朝目が覚めたらパワポが完成していた!夜中に働いてくれる!仕事のお助けサービス

フレックス制や在宅勤務、ノー残業デーなど、企業は、あの手この手で残業対策を行っていますが、ここ数年、仕事の効率化を促す「お助けサービス」が注目を集めています。そこできょうは、きょうは、「仕事のお助けサービス」について取材しました。
■痒いところに手が届く、オンライン秘書が人気
まずは、コロナ禍で利用者が3割近く増えたという「CASTER BIZ Assistant(キャスタービズアシスタント) 」というサービスについて、株式会社キャスターの代表取締役・中川祥太さんに伺いました。
株式会社キャスター 代表取締役 中川祥太さん:
元々「オンライン秘書」と言ってました。
例えば店舗の予約をしたり、取引先とのアポイント調整、会食の手配、単純なメールの返答業務とか、何千パターンというような、こういったところを全てお手伝いすることが可能です。
チャットで依頼をいただくと、例えば飲食店の予約をしてくれということであれば、こちらでピックアップして出すことも大丈夫ですし、指定店を取ることももちろん大丈夫。人手不足の関係で段々宙に浮いてきてしまって、それが弊社のようなところに領域関係なく流れついてきている。 。
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いわゆる「なんでも屋さん」で、メール対応や見積書の作成、データ収集に文字起しや翻訳業務など、専心したい「コア業務」以外のチョットした仕事を、オンラインで引き受けてくれます。
例えば「仕事で使うデスクをそろそろ買い換えたいな」とか、「イヤホンを100個、発注しなきゃ」と言った時に、「業者を比較して発注をかけて欲しい」とチャットに書き込むと、遠隔で作業する専門スタッフが、数十分程で対応してくれます。
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契約企業と守秘義務を結んだ上で、料金は月額12万円で、30時間分の仕事を依頼することが可能。これまでに、およそ3千社と取り引きしてきたということで、ニーズは高まっているようです。
確かに、メールの返信など、大切だけれど時間がとられる仕事を代わりにやってくれると有難いなと思いますが、こちらは「キャスタービズアシスタント」というサービスでした。
■寝ている間に資料が完成「Timewitch」
そして、「仕事のお助けサービス」二つ目は、「寝ろ。」というキャッチコピーが話題の「Timewitch」(タイムウィッチ)というサービス。

株式会社Timewitchの代表取締役、三浦健之介さんに伺いました。
株式会社Timewitch 代表取締役 三浦健之介さん:
夜22時までに、「こんな資料作ってください」という依頼をいただくと、翌朝8時までにそんな感じの資料をお戻しするという、「寝ている間特化型のスライド作成代行サービス」。
具体的にはパワーポイントの資料作成に対応。例えば元々ホワイトボードに書いてあったようなラフ画をパワーポイントに起こしたり、メールに文字だけ書いてくれれば、デザインごとこちらでパワポ化する。
まずは圧倒的スピードに結構びっくりされます。自分で徹夜する以外の方法で翌朝まで何かが仕上がってるっていう経験は人生されたことないと思うんです。なのでまず一番最初は、「本当に翌朝届くの?」って疑いから始まるんですけど、勿論1回目から届くので、それで感動していただく。
「時の魔女」という意味の、「Timewitch(タイム・ウィッチ)」。
マイクロソフトの「パワーポイント(パワポ)」は、発表用の資料作成ツールとして会社員にとって、なくてはならない存在ですが、図やグラフを入れたり、文字の大きさを変えたり、慣れないと時間がかかる上、美的センスも問われます。
ということで、実際に作ってもらいました。

実際には、新規事業の提案や、コンペで使う資料を作ることが多く、こんなふざけた資料はないようですが、秘密保持契約を結んで、情報漏洩の対策も行っています。
料金は月額定額制で、例えば「一日あたりの上限が5枚で、月額数十万円~」。だいたい一枚当たり数千円といった感じで、これまで、京セラコミュニケーションシステム、鹿島建設などの大手企業を中心に、150社以上利用している人気サービスになっているそうです。
■夜中働くのは、地球の裏側の日本人
ただ、「これを夜中に作るとなると、大変だろうな」と思ったのですが、作ってくれるのは、こんな人たちでした。

株式会社Timewitch 代表取締役 三浦健之介さん:
深夜働いていただいてる方は、ヨーロッパとか北南米に住む日本人です。
例えばイギリスだと日本から時差が9時間程度あるので、日本の夜12時だと、イギリスで昼の3時。実際にその時が空いている人が対応している。
一番多いのが「駐在妻」。現地企業に旦那さんや恋人が就職していて、それについていく形で日本を出ていって、現地に住んでいる。大体の方は子育てとかあるのでフルタイムで働けないみたいな背景があったりとかして。でも1日数時間だったら働けるし、むしろ働きたいと言ってくださる方が多いですね。
要は残業してる時間分、僕たちの仕事があると思う。残業してる仕事を全て海外の方に持っていくことができたら、解決するんじゃないの。
地球の裏側に住む日本人(アメリカ、イギリス、スペイン、ドイツ、メキシコなど)100名程が、「子供が寝てる間だけ」など、隙間時間に働いています。
コロナ禍で、現地での永住権がないために仕事を解雇されたり、外出制限で仕事がストップした日本人も多くいたようで、そうした人が、一定の研修やテストを受けて、私たちの寝ている時間に働いているということでした。
こうしたサービスが求められる背景には、「残業時間を減らしたい」など、労働環境の見直しを求められる日本企業の実情が見えてきますね。
(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:田中ひとみ)