チョコレートと児童労働の関係を小学生が学ぶ

人権TODAY

担当:崎山敏也

 バレンタイン、ホワイトデーとチョコレートが話題になる季節ですが、児童労働をなくすための活動に取り組むNGO「ACE(エース)」が2月20日、小学生を対象に「チョコとカカオ畑の子どもたち~チョコレートから児童労働について知るワークショップ」というオンラインイベントを開きました。

 イベントはACEのスタッフ、杉山綾香さんによるクイズから始まりました。「日本では一人1年間に板チョコ何枚分のチョコレートを食べているか?」「(チョコレートの原料、)カカオの実はどれか?(写真を見て)」「カカオの生産が多い国はどこか?」等々。日本は1人当たりの消費量は世界でも多い方ではありませんが、人口が多いので、1年間のチョコレートの消費量全体は、世界で4位です。
杉山さんはさらに、カカオやガーナという国について、説明したうえで、チョコレートや、普段着ているTシャツの綿、子供たちが参加するのに使っているスマートフォンの中の鉱物、そういったものの生産の過程で、子供たちが働いている話に入っていきました。「世界の子どもの10人に1人が、けがをしたり、身体を壊すような労働に関わり、学校へ行けなかったり、命の危険があったりしています。児童労働と、私たちの生活はつながっているんです」。


 
 そのあと、ACEが作った「美味しいチョコレートの真実」という映像で、カカオの生産にガーナの子供が関わっている実情を観て、杉山さんが、学校にも行けず、身体を酷使する労働ばかりしていると、大人になって身体を壊し、今度は自分の子供を働かせる、という悪循環になってしまうこと」をわかりやすく説明しました。また、ACEが、ガーナ現地の協力団体と一緒に、「親を説得したり、文房具やリュックをあげて、子供が学校へ通えるようにする」「子供の代わりに、親が働けるよう技能のトレーニングをする」といった活動を行っていることも紹介しました。
 休憩を兼ねて、画面をオフにし、一緒に参加している家族と話す時間を取ったうえで、イベント後半は「自分たちが、生活の中でできることはないか?」。ACEのインターンの大学生、榊原綾加さんが「買うことが支援につながるチョコレート製品」や「支援団体への募金」などの方法があることを説明したうえで、「いろんなマークに注目してください。見つけづらい所についてたりするんで、表だけでなくて、裏も見てみると、ガーナの子供たちに貢献しているチョコなんだ、というのがわかります。スーパーとかに行った時に、裏返して、宝探しみたいな感じで見つけてもらえるといいな、と思います」と話しました。


 

参加した子供たちは最後に、「ガーナは暑い国だけど、熱中症とかになって病気になる人はいるの?」とか「先生は、何をきっかけに、こういう活動をしようと思ったんですか?」「どうしたら、先生のような仕事が将来できますか?」といった質問や「大人も子供のやっている仕事の大変さを自分で体験してみたらいいと思います」といった感想をそれぞれに語っていました。それに対し、ACEのスタッフが「興味をもってくれてうれしいです。誰でもできるから、大人になったら、ACEを訪ねて来てね」といった感じで、一つ一つに丁寧に応えていました。 
 事前の取材で、このオンラインイベントを企画した、ACEの青井彩乃さんは「ACEは、子供達にもパワーがある、社会を変える力があると思っているので、そういった子供達に、幼いうちから社会課題について知ってもらって関心を持ってもらって、何かできないだろうかって、アクションしてもらうっていうのがすごく大事だなと思っています。そしてもう一つ、大人にも知ってほしいです。実際に買い物をするのはやっぱり大人になってくるので、子供と一緒に大人も学ぶことで、今、社会を動かす力を持っている大人たちの行動を変えることにもつながればいいなと思っています」と話します。また、山下みほこさんは「目の前のチョコレートなど、様々な製品を誰がどんな風に作っているのか、ちょっとでも想像力を働かせてみて下さい。それが児童労働をなくすことに最終的にはつながるんです」と話していました。

(取材担当:TBSラジオ記者 崎山敏也)

 特定非営利活動法人「ACE」 https://acejapan.org/


 

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