第460回「うちの子すごい論」

東京ポッド許可局

マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオのラジオ「東京ポッド許可局」。2月12日の放送は「うちの子すごい論」。

タツオ:この秋冬学期に一橋のほうで留学生の作文の授業をしていたんですが、ちょっと面白いなと思ったのが、「日本ではあんまり自分の子供を褒めないよね」っていうことを書いていた人がいたんです。「どういうことだろう?」と思ったらですね、その子はヨーロッパの人だったんですが、自分の国では子供を褒めたら「そうなんですよ。この子、こういうところができるんですよ」って親が普通に言うし、なんなら自慢気に語ることもあるみたいなんです。

マキタ:そんな恥知らずな…

タツオ:アハハッ!で、その感覚で日本に来て子供を褒めると「いやいや、そんなことないです」みたいに、親が謙遜すると。「おやおや~?」みたいな違和感を感じたんだって。

マキタ:ん?ダジャレ?

タツオ:違う違う。そんな球投げないから。

鹿島 :俺たちはダジャレ警察。ダジャレが大嫌いだから。

タツオ:ダジャレ大嫌いなの?(笑)

鹿島 :今、タツオは大事なものを失ったから(笑)

タツオ:いや、そんなつもりは全然ないですよ。

マキタ:天然ダジャレね。

タツオ:で、考えたらしいんだけど、自分の分身として子供を捉えている節があって。

鹿島 :日本ではですか?

タツオ:そうそう。翻って自分の国は個人主義なので、自分と子供はまったく別物だと。

マキタ・鹿島:ほぉ~。

タツオ:だから「この子、すごく絵がうまいですね」と言ったら「そうなんです」と。「私もビックリですよ、こんなに絵が上手いなんて」みたいなことを返すんです。

鹿島 :謙遜じゃないんだね。

タツオ:そうそう。謙遜になると自分事になるじゃん。

鹿島 :そうですね。2022年になってタツオの言わんとしていることはなんとなくわかるんですが、謙遜に見えて実は自分のことを語ってるから、「それ謙遜じゃねえじゃん」っていうことでしょ、外国の人から見ると。自分の子供だって別の人格だから。

タツオ:「自分の子供」は「自分´」だから。「自分´」を褒められたら「そんなことないです」って言うじゃん。でもそれは現象としてただの違いということだけじゃなくて、たとえばそれを当たり前のこととして子供の立場で育てられると、自己肯定感が薄くて低い人が増えるのは、親が「そんなことない」と自慢しないことが原因なのではないかっていうことをその人は言っててね。

鹿島 :外国の人って早くに一人で寝るでしょ。

マキタ:そうそう。自分の部屋で一人で早く寝るよ。

鹿島 :そこで鍛えてるんじゃないの?それは俺の見てる映画だけ?

タツオ:あ~、たしかにそうだね。

鹿島 :そこでオバケとか出るんだよ。

マキタ:アメリカの映画ってそうだよね。そこでトイたちが暴れ出すんだよ。

鹿島 :おじさんたち、雑な話してるな。「アメリカの映画だってそうだぞ!」

タツオ:でもたしかに外国の子供って一人部屋のイメージあるね。

鹿島 :家族で川の字で寝るってあんまりないよね。もちろん住宅事情とかいろいろあるんだけど。

タツオ:たしかに言われてみればそうかもしれない。

鹿島 :だから最初から「子供」「人」として育ててるってことでしょ。

タツオ:だから逆に「なぜ日本人はこんなに自己肯定感が低いのか?」を考えたときに、親にあんまり肯定されていないというかね、対外的に。

マキタ:俺、今思い出したんだけど、うち商売やってたじゃん。接客をお袋がやって、その傍らに俺がいるわけだ。それでお客さんが、「次男坊さんは結構いい子で、この前も道で会ったときにちゃんと挨拶してくれたんですよ」とか言ってくれるんですよ。それに対してお袋が「本当そう!うちの息子は優秀で」とか言うの。そうしたらお互い「アハハッ!」って笑い合ってるんだよ。

鹿島 :ちょっとしたノリツッコミみたいになってるね。

タツオ:ノリツッコミだね!

鹿島 :ギャグで返してるみたいな。

マキタ:そうそう。それを聞いて俺は「あれ?お袋が俺のことを褒めた!でもなんか2人で笑い合ってる。あれ?俺、イジられてるのか?」って。

鹿島 :そうだよね。ネタになってるよね。

マキタ:そうそう。ネタにされてることを今、急にザワっと思い出したね。

タツオ:それは嬉しかった?

