3年ぶりにリアル開催された「東京レインボープライド2022」

人権TODAY

今回は…3年ぶりにリアル開催されたLGBTQイベント 「東京レインボープライド2022」について報告します。 

4/22(金)から24(日)まで渋谷区の代々木公園などを会場に日本最大のLGBTQイベント「東京レインボープライド2022 プライドフェスティバル」が開催されました。「東京レインボープライド」は、レスビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)、トランスジェンダー(T)、クイア、クエスチョニング(Q)など、いわゆる「LGBTQ」と呼ばれるセクシャルマイノリティや「Ally(アライ)」と呼ばれる支援者たちが声をあげ、差別と偏見をなくすことをめざし、社会とのつながりを発信するイベントで、第1回は1994年に行われました。このコーナーで過去に何度も採り上げているのでご存知の方も多いのではないかと思います。年々、LGBTQの人たちへの関心が高まってイベントも認知されるようになり、2019年の開催では20万人を超える人々が参加するまで規模が大きくなりました。

ただ、一昨年と昨年は新型コロナ流行のためネットを介したオンラインのみの開催でした。今年のフェスティバルは3年ぶりのリアル開催で、コロナ対策で入場規制がありましたが約6万7000人が訪れました。「東京レインボープライド」共同代表理事の二人、杉山文野(ふみの)さんはトランスジェンダー、山田なつみさんはレスビアンであることをカミングアウトしています。まず二人に今年のテーマ「繋がる、見える、変わる」について、そして久々のリアル開催に感じたことなどを聞きました。

(左から)山田なつみさん、杉山文野さん

「『ただいま!』という感じです。まず無事に開催できたことを嬉しく思います。「繋がる、見える、変わる」というテーマを掲げたのは、この2年間、オンラインを通してつながる方たちも増えてきたし、いろんなつながり方もできてきた、その一方で本当にリアルな場所を失って孤立孤独を感じる方も増えてきたのが現実だと。なので改めてみなさんがつながる場所を提供して、見えなかった課題を可視化してしっかりと変えていこう、そういった思いを込めて今回のテーマを作りました」(杉山文野さん)

「リアル開催を待ち望んでいたという声もすごくいただいていて、やはりこの場所が当事者にとってもAllyの方にとっても、同窓会のようなみなさんで集まって良かったねと思える場所なので今回開催できてよかったです。 」(山田なつみさん)

オンライン開催はパソコンやスマホを通したイベントで空間的制約がないため総視聴者数が約160万人と、参加者の数は大幅に増えたのですが、いっぽうで情報にアクセスするのが難しい人がいたり、外出できないため孤立や孤独を感じる人もいたそうです。LGBTQの人たちの中にはカミングアウトされてない方もいて、コミュニティのメンバーで集まれる場所がとても大切です。そのため同じ気持ちを共有する人たちが実際に集まるリアル開催は重要だと運営スタッフは改めて感じたそうです。

会場には100以上のブースが出展され、LGBTQの人たちの生活や仕事に関する弁護士の法律相談や社会保険労務士や労働組合のブースがあったり、豊島区や国分寺市など多様な人たちの暮らしやすい街を目指す自治体の出展も見られました。

また法的な結婚が認められていない同性カップルのために「準婚」という正式な結婚に似た形でカップルを認定する社団法人や婚姻届の代わりに記念のオリジナルの指輪を作りませんか、と薦めるショップのブースなどもありました。ステージで音楽ライブやシンポジウムが行われたほか、賑やかに抽選会を行う企業の出展ブースがあったり コスプレで来場する人たちがいたり、お祭のような雰囲気がありました。

