第462回「大学に行く理由論」

東京ポッド許可局

マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオのラジオ「東京ポッド許可局」。2月26日の放送は「大学に行く理由論」。

マキタ:大学に行く理由って説明できますか?

タツオ:大学ねぇ。

マキタ:僕には子供が4人いますが、1人は20歳になりまして、この4月から大学3年生ですよ。付属のところから大学にそのまま進学して、その大学に進学した年からコロナのパンデミックが起こったんですね。だからその年は丸々1年間、大学に行ってません。なんだったら在籍している意味を感じないなら辞めてもいいよとは言ってあります。まぁ、本人は辞めるほどの理由はないらしく。それで2年目も同じ感じです。少しは大学に行ったかな。でもサークルとかさ。「大学に行ったらサークルが楽しいよ」っていうのも行く理由の一つだったりするじゃん。でもそんなことも今の世の中、ないんです。

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マキタ:それで次女が4月から高校生です。また3年間過ごすのでしょう。

鹿島:あの次女がなぁ。ポッドキャストの第1回目のとき、まだハイハイしてたよ。

マキタ:そうですよ。小さかったあいつが高校生ですよ。で、そこから大学に行くんですか?行かないんですか?わかりません。それで「大学行くのか?」って聞いたとして、彼女が「大学って行く意味あるの?」って返したとしたら、俺は何て答えればいいの?

タツオ:無理矢理見つけた感じだけどね。

マキタ:見つけたんですか?

タツオ:行く理由がわからなかったから。でも「大学は行け」って言われてたから。

マキタ:親にね。

鹿島:そっちのほうが気持ちいいね。

タツオ:決定事項だったから。それで「行きたいところって言われてもな~」みたいな感じだったから、無理矢理にでも興味の持てることを選んだ感じだよね。

マキタ:大学に行くのは必須だったんだね。

タツオ:マキタさんはどうだったの?「大学行くの?」って言われた?

マキタ:周りからは「どうすんだ?」っていう圧は感じてましたよ。とくにうちはそのころ、マキタスポーツ店はお金があったわけではなかったので、商売自体があんまりうまくいってなかったので、正直私立の大学に行くほどの「どうぞ!」っていうほどの経済的なゆとりがあったわけじゃなかったんですよ。

タツオ:それは肌で感じてた?

マキタ:感じてました。でも俺は東京に行きたくて。東京に出たら素敵なことが待ってるのではないか、当然東京は僕のことをほっとかないんじゃないか。

鹿島:いいぞ!いいぞ!

マキタ:とにかく僕は「4年間遊べるんでしょ?」みたいな感じで。で、勉強もしてなくて頭もよくなかったので、受験勉強もしたくなかったので、一般推薦で行ける大学を調べました。

鹿島:俺も推薦で入ったんだよ。本当に親には申し訳ないんだけど、勉強も試験もしたくない。

マキタ:「とにかくもう、勉強も試験もしたくない!」

タツオ:植木等のマインドでね(笑)

鹿島:で、入れたのが決まったときに「これで4年間時間もらえた」って思ってそれが一番嬉しかったですね。

マキタ:そんなダメな感じだったんだ。

鹿島:僕よく言うんですけど、3年前にニュース時事能力検定を受けて、50歳近くになって死ぬほど勉強して合格して、すげえ嬉しかったんですよ。っていうのも10代のときに本気で勉強していなかったのがずっとコンプレックスで。俺ずっと逃げてたじゃんというのがあって。推薦もそうです。で、なんかやろうってときに本当に初めて本気で勉強したんだよ。2ヶ月くらい。

タツオ:2ヶ月かよ(笑)

鹿島:2ヶ月だよ!でも苦しかったよ~(笑)でも本当に合格して嬉しくて、それで清算できた気がしてね。一方で「10代のときに死ぬ気で勉強したらもっといいところに行けたんじゃないか?」って思うんだけど、でもあのときは推薦で入って4年間もらえた。で、なんで先送りしたかっていったら自分に自信がないから。「俺にはなんにも知識がないよ」って。じゃあこの4年間はのん気に好きなことをやりつつ、本とか読んでそういう4年間にしようと。で、もう一方でずるい自分もいて、「大学中にしかできないことをしなさい」って言われてたので、僕はずっと寝てたんですが(笑)