マキタ:嬉しかったんだけど、イジりじゃん。

タツオ:それはイジりだね。でもそれを真顔で「そうなのよ。うちの子、ちゃんと挨拶できるのよね」とかさ。

マキタ:「まぁ~、優秀で優秀で。うちの息子は本当によくできた子なのよね~。手がかからないのよね~」だって。いや、俺は手がかかるから。「あれ、俺は手がかかるのに、『手がかからない』って言ってる…」って。

タツオ:高度なギャグに触れたわけですね。皮肉ですもんね。

マキタ:それでサービストークをした2人でゲラゲラ笑ってたのを思い出した。だからその前提は身内を下げてるんだよね。その下げるという前提があるから笑いを取ってたんだ。

鹿島 :下げるね。たしかに。

マキタ:しかしなんだね、ヨーロッパの人かどこの国の人か知らないけど、謙遜の美徳を知らないのかね?

タツオ:出た、老害!

鹿島 :でも謙遜問題はありますよね。美徳問題ですか。

マキタ:謙遜の美徳って通じないものかね?

鹿島 :「いやいやいや、そんなそんなそんな…」

マキタ:「そんなことないですよ」

鹿島 :あとものをあげるときに「つまらないものですが」とか言うじゃないですか。あれ真正面のクソリプだったら「つまらないものならいりません!なんであげるんですか?」ってなっちゃいますね。

マキタ・タツオ:アハハッ!

鹿島 :行間を読んで、「つまらないものですが」「ああ、そうですか、とんでもない」みたいなね。行間を読みがちじゃないですか。もう行間はいらないってこと?

タツオ:逆に言うと、「さっき外の人がいた手前、あんなことを言ったけど、本当はよく頑張ってると思うよ」みたいなフォローがあると結構違うよね。

マキタ:違うとは思うかな。

タツオ:そのために保険としているのがおじいちゃんおばあちゃんだったと思うの。おじいちゃんおばあちゃんって結構ダイレクトに褒め路線だったよね?

マキタ:ある種、いい意味で無責任だからね。直接育てているわけじゃないから、いいところしか見ない。

鹿島 :最後におじいちゃんおばあちゃんがフォローするっていうのも、いずれにしても家族が前提になっちゃってますよね。「そうじゃなくて個人じゃない?」って割り切ったほうが楽なのかもね。

タツオ:その行間のなさは、それはそれで寂しくない?

鹿島 :ああ、そう?

タツオ:新タツオ主義的にはそれでOKなんだけど(笑)

鹿島 :合理的でね。

タツオ:「あなたはあなたの人生なんだから勝手にやりな」ってね。でもなかなかそれって言えなくない?

鹿島 :ちょっと距離を置いて見守ってる感じでね。

タツオ:あんまり介入せずにね。

鹿島 :まぁ、それもどうなんだろうね?

マキタ:じゃあちょっとうちのことについて言いましょうか。

タツオ:マキタさん、めっちゃ介入型じゃないですか。

マキタ:長女はもう20歳になったんですが、見立てがとても優れているんですね。

タツオ:え?いいじゃん、いいじゃん!

マキタ:あるとき、私が時代劇に出るために普段は生やしているんですが髭を剃ったんですね。全剃りしてツルッツルの顔になったんですが、そのときに彼女が私の顔を見て「あっ!ウミガメ!」って言ったんですね。

タツオ:アハハッ!

マキタ:それを言われたのでちょっと鏡を見てみたんです。そうしたら口の端っこの皺加減とかがちょっと苦しみに耐えながら浜でお産をしているウミガメに見えたので、「たしかにな~」と思いましたね。

鹿島 :「写真で一言」みたいですね。上手だね。どうやら上手だよ。

マキタ:だからいい感覚を持ってるよな。なんだろ、腐された気分にもならないし。

鹿島 :「ウミガメ」ってなかなか出ないよね。

タツオ:それって直接褒めてあげた?

マキタ:言った。「感覚いいね~!」

タツオ:アハハッ!

マキタ:「今鏡見てきたけどウミガメだったよ~!」

鹿島 :それがスパーンと出るからすごいね。なかなか出ないよ。苦しくて涙が出ちゃう。

マキタ・タツオ:アハハッ!

