『SDGs企画』 広島のパン屋さんから考える「食品ロス」の解決策とは? 食品ロス問題ジャーナリストの井出留美さんに聞く & 三田国際学園中学校・高等学校の「SDGs」の学生団体の2人の学習は? 6月6日放送分▼喜入友浩×美空×嘉蓮(TBSラジオ ・月曜21時~)

TOMAS presents High School a Go Go!!

「High School a Go Go!!」は、「学校」を取りまくいろいろな話題にスポットを当てて、高校生の興味ある話題や悩み、そして疑問などを直撃取材する「高校生活応援プログラム」です。ハイスクール・ア・ゴー・ゴー、通称「ハイゴー」です。

パーソナリティのTBSアナウンサー・石井大裕が海外出張のため、今回も石井の後輩、喜入友浩が担当します。

 

2022年6月6日 放送

スタジオは、高校3年生の美空(みく)さん、高校3年生の嘉蓮(かれん)さんとお送りしました。

高校生の主張

毎週、番組のリポーターが各地の高校にお邪魔して、直撃インタビューする「高校生の主張」のコーナーです。番組では今年も、いろいろな角度から「SDGs」、持続可能な開発目標について取り上げています。先週と今週は、その第二弾です。

今回も、東京・世田谷区にあります、三田国際学園中学校・高等学校を紹介します。三田国際学園中学校・高等学校は、創立が1902年・明治35年という伝統ある中高一貫の共学校で、教育の理念に、孔子の教えに由来する「知好楽(ち こう らく)」を掲げている学校です。

今回は、三田国際学園の生徒で、学生団体「ænoia(エノイア)」にて、SDGsの活動を行っている、いずれも3年生の根津はる香(ねづ・はるか)さんと、野口璃羅(のぐち・りいら)さんに、片桐千晶リポーターがお話しを伺いました

片桐千晶リポーター:三田国際学園の授業や学びの特徴を教えてください

生徒の皆さん:「文化祭や他の活動で、『スピーチコンテスト』や『レシテーションコンテスト』も行われていて、最近では『TED Talks』とコラボレーションをしたインターナショナルスクールを行い、実際にそこでスピーチをさせていただきました」(根津はる香さん) 「『BUILD(ビルド)委員会』というものがあるのですが、それが大きいかなと思っています。この『BUILD委員会』というのは、『Become United In Learning Device』の略で、簡単に言うとICTのリテラシーを管理する委員会です。コンピューターやiPadが規則正しく使われているかどうかをしっかりと見る役目があります。ルールに従っていない人がいれば、生徒自身で指摘をするという活動もしています。コンピュータやiPadが使えるような環境作りをしているのは『BUILD委員会』の大きな仕事なのかなと思っています」(野口璃羅さん)

片桐千晶リポーター:お2人のこれからの進路や、将来就きたい仕事を教えてください

生徒の皆さん:「私の将来の夢はコンサルタントになることです。理由は、現在、『グリーンウォッシュ』など、表面上で環境に良いことを謳っているところが多いなと感じていて、それ(グリーンウォッシュ)が無い世界を築くために、企業がサポートをしたり、一緒に解決できるような世界を作りたいのでコンサルタントになれたらなと思っています」(根津はる香さん) 「私は環境に関するインフラストラクチャーの企業に勤めたいなと思っています。そのために環境科学と地域計画学というものを学びたいです。理由としては、私の父親がネパールから来ていて、今は少し違いますが、ネパールは少し前までは発展途上国と言われていました。少し前にネパールを訪ねたのですが、現地ではけっこう、インフラストラクチャーがしっかりしていなくて、雨が降ったらすぐに洪水が起きてしまうような状態だったので、そういう街を少しでも良くして、それも環境的なものを最初から入れてゆけば、街も良くなっていくのかなという考えのもと、こうした職業に就いてみたいなという思いがあります」(野口璃羅さん)
 

取材後、広々とした「中庭」に案内していただきました!

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なんでも課外授業

「学校ではあまり教えてもらわないかもしれないこと」をゲストを招いて色々と教えてもらうコーナー。このコーナーも「SDGs」の特集企画です。今週も、食品ロス問題ジャーナリストの井出留美(いで・るみ)さんをお迎えしました。

井出留美さん

東京都のご出身です。奈良女子大学食物学科を卒業後、日用品メーカーでの勤務を経て、青年海外協力隊としてフィリピンに赴任。その後、日本の食品メーカーで広報室長をされていた2011年には、東日本大震災の被災地での食糧支援に奔走しました。また、廃棄に回されそうな食品をメーカーから引き取り、児童養護施設に届ける活動をしている「フードバンク」の仕事を通して「食品ロス」の問題を目の当たりにしました。その後、独立して食品ロス問題を専門とするジャーナリストの道に進み、これまでに講演、執筆、メディア活動などで食品ロスの問題を発信されています。主な著書に、去年発売された「捨てないパン屋の挑戦 しあわせレシピ」があり、こちらは「第68回 青少年読書感想文コンクール」の課題図書に選出されています

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美空さん、喜入友浩アナウンサー:井出留美さんは去年、広島に実際にあるパン屋さんを取材し、著書を出されました。「捨てないパン屋」ということですが?