タツオ:社会に出たらそんなに寝られないですからね。

鹿島:まぁ、大学出ても同じでしたけどね(笑)だからそういう4年間に使わせてもらったので、親からしたら2030代でも全然リターンは返ってこないですよ。「こいつ、大学に行った理由はなんなんだ?」っていう。僕もそう思ってました。でもようやくこういう番組やいろんな仕事で、あのころの4年間がすごく役に立ってますね。あんまり回収って言葉を使うと実利的になっちゃうけど、あの4年間のお陰だと思ってます。あと学部とかもあるじゃないですか。中学高校もいいんですけど、なんとなく自分の趣味嗜好に沿った人たちがいるじゃないですか。だから大学で出会った仲間っていまだに参考になるし。

タツオ:それまでの人生で出会わない人たちだもんね。

鹿島:で、一緒に夜中にポテトチップスを食べながらうだうだ過ごした日々は今本当に役立ってるね。あれが元祖許可局だと思うんだけど。そういう意味では後から「行ってよかったな」と僕は思ってます。だから無駄を4年間やり尽くしたんですけど、なかなか大手を振るってできることないじゃないですか。

マキタ:それは友達に恵まれたってことね。

鹿島:それもあります。それも大きい。アドバイスできるとしたらそれもある。ラップの日本一になったし(笑)それは人生の暗号資産ですよ。そのときはどう使えばいいかわかりませんでしたけど、今は換金してますよ(笑)

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タツオ:娘さんと向き合う場合、大学に行く意味が自分で見つけられる場合は「自分で行きなさいよ」ってことなのかな。たとえば4年間時間が欲しい、遊びたいも大学に行く立派な理由でいいと思うんだよ。

鹿島:それでいいんだよ。でね、本当に学びたいことってむしろ30歳、40歳過ぎたころに出てくるって。よく社会人で大学や大学院に入り直す話ってあるじゃん。桑田真澄さんもそうですよね。ああいう気持ちわかるもん。たとえば歴史の話で、大人になったら自分で調べなくちゃいけないんだよ。でも中学高校は授業で教えてくれるじゃん。「あれ、なんであのとき勉強しなかったんだろう?」って思うもん(笑)それでより専門的なことは大学で。だから大人になってから勉強すればいいよ。

タツオ:っていうことは大学は行きたいタイミングが来るから、そのときに行けばいいよってことね。

鹿島:405060歳とかで大学に入ってもいいんじゃないの?大学という名の勉強をしはじめるっていうことだけど。

マキタ:大学に行くことの明確な理由、社会的に得をするとかはもうほぼないよね。

鹿島:僕とマキタさんのときはまだいい大学を出た人はいい会社に就職できてという神話がありましたが、今はそうじゃないよね。そうなるとますます「なんのために?」っていうね。勉強の目的がある人しか行かなくなる感じ?

タツオ:たとえば学歴を尊重する文化のある企業はいまだに学歴神話はあると思うし、ちょっと前にもメール出す大学が限られてるとかあったじゃん。もちろんそういう企業もあるけど、基本はどういう大学とかってあんまり関係なくなってる。でもそうなると、明確な理由がなく、でも「大学に行け」ってほど裕福じゃない人のほうが圧倒的に多いじゃん。「働きなさい」って言えないのかな?「働いたほうがいいよ」って。

マキタ:「働きたくない」って言われたらどうしますか?

タツオ:「それはしょうがない」って(笑)俺も働きたくないもんな~(笑)

鹿島:でも一方でさ、俺ら芸人の世界は学歴は関係ないから、頑張ればこういうところで話せるわけじゃないですか。でも放送局で仕事をするって憧れた部分もあるじゃないですか。で、実際に仕事をすると、だいたいどこの局もそうですけど、著名な大学を優秀な成績で収められて、集ってきて、それではじめてそういう人と仕事ができる現実を知るじゃないですか。そうするとあのころ勉強して大学に入って自分の好きなことをするためにはいいパスポートになるのかなとは思いますね。僕らはたまたまうっかりこのスタジオに辿り着けちゃったけど、でもそれがなにもない場合はそういうパスポートを手にするしかないんじゃないのかな?制作側であれば。

