規制緩和に賛否の声 電動キックボード

森本毅郎 スタンバイ!

新型コロナの影響で、自転車で移動する方も増えましたが、そうした中で、新たな移動手段として注目されているのが「電動キックボード」です。電動キックボードについては、今国会で道路交通法改正案が議論され、規制緩和される動きもあります。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で、電動キックボードをめぐる新しい動きと問題点を、竹内紫麻が取材報告しました。

 

★座れるキックボード

利用者が増える電動キックボードですが、今月、新しいタイプのものが発売となり話題となっています。株式会社フーグイノベーションズジャパンの藤本豊記さんのお話しです。

今回発売した電動キックボードは椅子付きになっております。従来発売している立ち乗りのキックボードに比べ、長時間乗っても疲れにくいという特徴がございます。立って乗っているとやはりバランスを崩したりというリスクもあり、従来その自転車とかバイクのように座って乗ってる方が慣れている方も多く、非常に安全性は高いです。こちらの商品は、公道を走る上で必要なミラーであったり、ナンバー等であったりヘッドライトであったり、保安部品の方がついているので、問題なく走行が可能でございます。残念ながら交通ルール守られないユーザーの方がやっぱ一部おられて、マイナスのイメージなどもございますが、我々はキックボードをご購入される際の注意事項として、30項目ぐらいのチェック項目をお客様の方にチェックしていただいてから、ご購入いただくという仕組みをとっております。
 

(株式会社フーグイノベーションズジャパンの藤本豊記さん)

 

良くある「立って乗る」電動キックボードではなく、「椅子付き」で座って乗れる電動キックボードが誕生!

自分でナンバーを取得し、自賠責保険に入る可能性はありますが、その他の公道を走行する上で必要なアイテム、ヘッドライトやクラクション、ナンバープレートやバックミラーなどの保安部品は一通り装備。

最高速度は19キロですが、これは藤本さんご自身が、実際にヨーロッパやアメリカなどで電動キックボードのシェアリングサービスを体験し、万が一転んでも大怪我しないくらいのスピードに設定したそうです。体感としては普通の自転車を少し頑張ってこいだくらいのスピードだそう。何より、立って、ではなく、自転車のように座って乗れるので人気となっています。

販売価格は税込みで6万5780円。全国の家電量販店やドン・キホーテなどで購入出来ます。

こうした電動キックボードは、藤本さんも触れていたように、ルールを守らない利用者も多く、問題も指摘されていますが、そうした中、今の国会で、電動キックボードのルールを整理する道路交通法の改正案が話し合われる予定となっています。

ただ、その内容は、大幅な規制緩和という事で、大丈夫なのかという声も出ています。実際、どうなりそうなのか?道路交通法などに詳しい、森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士・佐藤典仁さんのお話しです。
 

★規制緩和の方向は

電動キックボードは従来、原付の一種とされていましたので、車道を走らなければいけない原付免許が必要、ヘルメットをつけて走らなければいけない、自賠責保険に入らなければいけないといった規制がありましたと。これに対して、今後のその規制緩和の方向性として、車道だけじゃなくて、自転車が走れるところについて走行ができるようになると、あと免許が必要でなくなると、ヘルメットについても不要の方向性、努力義務の方向で議論がされています。あとスピードについても、自転車と同じぐらいの速度ということ時速15キロから20キロぐらいで走らなければいけない、そういった方向が示されています。その自動配送ロボットとか新しいモビリティが出てきている中で、これらが今の規制だとやや過剰な規制でうまく活用できないというような面が指摘されていますのでそういったものを踏まえて、制度改正に向けたあの動きというのが加速していっていると。

(森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士・佐藤典仁さん)


今後、国会で議論されるのですが、今までは原付の一種とされていた電動キックボードが、「小型低速車」という新たなカテゴリーに分類される方向。

そうなると、今まで原則ヘルメットが必要だったのが、ヘルメットは努力義務、つまり被らなくてもルール違反ではない状態になる可能性。これについては、去年、ヘルメットなしで運転する実証実験が行われていて、その際に、頭を怪我した事故は1件だったそうです。これを多いと見るのか少ないと見るのか意見は分かれますが・・・少ないと見たのかヘルメットは「努力義務」止まりで議論がされそう。

さらに、今、街中でロボットが商品の配送を行う実証実験が始まっていますが、その自動配送ロボットのように、時速6キロなどに「強制的に速度制限をする機能」を設ければ、歩道を走ることも可能となりそうです。

さらにもう1つ、今まで免許が必要だったのが、新たなカテゴリーに分類されて、免許も不要になる可能性!ただこれについては、検討会の議論の段階で、あまりにも若い人が、道路を免許なしで走るのは危険だ、と言う意見が出ていて、例えば使用可能年齢を16歳以上にするなど、年齢制限を設ける方向性になるのではと佐藤弁護士は話していました。やはり、緩和するにしても制限は必要ということ・・

確かに緩和が行き過ぎては危険です。では今後の議論に向けて、他にも必要なルールはないか、再び佐藤弁護士に伺いました。
 

★他に必要なルールは?

今、自賠責保険が必要かどうかというところは必ずしもこう明確になってなくて、原付の場合には必要なんですけれども、それがその新しく規制緩和されたときに要るかかどうかっていうのはわからないと。自賠ってのは元々その被害者救済のために義務化されているものですので、そういった観点というのは、この電動キックボードの規制緩和したときもう一つ当たると思いますので、自賠というのは義務化すべきであるというふうに思っています。それに加えてその自賠の上乗せの任意の保険というのも、もともと事業者さんが自主的に対応されてると思うんですけれどもそこも、積極的に任意保険で被害者救済に向けてカバーされるというような動きっていうのもあれば尚いいかなというふうに思っています。

(森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士・佐藤典仁さん)

 

原付でも義務化されている自賠責保険。仮に、電動キックボードが免許不要となっても、被害者を守る仕組みとして義務化されるべきではと、佐藤弁護士は指摘していました。
 

取材:竹内紫麻

ツイート
LINEで送る
シェア
ブクマ