誕生から50年!カニカマはなかなかスゴイんです。

森本毅郎 スタンバイ!

今年、みなさんにもきっと馴染みのある、ある商品が、誕生から50年を迎えます。さて、それは一体何でしょうか?

 

■戦後の食品の三大発明のひとつ!!

世界で初めてその商品を開発した、石川県七尾市にある、株式会社スギヨの広報、水越優美さんに聞きました。

株式会社スギヨ・広報 水越優美さん

●「今年2022年は、カニカマが1972年に誕生してから、ちょうど50周年になります。そうなんです、みなさんびっくりされるんですけど、もうずっと前からある商品です。そうですね、なかなか今のカニカマっていうジャンルを築くまでは、カニの偽物だとか、インチキな商売をしているとか、そういうつもりはまったく無いんですけれども、そういう理解をして頂くっていうのは、これは、開発もすごい大変なんですけど、そういう出来た後の、知っていただくための工夫も非常に大変だったようです。カニカマは最初、偽物とは言われてたんですけれど、今では、日本だけではなく、世界中で食べられていて、戦後の食品の三大発明という、インスタントラーメンとかレトルトカレーに並んで、三大発明だ、という風に言われています。で、インスタントラーメンとレトルトカレーはメジャーというか、有名なので、ちょっとカニカマも頑張りたいなって思ってます!」

今年発売50年を迎える商品、それはカニカマ!意外と古くからあるんですね。世界初のカニカマを作った株式会社スギヨは、かまぼこなど練り物の製造販売の会社。最初のカニカマは「かにあし」という商品で、今のような棒状ではなく、カニの身をほぐしたようなフレーク状のものでした。

 (初代カニカマの「かにあし」:株式会社スギヨHPより)

『カニの様でカニでない』と言い切るキャッチコピーで、販売したそうですが、『カニかと思ったら、カニじゃないじゃないか!』と抗議が来てしまったとか。世の中に無いモノを生み出す、というのは大変なことですね。最近では、手軽にタンパク質が獲れる、低カロリー、調理が楽、などの理由で人気が高まっています。 

スギヨでは、発売50年を記念して、カニカマ専用ピックを開発。これは、リアルなズワイガニの脚の模型をカニカマに刺して食べると、あたかもホンモノのカニを食べているような気分が味わえるというもの。50年経ったいまは、ホンモノに、あえて寄せる余裕も生まれました!

 

(スギヨの「大人のカニカマ」専用ピック!これでまだ試作品!完成が楽しみです。)

 

■カニカマは世界で年間50万トン生産されている!

それにしても、戦後の食品三大発明と言われているのは知りませんでした!しかも、世界中で食べられているとは!では、カニカマは世界でどのくらい食べられているのでしょうか。
日本かまぼこ協会・専務理事の奥野勝さんに聞きました。

日本かまぼこ協会・専務理事の奥野勝さん

●「世界でカニカマが50万トンほど、年間生産されている、という報告があるんですね。この50万トンという数字は、日本のかまぼこの、カニカマ・板付きかまぼこ・はんぺん、そういったものの総量と、合計した量とまったく同じなんですよね。だから、それくらいカニカマが世界では食べられていると、いう状況なんです。増えてますね。魚肉製品全体の輸出金額が110憶、カニカマはそのうちの一部なんですね、ただ、多くはカニカマが占めていると、いう風に考えてもらっていいと思います。この、カニカマというのは、みんなもうカニではない、ホンモノのカニではない、ということを充分承知の上で、食べていますから、モノマネではない、と、もう独立したものだとね、市場では受け入れられている、消費者には受け入れられていると、いうふうに思われますね。」

ヨーロッパではフランス・スペインで非常に多く、特にフランスでは、推定で年間5万トンが消費されているとされ、その数字は日本の消費量とほぼ同じ!!他にもアメリカ、中国、東南アジア、など、世界中いたるところで食べられている、と奥野さん。2021年度は各メーカーの輸出額は過去最高水準でした。

アメリカでは、カニカマは、英語でイミテーションクラブ、といいます。まさにニセモノという名前なのですが、ちゃんとイミテーションですよ、という表示をして売りなさいという指導がアメリカ政府からあったそうですから(今はクラブスティック、などの名前も)、ミテーション、ニセモノと扱われていたことを考えると、奥野さんが言うように、50年かけて、カニの真似ではない、独立した商品になった、と言えますね。

■初代カニカマ開発者の声!

最後に、この世界中で愛されるカニカマ開発に携わった方に、お話を聞くことができました。御年85歳の、清田稔さんのお話です。

初代カニカマ開発者 清田稔さん

●「すごいもんに携わってきたな、っていう感じですけど。嬉しいことは嬉しいわね。店行ってみるたび、わーこんなとこに並んどるっていう感じで、始終見とるけどね。幸せもんやな、と思うけどね。いやーいやいやいや、10年に一回やと思った。10年に一回のヒット商品やな、と思ったんですけど、それがね、すごいね。とりあえずこんなもんは、一人の力でできるもんじゃないです。人の知恵の集まりみたいなもんやね。そう思いますよ、今考えると。いや~ねえ~。先が楽しみだけど、ただ、原料の枯渇がね。怖いね。それに対応したことを考えるんが、次の人の仕事やさかいね、うん。もっと良いもんできると思うけど、うん、それを期待しておるんですけどね。」

開発したカニカマを手に乗せて見た時は、色合いも匂いもつくづくカニに似てて、こりゃカニだ!と思ったのは今でも覚えている、と。

しかし、世界で人気になり原料の需要が高まったことや、ロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、原料のスケソウダラのすり身の値段は2割高くなっていて、さらに上がるとみられ、歴史的な高騰、となっています。このハードルを越える開発は、次の世代に託されました!さて次の50年はどうなる?


取材・リポート 近堂かおり

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