 

タツオ:18歳くらいまでに「こういう勉強したいわ」って気付けてる人ってもうとっくに気付けてるんだよね。

マキタ:でもそれって少数派でしょ?そんなやつはほとんどいないんだよ。

タツオ:数年前に教えていた大学1年生で、もうダブルスクールしていると。昼間は4年制の大学に行って、夜はコンピューターグラフィックの専門学校に行ってると。「なんで四大に来てるの?」って聞いたら、「専門的なところはライバルも多いから、総合職に就職をするなら四大出てたほうがいいし、そのなかで専門的な技能を持っていたほうがいいから」って言ってて。

マキタ:すげえやつだな。

鹿島:それきっちりしすぎじゃない?俺はずっとこたつで寝てたよ。

タツオ:やっぱ自分基準で子供にアドバイスするってなったら18歳のときの自分は追い越せないと思うんだよね。だから子供にも説明できないよ、大学に行く理由なんて。

マキタ:そうなんだよ。だから俺も「言ってやるぞ!」って思うんだけど、「あれ?言うことがねえぞ」ってなるんだよ。

鹿島:俺もここだから言ってるんだよ。子供に「ゴロゴロしてて大丈夫だよ」なんて怖くて言えないよ。

マキタ:俺も言えないよ。

タツオ:だから「勉強しなさい」って親は言うようになるわけじゃん。

鹿島:そうだね、自分を振り返ってね。

タツオ:だけど自分も勉強ができなかったじゃん。だから子供にも響かないよ、「勉強しなさい」って言っても。だって俺らがそうだったんだもん。

マキタ:「めちゃくちゃ空っぽなこと言ってるな」と思うんだろうな。「でかい屁してるな」としか思われてないんだよな(笑)

鹿島:「あとで役立つよ」くらいのことは言えるよね。「あとで苦労するより今苦労したほうがお父ちゃんは楽だったな」くらいのことしか言えないよね。

タツオ:「そもそも仕事ってやりたいことじゃないから」っていう教育の方法だってできると思うのね。「やりたいことはやりたいことであっていいと思うけど、18歳からは働いて自分の生活は自分で面倒を見るもんなんだよ。それでもどうしても大学に行きたいなら相談に乗るよ」みたいな方法だってあるよね。

マキタ:その方法はいいね。

タツオ:急に参考になったみたい(笑)

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マキタ:「これからの社会に役立つ人材を~」みたいなことで、「その人材になるために大学に行け」って言ってもなにも通用しないじゃない。

タツオ:それは響かないでしょ。ポエムでしょ。

マキタ:空っぽのポエムですよ。屁ポエムですよ。

鹿島:でも実際、そこに向き合わされる現実もあるでしょ。昔の許可局でこんな話しませんでしたか?作家で冒険家の人が冒険から帰ってきたら新聞記者の人に「冒険って社会の役に立ってないですよね?」って言われて唖然としたと。社会の役に立つ、役に立たないの二元論だけで物事が考えられていることにビックリしたという話です。

タツオ:その話聞いたね。

鹿島:で、そのあと、その編集者からメールがありまして、「若い人も大学に進学するにあたって、面接とかでどれだけ社会貢献しているかということを聞かれるから、そのために社会奉仕やボランティアをするという本末転倒さは彼ら彼女もわかってるんです」という、役立つ役立たないだけを問われてるという。無駄は許されないっていう。それを1718歳とかで突きつけられたら嫌だよね。でも現実はそうだという。

タツオ:それって選ぶ側が作ったポエムだということを早く教えてあげる必要があって。たとえば会社の面接でやりたいこととか聞かれるけど、それは言ったところでやれないということを一応言っておくべきだと思うんだよね。あとやりたいことを仕事にすることは危険だということとかね。社会貢献したことってあくまで試験で人を落とすために聞いてることだから。

鹿島:その社会貢献って試験を受けるためにやっている社会貢献だから、社会貢献じゃないですよね。利己的なものだから。でもそれは重々わかったうえでやらなくちゃいけない。でもその作家さんの冒険とか「社会のために役に立ってないですよね?」って言われてるけど、僕にはそれが面白いから、長い目で見ると社会の役に立っているわけですよ。誰にぶつければいいかわからない話をしてますが(笑)

