられた、熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授に伺いました。
 

 

■対策は?

では、それまで個々がとれる対策はないのか、パルス殺虫器の開発にも携わられた、熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授に伺いました。

熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授

アニサキスは体内に蛍光タンパク質を持っておりまして、この蛍光タンパク質が紫外線が当たるとですね、青色に蛍光します。普段はですね、透明もしくはやや白っぽい色で見つけにくいんですが、ブラックライトを刺身に当てることによって、青色に視認性を良くして除去しやすくするっていうことも一つの手となります。もう一つアニサキスの冷凍の発注についてはマイナス20度24時間以上というのが推奨されておりますが、これの意味というのはですね、魚が心まで凍ってアニサキスも完全に凍ってしまうっていう条件がマイナス20度の24時間だというふうになっております。なので例えば家庭用冷蔵庫ではマイナス18度とかしかいかない場合もありますが、その場合はですね24時間という時間をですね48時間に伸ばすなどして完全に魚が芯まで凍る時間を確保してあげれば安全に食べられます。

外食する際、細心の注意を払うのであれば、百貨店などでブラックライトを購入して携帯するのも一つの方法ではあると。また家庭で生魚を食べる場合は、マイナス20度で24時間の冷凍をすれば、アニサキスは死んでしまうという事。または、60度で1分以上もしくは70度で加熱処理すると、アニサキスを死滅させる事が出来るという事でした。
冒頭の根室食堂でも冷凍などを取り入れて、殺虫しているそうです。

ご家庭では、無理せず焼き魚や煮魚にして食べるなど、十分注意をして欲しいとのことでした。
 

(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:竹内紫麻)

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