「哲学」を基本から学ぶ 哲学者の萱野稔人さん & 特別企画 早稲田大学「理工展」のスタッフを取材 6月27日放送分▼石井大裕×美空×嘉蓮(TBSラジオ ・月曜21時~)

TOMAS presents High School a Go Go!!

「High School a Go Go!!」は、「学校」を取りまくいろいろな話題にスポットを当てて、高校生の興味ある話題や悩み、そして疑問などを直撃取材する「高校生活応援プログラム」です。ハイスクール・ア・ゴー・ゴー、通称「ハイゴー」です。

パーソナリティはTBSアナウンサーの石井大裕です。

 

2022年6月27日 放送

スタジオは、高校3年生の美空(みく)さん、高校3年生の嘉蓮(かれん)さんとお送りしました。

高校生の主張

毎週、番組のリポーターが各地の高校にお邪魔して、直撃インタビューする「高校生の主張」のコーナーです。

今週と来週は「特別企画」です。高校生の皆さんに、今後の進路の参考にしていただきたい情報をお届けします。取材に伺ったのは、東京都新宿区の早稲田大学「西早稲田キャンパス」です。こちらで活動している、早稲田大学理工展連絡会にお邪魔しました。

いずれも3年生で、代表の若杉遼太(わかすぎ・りょうた)さん、副代表の小笠原のりこ(おがさわら・のりこ)さん、会計の高橋壮(たかはし・そう)さんに片桐千晶リポーターがお話しを伺いました

片桐千晶リポーター:「早稲田大学 理工展」について教えて下さい

学生の皆さん:「『理工展』というのは、早稲田大学理工学部の文化祭、学園祭というものですね。毎年11月の初旬、今年は11月5日と6日に開催されます。科学が持ついろいろな側面を、見て、感じて、楽しんでもらうことを目指しています。今年の理工展は、展示企画、実験企画、ステージ企画、模擬店企画が合わさって構成されています」(若杉さん) 「今年のテーマは『Bloom(ブルーム)』です。英語で『花を咲かす』という意味で、才能が花開くとか、努力を結実させるというような躍進の意味も込められています。理工展を通して、皆様の生活に彩りを添えられるようにという願いから、こちらのテーマを設定しました。(今年の理工展では)本当にいろいろな企画や出店をしていただけるのですが、理工展連絡会からも出し物を用意しておりまして、例えば子供向けの実験企画、受験生の方やその保護者の方向けの相談会、研究室の先生方と協力しての研究室紹介など、理系に寄せた感じの催しを行います」(小笠原さん) 「理工展を運営しているのは『早稲田大学理工展連絡会』というサークルです。連絡会は5つの局に分かれています。具体的には『企画局』『広報局』『財務局』『情報局』『総務局』です。(今年の理工展では)早稲田大学の近く、地元の商店街にあるお店にお声掛けをして、ご協力いただけるお店とコラボレーションをしています。早稲田(という場所)は学生が多いということもありまして、ラーメン店やカフェがたくさんあるので、そちらもぜひ楽しんでいただければなと思っております。理工展のアプリがありまして、そちらをインストールしていただくと、特典のクーポンがあります。そちらを使っていただけると、よりお得に楽しめます」(高橋さん)

片桐千晶リポーター:11月の本番に向けての意気込みを聞かせてください

学生の皆さん:「450人という多くの学生が所属している理工展連絡会というサークルの代表で、このような理工展という祭りのトップとして参加させていただけることは非常に嬉しいです。まずは、自分の全力を出して、サークル内の皆を勇気づけられるように頑張ります。祭り全体を通しては、皆が気持ちよく出店をできるようにということを自分で考えてやっていきたいと思っています」(若杉さん) 「理工展連絡会の会員、そして理工展に来場してくれたお客様、皆が終わった時に『楽しかった』と思えるような、そんな理工展にしてゆけたらと思っています」(小笠原さん) 「理工展を運営するには、本当に多くの方の支えがあったと思うので、先輩方から引き継いだバトンを繋げられるように頑張っていきたいなと思っております」(高橋さん) 

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なんでも課外授業

「学校ではあまり教えてもらわないかもしれないこと」をゲストを招いて色々と教えてもらうコーナー。今回は、哲学者で津田塾大学教授の萱野稔人(かやの・としひと)さんをお迎えしました