鹿島 :ウミガメだけに。ありがとうございます。今日も仕事終わったね。コーヒー飲もう。

タツオ:終わってないですよ。

マキタ:自分で緞帳下げないでよ…

タツオ:鹿島さんのところはどうですか?

鹿島 :うちは国語のテストで、2つのマスを埋める問題で、その下に「天気」って書いてあるんです。「いい天気」って書いてました(笑)

マキタ・タツオ:アハハッ!

鹿島 :「これはうちの娘だな~」って思いました。

タツオ:それ最高じゃないですか!

鹿島 :「娘よ…」って思いましたね。順調です。「いい天気」で花丸もらってましたね。問題ないです。

タツオ:それは正解なんだったんですか?

鹿島 :なんでもいいんじゃない?「やな天気」でも丸くれるんじゃないかな。

タツオ:すげえ話だな。「いい天気」って書いてたんだ。泣いちゃうね。

鹿島 :間違いないなと思いました。

タツオ:それは感動するね。

鹿島 :でも今って生まれたころから情報がすごいじゃないですか。うちの娘7歳なんですけど、ドラマとか映画を見て、俺がよくわからないところを「これはこのあと、こうなるよね」みたいなことを結構言うんですよ。

タツオ:えっ?先を読んでるってこと?

鹿島 :そう。「いつの間に?」って思うよね。

タツオ:自分が7歳のころはそういうことは考えてなかったな。

鹿島 :ないですよね。僕もないです。だから彼女は将来いいブログ書くぞ~。

マキタ・タツオ:アハハッ!

鹿島 :俺はそういうふうに育てたいね。ブログは面白いよ。(ジェーン・)スーさんみたいになってほしいね。

タツオ:いいね!

鹿島 :スーさんの生まれ育ったところにも近いし。

マキタ:なんかスーさんがブロガーみたいになっちゃってないか?(笑)

鹿島 :だから文章が面白い人ですよね。面白いことが言える、とんちがきく人ね。

タツオ:たとえば「鹿島さんの娘さん、かしこいですね~」みたいなことをママさん友達とかで言われたことはありますか?

鹿島 :「かしこいですね~」はあんまりないですね。「ひょうきんですね」はありますね。

マキタ:へぇ~!

タツオ:ひょうきんなんだ!

鹿島 :どうやらやっぱり面白いことを言うらしいんですよ(笑)

マキタ・タツオ:アハハッ!

鹿島 :同世代に比べてテレビはよく見てますね。

マキタ:それ、あんたじゃん。あなたの子供のころと一緒じゃん。

鹿島 :そうです、闘魂伝承です。

タツオ:子供は猪木分からねえだろ(笑)

マキタ:子供のころからテレビでプロレスと野球と選挙を見てたんでしょ?(笑)

鹿島 :だから順調だなぁ~って。

マキタ:それがプロレスや野球じゃない代わりに、同じくらいの熱量で見てるんだろうね。

鹿島 :最近は未知の生物の図鑑とか見てますね。

タツオ:すげぇ!

鹿島 :それでニホンオオカミ見たら本当順調だなと思いますよ(笑)

タツオ:お父さんが40年かけて追っかけたところにもう追いついてるもんね。

鹿島 :だからそういうのは惜しみなく買い与えるようにしてます。

タツオ:いいパパじゃん。

マキタ:あとうちはどういうわけか歌がうまいね。

鹿島・タツオ:アハハッ!

タツオ:なんか自分の子供を褒めてるのを聞くの結構気持ちいいな(笑)

鹿島 :それはどうしてなの?

マキタ:なんにも教えてないんだよ。

タツオ:だってマキタさんが歌がうまいじゃないですか。

マキタ:そうなんだよ、闘魂伝承だよ。俺は後ろ姿しか見せてないからね。

タツオ:後ろ姿(笑)

鹿島 :背中見ちゃってね。

マキタ:そうだよ、なにも教えてないのに歌がうまいんだよな~。

タツオ:だってNHKのドキュメントでも歌ってたじゃない。

マキタ:だからやっぱり、蛙の子は蛙なんですかね?

