ロービジョンのハンデとご家族と~MW10モニター体験会

森本毅郎 スタンバイ!

このコーナーで注目を続けている「HOYA MW10 HiKARI」について、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で取材、報告しました。

 

★「MW10」のモニター体験会

「MW10」は、暗い所で目が見えにくくなる夜盲症=網膜色素変性症を助けるウェアラブル端末。メガネのような形で、これをかけると、前面についたカメラが景色をキャッチして、目の前にあるディスプレイに明るく映し出してくれる、暗いところでも見える、という機械です。

先月、現在販売しているメーカーの「ViXion(ヴィクシオン)」から、3ヶ月間無料で使える「モニター」を募集したところ、たくさんのご応募をいただきました。抽選で3名様が当選、先日体験会をおこないましたので、今日はその様子をお送りします。

まずは、ご当選された方々の、現在の見え方と、暮らしの苦労はどうなのか?ご当選された野倉悦子さん、石原里香さん、川田安弘さんに伺いました。

▲部屋を薄暗くして装着しました

「私の場合は、網膜色素変性症で、夜歩くときなんかは大きな懐中電灯持って、足元を照らして、誰かに捕まって歩くと。視野がないために困るのは、例えば物がいつも通りの場所になかったりとかすると、すごく探してしまったり、調味料が多いですね、ちょっとずれていったりとかすると違うスパイスが出てきちゃったりとか・・」

(野倉悦子さん) 
 

「小学校の三、四年生のときに星の観察ができなくて、今は、夜はだいぶ厳しくなってきて、1人歩きできなくはないんですけど、かなりぶつかりながらっていう感じにはなってきてます。昼間は物を探す、目の前にあるものでも気づかないので、探す作業にすごく時間を取られるようになりました。」

(石原里香さん)

「小学校の頃から夜、見にくいなっていうのはあって、やっぱりそれが年齢とともに症状もちょっと進行してる感じで、夜間の駅から自宅までの通勤で、この機械を使って見えるようになれば、安心して歩けるんじゃないかなというふうには、思ってるところです。」

(川田安弘さん)

網膜色素変性症は、夜見えにくい=夜盲が知られています。3名とも、50代の方々。

石原さんは、当時はまだ病気を知らなかったそうですが、子供の頃、星の観察ができなかったと。川田さんは、今、お仕事から帰る夜、路上に停めてある自転車にぶつかったりするのが怖いそうで、明るい車道側を歩くことも多く、危険を感じているという話でした。

また女性2人が言っていたのは「ものを探すのが大変」ということ。網膜色素変性症は、暗いところで見えにくいのに加え、視野が狭まっていく病気。中心視野がわずかに残る状態で、自分の前にある物も、視野にぴったり入ってこないとわからず、暗い場所だけでなく、こうした苦労も多いそうです。

 

★暗いところで見えた!

では、皆さんが期待する「MW10」、実際つけてみてどうなのか、体験の様子をお聞きください。(フィッティングは、ViXion(ヴィクシオン)の石塚隆之さんが担当)

石塚「じゃぁつけますよ。ちょっと後ろ向いて、こっちの方が暗いですけど、私見えます?」

野倉「えっと・・あ、見えました、手を振ってます。」

石塚」もっと暗くします。見えますか?」

野倉「見えてます。」

▲野倉悦子さん

 

石塚「まず使ってみましょう。お部屋暗くします。」

石原「はっきり見えます。」

石塚「私見えますか?」

石原「はい。」

石塚「見えますか?」

石原「はい。」

石塚「外して見てください。」

石原「わ、真っ暗ですね。着けるとはっきり見えます。白目まで見えます。」

▲石原里香さん

 

石塚「ちょっと部屋の電気消しますよ。」

川田「えっと…」

石塚「ご家族の方、見えてます?」

川田さんの妻「結構暗いから見えないんじゃない?」

川田「あ、見える!」

川田さんの妻「見える!?」

川田「見える見える。顔色とかカラーでわかるので…」

▲川田安弘さん

今回、ですが、皆さん、暗い会議室の中でも、機械をつけたらしっかり見えていて、まずこれに喜んでいました。それから、石塚さんから、「視野を広げるモードもある。ものを落として探すときなどは、その方が良い」という説明もあり、皆さん暮らしの改善に期待されていました。 
 

 

★装着には慣れが必要

ただ、ご本人だけでなく、ご家族が喜んでいたところが印象的でした。ご夫婦で参加された川田さんに伺いました。

 「さっきお部屋を暗くして私の顔が見えたっていうのが、すごい嬉しかったです。はい。いつももう暗いと無理なので、全部私がこっちみたいにやってたのか。ちょっと嬉しかったですね。はい。でも今、通勤でつあの会社から家に帰ってくるときの家の最寄り駅から、彼がどうやってリュックからこれを装着して帰ってこれるかなっていうのを今から考えなきゃなって。でもそれが使えたら多分すごく安心して待ってられるかなとは思うんですけど、はい。」

(川田安弘さんのご家族)

▲ViXionの石塚さんサポートで実際に局内を歩いてみました。

こうした病気によるハンデでは、ご本人も大変ですが、ご家族もさまざま心配していましたが、「MW10」のような機械で、そうしたところも改善されていくのなら良いことだと思いました。

この「MW10」ですが、価格は税込みで43万4500円。便利ですが、高いのがネックです。ヴィクシオンでは、月額7480円で使えるコースも用意していますが、それでもまだ負担がかかります。

一方で、自治体が、ハンデがある方向けの「日常生活用具」として認可すれば、補助が出て、原則、1割の値段で買えるということなので、この機械を多くの人が手軽に使えるように、自治体の補助も広がることも待たれます。

 

【HOYA MW10 HiKARIのこれまでの放送】

取材・リポート:TBSラジオキャスター田中ひとみ

 

 

 

 

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