LGBTQという概念の先へ。「YOUTH PRIDE JAPAN」が目指すもの

今回の「東京レインボープライド」では10代20代のメンバーで構成される「YOUTH PRIDE JAPAN(ユース・プライド・ジャパン)」というプロジェクトが開始されました。これは一昨年、東京レインボープライドのボランティアに応募した22歳以下の若者で結成され、たとえば彼らの世代の視点から、「LGBTQ」よりさらに多様性のある概念「LGBTQ+(プラス)」などについて情報発信していこうと取組んでいます。「LGBTQ+」はレスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダークイア、クエスチョニングなどの枠組みにとらわれない性の多様性を示す言葉でとくに若い人たちの中には自分の自認する性が「LGBTQ」に当てはまらないことがあるそうです。「YOUTH PRIDE JAPAN」はそうした人たちの一人一人から意見を聞いて居場所を作れるような団体にしたいと目標を掲げています。「YOUTH PRIDE JAPAN」共同代表のふたり、リリーさん19歳、みーやさん23歳に聞きました。

(左から)みーやさん、リリーさん

「私たちは基本的にはSNSをメインの活動場所にして 「LGBTQ+」の「Q+」にフォーカスした活動をしています。「Q+」の子たちともっと関わって、理解してシエアしていくのも目標のひとつですし、一昔前まではLGBTという言葉が必要だった時代があったけれど、これからはその言葉が必要なくなる時代、男性女性という物差しもなく個人としてつきあっていく関わり方になるのかなと感じます。 ゆくゆくは「LGBTQ+」という言葉が出てこないような人間関係を作っていけることが一番望ましいゴールかなと思ってます。」(リリーさん)

「僕は自分がゲイだと自認したのが中学3年生ぐらいなんですけど、ずっと隠してきて、20歳になった時に母親にカミングアウトしました。僕と同じように、どうしても言いだせない子はまだまだ多いので、「YOUTH PRIDE JAPAN」を学校や職場とは別の自己発見の場としてみんなに使っていただいて自分がどういう人間か言える人が増えるように、まず僕たちが発信していこうという気持ちでやってます」(みーやさん)

東京レインボープライドは大盛況。一方、課題も・・・

フェスティバルのハイライト、「レインボーパレード」が24日、実施されました。あいにくの雨天でしたが、さきほどの「YOUTH PRIDE JAPAN」メンバー含め約2000人が笑顔で原宿から渋谷の街をパレードし、アピールしました。沿道にはレインボーカラーのフラッグを持った大勢の人が集まり応援していました。

こうした盛り上がりの一方で、LGBTQの人々にはこんな課題も残されていると、共同代表理事の杉山さんは言っています。

「かなりLGBITQの当事者の可視化というのがされてきて、盛り上がってきているようにもみえるんですけども、どうしても東京に集中してしまいがちだったりすることもありますので全国みんなで一緒に盛上げていくというのが大事だと思ってます。またいちばんの課題は制度が変わらない、法整備が進まないというところだと思うんですね。そういったところをしっかりと変えていくためにも、機運を盛上げていくということが大事かなと思ってます」(杉山文野さん)

フェスティバル会場には「JAPAN PRIDE NETWORK(ジャパン・プライド・ネットワーク)」という国内各地でLGBTQイベントを開催している20団体がブースを出展、地元での活動やパレードの開催予定などをアピールしていました。地方でもLGBTQの人たちの活動が活発化しているのがわかりました。

また杉山代表理事のいう法律の整備の問題とは同性婚が認められない、差別を禁止する法律がないなどLGBTQの人たちの法的保護が確立されていないという点です。この問題については期間中に行われたシンポジウムでも議論されていましたが、大きな課題といえます。みんなが一緒に考え、変えていきたい問題です。

代々木公園を会場とした「フェスティバル」は24日で終了しましたが、5月8日まで「プライドウイーク」としてLGBTQ関連のイベント、オンライン講座、トークショーなどが全国で開催されて、「東京レインボープライド2022」のサイトで紹介しています。また6月にも関連イベントが開催されますので注目してください。    
https://prideweek.jp/    
https://tokyorainbowpride.com/

(担当・フリーライター 藤木TDC)

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