「営業は自分が愛するコンテンツを支える仕事」。“攻めの姿勢”で面白くなるTBSラジオの営業職/土屋早紀子【#ネクストクラフトパーソンズ】

「これからのTBSラジオ」を担うスタッフの実像に迫るインタビュー企画「#ネクストクラフトパーソンズ」。今回登場するのは、ラジオCMの広告営業をしている土屋早紀子さんです。

落語研究会出身の土屋さんは、昨年末に開催された「TBSラジオ70周年 ~#何かがはじまる感謝祭~」のPR動画に出演。落語を通してイベントの魅力を伝えました。

そんな土屋さんの営業としてのルーツは、まさに大学時代の“落研”にあったのだとか。当時から変わらない営業への思いや仕事のやりがい、ラジオにハマったきっかけまで、たっぷり語っていただきました。
 

営業を志す起点となったのは「落語研究会」での日々

私が所属しているのは、TBSラジオのUXビジネス局アカウントマネージメント二部。わかりやすくいえば、ラジオ広告の営業外勤です。スポンサーさんとコミュニケーションを取って課題や要望をおうかがいし、最適な広告プランをご提案する仕事をしています。

新卒でTBSラジオに応募したときから、私は営業志望でした。そのきっかけになったのは、大学生の頃に入っていた落研(おちけん※落語研究会の略称)での経験です。

大学3年生の頃、私は関東を中心とした大学の落研が集う「関東落研連合」という団体の“総長”という役職についていたんです。名前だけ聞くとちょっと怖い印象を受けるかもしれませんが(笑)、総長の主な役目のひとつは、落研と一般団体や自治体を繋ぐ窓口になること。「関東落研連合」では寄席の開催のほかに、落語で商品やサービスをPRするお手伝いをしていました。私はそういった依頼の窓口としてやりとりしていたんです。

つまりは、営業ですよね。今の仕事に置き換えると、落研がラジオ局で、落語がラジオコンテンツ。課題を抱えるクライアントさんがいて……。本質的にやってることは、学生時代も今も変わってないように思います。

最初から営業に興味があったのは、やはり当時の経験が大きいです。自分が愛してやまないコンテンツや場所、昔だったら落語や落研、今ですとラジオ番組やラジオ局を支えて継続させていける仕事にやりがいを感じています。
 

「この人、めっちゃ面白い!」パーソナリティのトークに引き込まれハマったラジオの世界

母が自宅のリビングでTBSラジオをずっと流している人だったので、子どものときからラジオの存在は身近にありました。

ラジオとの馴れ初めは、中学生の頃。最初にハマった番組は、ムロツヨシさんがパーソナリティを務める文化放送の音楽番組でした。

番組が放送していた2012年頃、私はムロツヨシさんのことを全然知らなかったんです。でも、ゲストとして登場する友達の俳優さんが、小栗旬さんとか柳楽優弥さんとか、とにかく豪華で。

まずは俳優さんたちを目当てに番組を聴くようになって、次第にムロさんのトークに引き込まれていきました。しかも、豪華なゲストにタメ口で話してるんですよ(笑)。それで「なんだこの人、めっちゃ面白い!!!」って。

これって、ラジオで誰かを知って好きになるというゼロイチの体験じゃないですか。有名人をもっと有名にするよりは、自分の周りがみんな知っているわけじゃない人の魅力に気づいてもらって、有名にするというか。ゼロから「(この人を)私が見つけた!」と思える、そんなラジオの影響力に気づいた体験でした。


ラジオ営業は「攻めの姿勢」で取り組むと面白くなる

営業といっても、ときにプロデューサーのような仕事ができるのは、ラジオ営業ならではの魅力です。たとえば「○○(企業名)presents」というように、TBSラジオでも1社提供の番組を放送しています。こういった番組は、営業が企業に提案したことでスタートすることも多いんですよね。つまり、営業主体で番組を立ち上げることもできるんです。

そういう意味で、受け身より攻めの姿勢で取り組むと、すごく面白くなる仕事だなと思っています。

ラジオCMは、すぐ決定に至るわけではありません。最初はまだ何の接点もない企業の担当者さんと会うところから始まって、イチから関係を築いて、現状の課題を聞かせてもらって、そこでようやくラジオ広告の提案をさせてもらえるんです。

たとえば、打ち合わせで「40代~50代へ訴求したい」という課題を聞いたら、会社に戻ってすぐ40代~50代のリスナーが多い番組や、このターゲット層の価値観に合う番組を探します。あとは演者さんの情報を調べて「この演者さんはこの食べ物が好きらしいからこの食品メーカ―さんにおすすめしてみよう」なんて考えることも。企業が抱える課題解決や、番組との相性などもふまえて提案と調整をしていきます。

そうやって自分が携わったラジオCMが決定したときには、やっぱり嬉しいですね。仕事をしていて、一番テンションが上がる瞬間です。
 

ラジオを知らない人にも魅力を伝えるために。ラジオの訴求力を実感した“母とのエピソード”

ラジオが好きすぎてオタクっぽくなってしまうのは、営業として気をつけたいところです。「好き」が過ぎると、クライアントさんを置いてけぼりにしてラジオについて熱く語ってしまうこともあって。そのバランスはいまだに難しいです。

ラジオの世界ではスターでいらっしゃる人でも、ラジオを聴いていない方にはその魅力が全く伝わってなかったりする。だからこそ、営業では「相手は何も知らない」を前提に提案するよう心がけています。

ラジオを知らない方にその魅力を伝えるためによくお話しするのが、私の母のエピソードです。

以前、母と聴いていたラジオで、あるパーソナリティがあるお酒を「美味しい」と絶賛していて。数日後、そのお酒が家に届いていたんです。母に尋ねると、「あの人が美味しいって言ってたから買ってみた!」と。

そういったラジオパーソナリティの“おすすめ力”、ラジオで知って思わず好きになってしまう影響力というのは、もっと世に知られてほしいと思っています。リスナーとパーソナリティの距離が近いから、まるで友達がおすすめしてくれるような感覚があるんですよね。
 

“演芸”との親和性が高いTBSラジオで挑戦したいこと

TBSラジオと演芸って、実はすごく親和性が高いんです。TBSラジオのパーソナリティには、浅草の「東洋館」に馴染み深いナイツさん、講談師の神田伯山さん、今年番組が始まった落語家の桂宮治さんがいらっしゃるし、「JUNK」もお笑い芸人さんの放送枠として強みを持っています。

そんなTBSラジオの気風を活かして、営業にしても制作にしても、自分も何かできたらと考えています。

落研時代に「自分は演者でなく、運営として面白い人の手伝いをしたい」と総長を引き受けたきっかけには、自分の周りにいた面白い友人や先輩の存在がありました。なかには現在、落語家やお笑い芸人、作家、劇団の主催者などサブカルチャーの道に進んでいる人もいて、「お互い頑張ろう」と励まし合ってるんです。

そんな友人たちとも、この仕事を通してどこかで再会できたらいいなと思っています。
 

土屋 早紀子/2021年に新卒でTBSラジオに入社。現在はUXビジネス局アカウントマネージメント二部に所属し、ラジオ広告の企画提案をおこなう
 

Photo:藤原慶 Writing:市川茜 Edit:ツドイ

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