コロナでAED使用率低下。一方で画期的なAEDが新登場

森本毅郎 スタンバイ!

新型コロナによって、医療の様々な面に影響が出ていますが、実は「AED」=街中などで、突然心停止で倒れた方を救う時に使う「AED」にも影響が出ているという指摘がありました。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で竹内紫麻が取材報告しました。

 

★コロナでAEDの使用率が低下

詳しいお話しを日本AED財団の理事を務める、武田聡さんに伺いました。

これまで、一般市民が目撃した心停止に関してはですね、年々救命率が上がってきていまして、10年ぐらい前に6%ぐらいだったのが、令和元年度ぐらいには、9%台まで上がってきていまして、だんだん救命率が改善していったという傾向がございます。もちろんAEDの使用率も右肩上がりで増えていって令和元年には1300件ぐらい、年間ですね、AEDによる電気ショックがかけられてるというようなデータでございました。それがですね、令和2年度のデータでは、その救命率が9%から7.5%に急に転落して、AEDの使用率も1300から1080くらいまで一気にぐっと下がっているというようなデータが発表されておりまして、これはコロナ感染症の流行拡大に伴うのではないかという風な推察がされているという状況にあります。

(日本AED財団理事 武田聡さん)


実はこの傾向は国内だけでなく、世界的で、AEDの使用率、さらに、いわゆる心臓マッサージをする率も下がっていると言われている。コロナ感染の心配で、倒れている方を見ても、密に接して心臓マッサージをしたり、AEDをしたりという行動をためらう方が増えてきているのではないかと。

もちろん、倒れている人を見たら、放置するわけではなく、みなさん119番通報はしているようですが、心停止はスピードが大切。救急車を待たずに心臓マッサージやAEDを使用するのとしないのとでは、救命率がかなり違う事がデータで分かっています。「何もしない」場合は救命率は4・4%、「心臓マッサージやAEDを使用」した場合は救命率は43%と10倍以上になる!

今国内では年間およそ2万5千人が、一般の方々の前で突然倒れ、心停止で命を落としている。AEDの使用率の低下は、こうした方が増えかねないとして、日本AED財団も利用を訴えたいと言うこと。

ただ、AEDの利用については、コロナだけでなく、もう一つ長年の課題もありました。そして、その課題を改善するための進化したAED「オートショックAED」というものが先月誕生しました。

 

★オートショックAED!?

日本光電工業 AED営業部の山田卓さんのお話しです。 

今までのAEDというのは、音声メッセージを流してくれまして、それに応じて操作者の方が最後に電気ショックボタンを押していたところが、今回のオートショックAEDというのは、機械の方で自動的にカウントダウンの後にショックをされるというようなところが大きな違いになるかと思います。一般的なAEDは電気ショックボタンがございまして、そのボタンを押すことに非常に躊躇されるという、そういった市民の方からの声は沢山いただいております。それによってですね、例えば1分遅れてしまいますと、病院から退院できる確率、社会復帰率的なところが5%から10%、下がってしまうというところがあります。オートショックAEDというのは、電気ショックボタンをなくしてすぐに電気ショックを受けることになりますので、社会復帰率の向上に貢献できるというようなことで考えております。

(日本光電工業 AED営業部の山田卓さん)

この新しいAED「オートショックAED」は、まず従来あった電気ショックボタンがない!

しかもカラー液晶画面付きでアニメーションなども表示されるので使う側にとっても分かりやすい。

心停止で倒れてしまった方に電極パッドを装着すれば、あとは自動で心電図解析を行い、電気ショックが必要かどうか判断して、適切なタイミングで自動的に電気ショックを行う。

日本AED財団の武田さんによれば、119番通報をして救急車が到着して電気ショックを行うとすると、データ的には大体9分くらいかかる。1分経つごとに救命率が高くて10%ほど下がるので、これでは90%の方々は、もう亡くなってしまうことになる。この部分を、このオートショックAEDは改善してくれそう。

このオートショックAEDは、来週あたりから出荷されるそうなので、街中のAEDがどんどんオートショックAEDに置き換わると良いですね。

さて、人の命を助ける為にコロナに感染するのでは元も子もないと言うことで、最後に、コロナ禍における救命活動において注意する点を再び武田さんに伺いました。
 

★コロナ禍の注意点

最近の心肺蘇生はですね、人工呼吸に関しては、場合によっては、もしちょっと自信がなかったら省いていい、胸骨圧迫とAEDによる電気ショックだけでいいというのが最近の流れになってます。ただ、胸骨圧迫をすることによって、エアロゾルが発生するというようなことが報告されておりまして、今、胸骨圧迫、心臓マッサージをするときは、傷病者、倒れてる方にマスクをしていただくか、もしくは布とかですね、ハンカチとかでも結構ですので、あの鼻と口を覆っていただいて、胸骨圧迫してくださいなんて指導させていただいており、もう一つAEDになりますが、AEDの方はですね実はエアロゾルは一切発生させませんし、安全な機械ですので、AEDこそですね、より積極的にですね、使っていただければというふうに思っております。
(日本AED財団理事 武田聡さん)

人口呼吸は、子供が倒れた場合や、大人でも溺れてしまった人の場合などのシーンでは必要ですが、一般的には省略しても良いとされている。ただ胸骨圧迫、心臓マッサージとAEDはセット。お互いにマスク、もしくは布で鼻と口元を覆い、感染予防対策をした後に適切な措置をとのお話しでした。

 

取材:竹内紫麻

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