鹿島 :メダカの子はメダカだ。

タツオ:だからそれは「自分´」じゃん。

マキタ:あれ、メダカかと思ったらグッピーだったんだよ。

タツオ:動物学者の新宅さんにツッコまれてましたよね。「あれ、グッピーですよ」って(笑)散々俺らに「メダカだ」って言ってたじゃん(笑)

マキタ:メダカかと思ったらだんだん形が変わっていってさ。「なんだこれ、気持ち悪い」って思ってね。

鹿島 :飼育の仕方は大丈夫だったの?グッピーの育て方はまた違うでしょ?

タツオ:熱帯魚だからね。

マキタ:一応一定の温度で育てられるようにサーモヒーターを敷いてたんですよ。それがメダカかと思っていたものがどんどん形が変わっていって、「これはなんですか?」とツイートしたら新宅先生から「これはグッピーのメスだと思います」って来て、「えっ、これグッピーだったの?」っていうことがあった。

タツオ:あのメダカのクソコラム、返してくださいよ。だって泣いてる子が見るのはメダカだからいいんだよ。それがグッピーってさ…

マキタ:グッピーだったんだよ。ビックリしちゃったよ。でもあの子はね、歌とかそんなに上手じゃないよ。

タツオ:でもマキタさんの子は?

マキタ:うまいね~。微妙なニュアンスのつけかたとかあるんですよ。

タツオ:それは本人に言ったことはあるの?

マキタ:あるよ。「それはパパの子だからだよ」って。

タツオ:それは自分の分身としての子供じゃん(笑)それは日本的な考え方じゃないの?

マキタ:かもしれませんね(笑)

タツオ:「そうじゃないよ、君の個性なんだよ!」って言ってあげたほうがいいんじゃない?

マキタ:なるほど、そうすればいいのか。次からはそうします!俺ではないってことだよね。

タツオ:そう。あの子が中学に入るときだったかな。マキタさんが入学する前から「君は吹奏楽部だからな」って言ってたじゃないですか。俺、大変なことが起こるだろうなと思ったもん。だって完全に自分の分身として育ててたから。結構その辺は距離を取れるようになりましたか?

マキタ:もううちにはゴロゴロ子供がいるんで(笑)

タツオ:アハハッ!じゃがいもじゃないんだから…(笑)

マキタ:我が家にもグッピー的な繁殖力があるので(笑)私はグッピーおじさんなので。双子の息子たちもいるんですけど、そこに関してはそういう介入の仕方はしないでおこうかなと思っていますね。それは経験上わかってた。だけど次女まではできませんでしたね(笑)

タツオ:やっぱり3人は生まなきゃわからないんだね(笑)いろいろと諦められない。

マキタ:俺聞きたいんだけどさ、なぜ日本人は自己肯定感が薄くなっても謙遜を維持しようとするの?これは言語のレベルでそうなの?

タツオ:敬語ってそうじゃない?たとえば人前では「父、母」って言うじゃん。「お父さん、お母さん」って言わないじゃん。まぁ、最近の子は言うか。浅田真央がインタビューで「お母さんが」って言ってたから、もうそういう時代なんだなとは思ったけど。でも相手がいる手前、家族は家族ごと下げるし、会社は会社ごと下げるじゃん。たとえば社長が田中さんだったら「うちの田中が」って言うじゃん。だから自分が属するグループごと、自分の分身っていう考え方だよね。韓国では人前でもお父さん、お母さんに対してちゃんと敬語を使うっていう文化があるから、敬語のなかでもいろいろ違うんだけど。

鹿島 :やっぱりある程度、目立っちゃいけないとかさ、飛び抜けちゃいけないみたいな意識はあるんじゃない?出る杭じゃないけど。それよりは周りを見ておいたほうがいい意識はある気がしますね。

タツオ:それって何歳から起こるんだろう?自我が芽生えたときからかな?子供とかって「大きいお子さんですね」とかは全然いいじゃん。落語で『子ほめ』って噺があるじゃん。子供を褒めて親を喜ばすっていう。それは謙遜は入らないじゃん、生まれたてだから。だから自我が芽生えてからは自分の分身っていう考え方になるからなのか、あんまり褒めないよね。

マキタ:さっき住宅事情の話もしたけど、言葉のレベルでもあるじゃん。同じ言葉を使って生活や社会を作ってるじゃん。だから理由があってその会話をしているレベルってあるのかなと思ってね。個人主義がなぜ生まれたのかとか、個人主義が生まれずに自分の子供を自分の分身として謙遜をしてまでも成り立たせようとする感じとかはなんなのかな?って思ったりするんだよね。