井出留美さん:もともと、このパン屋さんはすごく「捨てていた」のです。毎日のようにゴミ袋半分くらいの量のパンを捨てていたのですが、本の主人公(ご主人)の「田村さん」という方が、ある体験を経て、「捨てないパン屋」に変身してゆくという実際の話を取材して書いた本です。2015年頃にさかのぼるのですが、田村さんがSNSで、自分がなぜ捨てないパン屋になったのかを書いていました。それを見つけて、これは素晴らしいと思い、全国紙の記者に紹介したら、その記者の方も取材して書いていたのですが、私自身は2019年に(パン屋さんのある)広島に行って取材し、2020年にも2回くらい取材して記事で発信し、その記事を見た方から、「本を書きませんか」と声を掛けていただきました。いろいろな食べ物がある中でもパンは、「捨てる食べ物」なんですよね。パンにはコロッケなどいろいろな具材が入っていて、それが日持ちしないと、全部捨ててしまうことになります。(捨てないパン屋さんは、具体的にどのようなことを?)具体的には日持ちするものに絞ったのです。以前は40種類以上、いろいろなパンを作って売っていたのですが、それを4種類に絞りました。パンの中身にクリームは入っていない、チーズも無いハード系のパンに絞って、それで、捨てない、日持ちするパンになりました。何でそうなったかというと、田村さんには二つの体験があるんです。モンゴルでの羊の解体の体験と、もう一つはヨーロッパでのパン作りの修業でした。一つ目ですが、モンゴルで羊をさばく時、血を一滴も流さないで全部食べるんです。田村さんにとっては、食べつくすことが、「命をいただく」ということで、(羊の)命を奪った者の務めとして全部食べつくすということです。そして、修業をしたヨーロッパでは日本と違って、朝から晩まで10何時間も働くような生活ではなく、朝、修業に行き、お昼にはもう「お疲れ様」みたいな感じで帰っていたそうです。働くほうは楽だし、とても良い材料を使っているから、パンは美味しいし、1個も捨てていないそうで、そこで田村さんは「働き方とは、こうあるべき」と感じたそうです

喜入友浩アナウンサー:田村さんは、環境のことと労働環境のバランス、そして売り上げて良い方向に持ってゆくということを、どう克服したのですか?

井出留美さん:そこは単価を上げました。日本のパンは97%が海外産の小麦を使っています。田村さんは国内産の有機小麦を使いました。そうすると原材料費が上がりますよね。だからその分、要らない原材料を省き、それで単価を上げたんです。ですから、大きなカンパーニュが1000円や2000円します。顔より大きいくらいです。けれど、私、一度、グラム当たりで、スーパーで売っている価格の安いパンとどのくらい違うのかなと思って計ったら、なんと同じか安いぐらいだったのです。今、私は、月に一回、パンを送ってもらっているのですが、その配送費を含めても、同じか安いくらいだったんですね。これは買わない手はないよねと思っています。さらに田村さんは、レストランなど卸しているところにも決まったお客さん、買ってくれる人がいます。定期便の決まったお客さんもいます。そうすると、経営が安定しますよね。普通のパン屋さんだったら、誰が来てくれるか来てくれないかわからないし、雨や雪が降ったらお客さんが来ないかも知れませんが、決まったお客さんがいたら、安定して収入を得ることが出来ます

井出さんには、その他にもいろいろな角度から、食品ロスについて説明していただきました。高校生の皆さんが、食品ロスの問題を考える「きっかけ」となるようなお話しがいっぱいです。ぜひ、タイムフリーで聴いてください!

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捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ (SDGsノンフィクション ...

今回、番組紹介した井出留美さんの著書のお知らせです。去年、発売された「捨てないパン屋の挑戦 しあわせレシピ」が、あかね書房から、税込:1430円で好評販売中です。お近くの書店、アマゾンなどのインターネットの書籍販売サイトなどで、ぜひ、お買い求めください。こちらは、「第68回 青少年読書感想文コンクール」の課題図書に選出されました

番組は下記のバナーをクリックして、radikoのタイムフリーでお聴きください!放送後1週間以内、聴くことが出来ます!

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