防災にも便利なポータブル電源で事故続出!いい製品の見分け方は?

森本毅郎 スタンバイ!

もうすぐ東日本大震災が発生した3月11日。防災用品の見直しをする方も多いと思いますが、きょうは、そんな防災用品で、今人気な「ポータブル電源」について、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で取材、報告しました。

 

★ポータブル電源の事故

「ポータブル電源」は、スマホなどを充電する小型の「モバイルバッテリー」と違って、USBだけでなく、コンセントが使えます。 大容量で、スマホなら100回以上充電できて、電子レンジや電子毛布も使えるとして、日常的にはアウトドアで使用したりしながら、災害避難時にも使えるという人気の商品です。

ところが、その「ポータブル電源」で、事故が発生するケースが出ているようです。消費者庁消費者安全課の飯島 孝史さんに伺いました。

「いわゆる「ポータブル電源」と呼ばれる製品の事故が発生したとして、ここ最近消費者庁が報告されるようになりまして、2019年以降、毎年10件程度の事故が報告されています。全て火災の事故になります。原因につきましては、「出火原因が不明」または「調査中」というものがほとんどなんですけれども、わかる範囲で、「バッテリーが異常発熱して燃えたと推定される」っていうものがあります。また、「使用者が充電するときに、間違って「出力端子」と「入力端子」を接続してしまい、安全対策が施されていなかった製品で「過充電状態」となり出火したと推定されるもの」というものがございました。また約半数の事故が、「リコール製品による事故」ということになっております。」

(消費者庁消費者安全課 飯島 孝史さん)

▲ポータブル電源(イメージ)

ポータブル電源が普及するにつれて、事故も増えていて、今は毎年10件程度。例えば横浜市では、去年は少なくとも3件報告があったそうで、 去年5月には、ポータブル電源を充電中に発火、木造2階建ての住宅2棟が全焼。去年1月には、横浜市の合同庁舎でポータブル電源が発火し、事務所の一角が燃えたことも報じられています。

では、なぜ火災が起きるのか?ポータブル電源の中にあるのは「リチウムイオンバッテリー」が入っていて、高容量・高出力で電池をぎゅっと小型化した立役者ですが、ぎゅっと詰まっている分、非常に繊細。 ポータブル電源の中には、筒状のリチウムイオンバッテリーがたくさん詰まっているのですが、それらが何らかのトラブルでショートしたり、過充電となって火が出てしまうということです。

もちろん、高品質で安全対策が施されたものは、安心して使えますが、粗悪なものも少なくなく、お話にもあったようにリコール対象になったものが事故を繰り返すケースもあるそうです。

 

★ポータブル電源は規制対象外

では、買うときは何を参考にしたらいいのか?品質を保証する基準などはないのか?工業製品の安全情報を扱う製品評価技術基盤機構(NITE)の佐藤秀幸さんに伺いました。

「例えばですね、「モバイルバッテリー」につきましては、平成30年(2018年)の2月に、「電気用品安全法」の基準が改正されまして、規制対象となっているんですけども、「モバイルバッテリー」については「PSEマーク」のないものは、販売できなくなっております。一方ですね、「ポータブル電源」につきましては、「電気用品安全法」の対象とはなっておりません。規制対象となりますリチウムイオン蓄電池につきましては、出力が、原理上「直流」に限られておりまして、交流が出力できるような「ポータブル電源」につきましては該当しないということで、「電気用品安全法」の対象とはなっておりません。」

(製品評価技術基盤機構(NITE) 佐藤 秀幸さん)

電源アダプタなどの安全基準を満たすとアルファベットで「PSE」というマークが付きます。これが1つの基準で、スマホなどを充電するモバイルバッテリーも、この「PSE」マークが安全の目印。

▲こちらはモバイルバッテリー。モバイルバッテリーは電気用品安全法の対象なので、基準を満たすものには「PSE」マークが付いています

ところが、「PSE」マークの基準は、元々は、直流の「電池」を対象に作られたもので、交流の「電源」が規制に入っていないんです。

経済産業省に問い合わせたところ、今「ポータブル電源」での事故があるのも認識しているので、今後については検討していきたい、という事だったので、ぜひ見直してもらいたいところですが、現状は、ポータブル電源を買うときに「PSE」マークを参考にすることはできません。

 

★防災安全協会の推奨商品を目安に

では、ポータブル電源を買うときにはどうしたらいいのか?NITEの佐藤さんに伺いました。

 「製品を販売するメーカーとかですね、型番を確認していただきまして、過去に、事故とか、リコールがないかですね、ご確認いただければと思います。ちなみに、私どもNITEのホームページ上でですね、この製品事故情報のデーターベースを構築しております。事故情報の検索ができますのでぜひご確認いただければと思います。このほか、一般社団法人の「防災安全協会」という協会がございまして、こちらの協会の独自のですね、基準を設けておりまして、認証に従った製品につきましては、防災推奨として評価している場合にあります。こういった製品も、購入される際に、一つの目安にしていただければと思います。」

(製品評価技術基盤機構(NITE) 佐藤 秀幸さん)

▲製品評価技術基盤機構(NITE)のホームページで、過去のリコール商品が確認できます

▲NITEの佐藤 秀幸さんに聞きました

まずはNITEのホームページで事故情報やリコール情報が検索できるので、そこで調べてみると良いようです。サイトで「ポータブル電源」と入れて検索すると、事故の概要、業者名、型番など詳しく出てきます。

★NITE事故情報検索

https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

★NITEリコール情報検索

https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/recall/search/

 

そしてPSEマークはないけれど、「防災安全協会」が一定の基準を満たしたポータブル電源を、「防災推奨」としてマークをつけているので、こちらも参考になるでしょう、ということでした。

★防災安全協会の「防災推奨」

https://bousai-anzen.com/recommend.html

▲目印はこのマーク(防災安全協会公式サイトから)

 

あとは使い方に注意で、外見は頑丈ですが、中のリチウムイオン電池は繊細なので、強くぶつけたりしないようにする。また車の中などは、気温が上がることがあるので置きっぱなしにしないなど注意をして下さいということです。ポータブル電源は、災害の避難生活だけでなく、停電時にも便利なものですが、購入の際はよくチェックをすることをお勧めします。

 

取材・リポート:TBSラジオキャスター田中ひとみ

 
 
 
 
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