タツオ:すごくざっくりしたエビデンスのない話をしますね。島国で定住生活をして、江戸とかって狭いところで人口が密集してるじゃん。そうなると顔ぶれも変わらないから、目立っちゃいけないもあるしギスギスしたくないから、距離感を大事にするんだよね。褒められれば「そんなことないです」って言うし、貶められても「そんなことないです」とも言うし。ベストな距離を保つっていう。侵略の激しいところはまず自分っていうものを確立しなきゃいけないし。アイデンティティっていうものを常にどこにあるのかを考えるきっかけに迫られるじゃん。だからではないかと一般的には言われてるけど、それも本当かどうかはわからないけどね。俺は怪しいなと思うけど。

マキタ:主語がなくても成立する言葉って日本語はよく言われるじゃない。

タツオ:「私は」は言わないね。

マキタ:「私は」がなくても成立するっていうのはなにか関係があるのかね。

タツオ:「~~だと思う」というのは「私」を指すからね。それはお互いが顔見知りであることが前提だからね。

マキタ:そういうところで育まれる、たとえば政治とかさ。政治家が操る言葉とかさ、謙遜とかが通用する範囲内で成立する政治とかもあるんだろうなとぼんやり思ったりね。だって自分の地域の関わりがあるなかで謙遜し合ったりして秩序を保とうとするのは地域政治じゃないですか。

鹿島 :たしかにね。よくあるのは言動が荒っぽいイメージの政治家でも「じつは良い人」みたいなのがありますが、それは半径5メートル以内の人が言ってるんですよね。元部下とか番記者の人とか。

マキタ:石川県のあの人とか(笑)

鹿島 :でもそれって一般の人には関係ないよね。そういう人ってなんで荒っぽいことを言うのかというと、他者に対する想像力がないんじゃないかなと思うんです。自分の利益を共有する味方には優しいけど、関係ない人には厳しいっていう。だから差別的な偏見とか発言は平気でするし。でもそれってまずいですよね。政治家なんて他者に対して、一番自分がその立場になる可能性があるわけですから。

タツオ:仲間だけってことね。

鹿島 :その人に「あの人は良い人だ」って言われたところで「はぁ?」って感じだよね。

マキタ:子供のことを謙遜して褒めないっていうところの延長線上にあるのかもね。

鹿島 :だからそのサークルに入ればすごく可愛がってくれるのかもしれないけど、敵と見なされたらすごく冷たいことを言われるっていう。敵とか存在しないものとして見なされたらキッと捨てられる。

タツオ:100人いるうち、51人のサークルに入ったら51人には認知されるけど、49人にはいないことになってるという。でも49人の声を拾うことが民主主義だもんね。

鹿島 :49人も背負わなくちゃいけない。

マキタ:でもさ、取ってつけたように海外のマナーである自分の子供も一人格と見なして、それを変な形で輸入するとぐちゃぐちゃにならない?

タツオ:でももう家族制度が崩壊してるから、そうせざるを得ないよね。

マキタ:新しいやりかたとしてシン・タツオ主義はそうなっていくのね(笑)

タツオ:シン・タツオ主義はそうかもしれないね(笑)離婚率も高いし、核家族化も進んでるし。お父さんとお母さんは別って考えないと。お父さんお母さんからやられていたことを自分の子供にやっている人も多いじゃん。「俺の時代はこうだったから」みたいな。だから折檻もなくならないでしょ。子供に対する暴力とか。だって俺の時代は当たり前にあったもん。先生もよく人を殴ってたよ(笑)

マキタ:めちゃくちゃ殴られてたな…。あれは同一視されてるから殴られてたのかな?

タツオ:でも「別」って考えればさ。「この人が育ってる時代と自分が育った時代は別」って考え方はできるじゃん。

マキタ:そうだとは思う。

タツオ:でもなかなか割り切れない?

マキタ:さっきの主語の話じゃないけど、ちゃんと主語を持つことかなって思うんだけどね。相手にも自分の自己があるとするなら。

タツオ:それは「槙田家は」というルールはあった?

マキタ:そういうチームワークに対する郷愁とか、そこで得られる快感や感動を信じていたものとかはありましたね。だから正直揺れますよ。

タツオ:揺れるよね。

マキタ:でも立てていこうとは思ってますよ。もう自分の一人格なので。

タツオ:正解がわからないね。

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