タツオ:大事な話をしてますよ(笑)だから、人を選ぶ側が作ったポエム試験に対して、受ける側がマジなんだよ。だから本当にやりたいことがない人にとってはコンプレックスになっちゃうの。

マキタ:今大学生の人はすごくSDGsのこととか言うみたいだね。

タツオ:社会貢献だって「しなきゃいけないもんだ」と思っている時点でそれは社会貢献じゃないんだけど(笑)でもどんな形であれ貢献していればいいと思う人もいるからさ。

鹿島:わからない人ほど大学に行くのはいいかもしれないね。そこでいろんな人と知り合って、また4年間時間があるから新しいことができる可能性もあるからね。

タツオ:俺が大学1年生によく言うのは「2223歳までに入れたもので一生を生きていくから、今遊ぶ人って一生本気になれないよ。逆に今なにかに打ち込んだ人はそのことが30代、40代の自分を支える。自分の頭で考えて、自分の言葉で表現することに慣れる期間なんだよ」って言うんだけど。

マキタ:自分がなにが好きでなにを見つけるのかとか、そこにある出会いとか、じっくり考えることとか、その時間のゆとりというのが大学の4年間なんだろうな。

タツオ:ちょうど自分の頭で動けるようになる期間だからね。

マキタ:それがうちの長女は、サークルで出会える確率があったわけじゃないですが。それがなくなったというね。まぁ、彼女は別のところで熱い交流はあるみたいですけどね。だから「無駄を楽しむために行きなさい」って言ってもあんまりピンと来ないよね。

鹿島:10代にはピンと来ないよね。

タツオ:あと、俺はやりたいことより、やってて苦じゃないことを見つけることが重要だと思う。

マキタ:大学云々じゃなくてね。

タツオ:そうそう。やってて苦じゃないことって商売にしやすいから。俺からしたら信じられないんだけど、単純作業が全然苦にならないっていう人もいるからね。

マキタ:単純作業が大好きな人っているね。

タツオ:ゾーンに入ってくみたいな。

マキタ:事務作業大好きみたいな。

タツオ:だけど自分で喋るのは本当に嫌みたいな人もいるじゃん。それは俺らはわからないけど。でも喋るのって俺たちはそんなに苦にならなかったじゃん。だから今ここにいると思うんだけど。

マキタ:俺ってどうやら本当におしゃべりらしいんだよ。

タツオ:マキタさんはおしゃべりだよ!っていうか、人の話を聞かないおしゃべりマシーンだよ。

マキタ:俳優業界で俺はおしゃべりで有名らしいんだよ。とにかく話し掛けてくるんだって(笑)

タツオ:磯村君のインタビューでも書いてありましたね。

マキタ:そうです。彼も「よく喋ってました」って言ってましたね。「よく喋っていた」という客観的な見つめ方は何なんだよ(笑)「このおじさん喋ってんな」って思ってたのかよ(笑)俺は魂の交流をしてたつもりだよ(笑)

鹿島:俺もそういうふうに頑張るときってたまにあって、まだポッドキャスト時代のとき、ツアーで車で運転している人が眠くならないように、俺ずっと喋ってたんだよ。それをあとで「うるさかった」って言われて、喋らなきゃよかったと思って

マキタ:あれは厳密に言うと、PKが喋ってるときからずっとタツオは「うるさい」って言ってたんだよ。

鹿島:あっ、そうなの?

マキタ:いや、でもあなたはずっと面白かったよ。

鹿島:みんなで車に乗って嬉しかったんだよ。

マキタ:だって深いトンネルを抜けて山が見えたら「あっ、山だ」って言ったんだから(笑)目に見えるものをすべて口に出してたんだよ。

鹿島:「あの屋根すごいね」とかね。サービストークのつもりだったんだけどね。

タツオ:ちょっとそれで運転手の子が気を病んじゃってね。「落ち着いて運転ができない」ってね。

鹿島:よかれと思って喋ってたのにビックリしちゃったね。

マキタ:「大学に行く理由」の話をしてるのに、なんで「俺たちはおしゃべり」の話になってるんだよ(笑)

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