萱野稔人さん

1970年生まれ、愛知県のご出身です。早稲田大学を卒業後、フランス・パリに渡り、2003年に「パリ第十大学大学院」の哲学科博士課程を修了しました。現在は、津田塾大学教授として教鞭をとる一方、専門である「哲学」や「社会理論」に軸足を置きながら、執筆や、テレビやラジオのコメンテーターとして現代社会の問題を幅広く論じています。主な著書に「国家とはなにか」「新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか」「リベラリズムの終わり その限界と未来」などがあります

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石井大裕アナウンサー:まずは、根本的なことを伺います。「哲学者」「哲学」とは?というところから教えて下さい

萱野稔人さん:ソクラテスとかプラトン、アリストテレスなどの名前は聞きますよね。「そうした人たちを研究して、大学の先生をやっています」ということであれば、一応、イメージは出来るのですが、ただ、それでは、あまり「哲学って何なの」と説明したことにはなりませんからいつも迷います。それで、私はこういう話をすることがあります。例えば今、同性婚が議論になっていますよね。では、こちらはどうですか?例えば、ある女性の方が、2人の男性と同時に結婚したい、あるいは、1人の男性が2人の女性と結婚したいので、これを認めてほしいということについてです。日本では今、1対1でないと結婚は認められません。お互いが「2人とでも良い」と合意していて誰からも強制されていません、という時に、どのような根拠でこうした結婚が許されて、一方で許されないと考えるのか、そういう問題が出てきます。要は、そういう点を考えるのが「哲学」かなということですね。(そのように突き詰めて考えることは、普段の生活ではあまり無いですよね?)そうですね。哲学の研究は、例えば、昔のプラトンやアリストテレスなどの大哲学者が何を言ったのかを研究するということもあるのですが、一方で現在の私達にとって考えるべき問題がたくさんありますよね。そのような問題を探してきて、そこに考えの道筋をつけたり、解決の一定の方向性を示したりということも研究の一つなんですよね。(「もやもや」とした議論ではなく、解決まで導くのが哲学なんですね)はい。先ほどの結婚の話は、本当に今、論争をしている問題の一つですよね。社会的論争がされているので、「どっちもどっちだね」という話に落ち着いたら、哲学としてはやっぱり不十分な議論です。やっぱり「結婚とは何か」という原理を定めて、「だからこの結婚は許され、認められて、この結婚は認められないんだ」というような議論の立て方をしないといけませんから、「答えが無いような難しい問題ですね」ということで終わってしまうと、本来は哲学の仕事としては不十分だなと私は思っています

石井大裕アナウンサー:日本では、成人年齢が20歳から18歳に変わりましたね。哲学の観点からご覧になるといかがですか

萱野稔人さん:これは「私から見て」というところですが、成人年齢を下げるということは、投票権もその年齢に下げますよね。ヨーロッパでは50年も前から下がっていたんですよ。ヨーロッパではだいたい、1970年代には(成人年齢が)18歳になっていたんですよね。日本だけ、その頃から議論はされてきたにもかかわらず、この50年間、ずっと下げられてきませんでした。近代の社会になって、まだ200年も経っていない中で、50年はとても長いですよね。なぜ日本は50年も成人年齢が下げられなかったのか、この根底には何があるのでしょうか。日本の国民性や社会の特徴が関係してるだろうなと考えるのは当然の推論だと思うのですが、その場合、どんな国民性や特徴だと思うでしょうか。これももちろん、何か確定した、例えば研究者の間で「これだな」と言われてるような答えがあるわけでは無いのですが、こういう議論がやっぱり哲学に通じるのではないでしょうか。(議論しなければならないことがたくさんありますよね)はい。そういうところで、結局、18歳にするのか20歳のままなのかという結論を出さなければならないのだから、やっぱり何らかの結論を出す。でもその時に重要なのは結論ではなくて、そこに至る道筋で、どんな根拠を立てて、どのような議論の組み立て方で結論を出すのかというところが、一番大事な点かなと思っています

番組で哲学者をお迎えしたのは初めてです。高校生の2人と石井大裕が興味津々で萱野先生に質問し、とても有意義な時間となりました。来週もお楽しみに!

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番組は下記のバナーをクリックして、radikoのタイムフリーでお聴きください!放送後1週間以内、聴くことが出来ます!

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