農業従事者の高齢化と後継者不足に感じた疑問

TBSラジオからバービーがお送りする「週末ノオト」(毎週土曜13:00-14:55)
オープニングでは、バービーがこの1週間に起きたこと・考えたことを振り返ります。
(お休みの4週目パートナー・山内あゆアナウンサーに代わり、今回は駒田健吾アナウンサーが出演)

バービーが今伝えたい!
農業従事者の高齢化と後継者不足について感じる疑問

バービー:今週は、農業について言いたいことがあります。農業についてずっとモヤモヤしていたことがあったので。農業の後継者について、最近話題になったり聞くことが増えたと思う方もいるかと思うんですけど、私もタクシーの中で流れるCMでよくクイズとか出されたりするのを見てね。「農業従事者の平均年齢はいくつでしょう?」「正解は67.8歳です。高齢化が進んでいます!」ってアナウンスがあったり。改めて後継者不足の話題を見かけるなって感じていたんです。実際、現在の日本の農業従事者というのは5年前に比べて39万6000人減って言われていて。

駒田:5年で・・・?

バービー:かなり減少していて、2020年には152万人になったという。しかも、この新型コロナウイルスの影響で外国人技能実習生が入国できないとかそういう問題もあるので、深刻な人材不足が叫ばれている分野なんですね。で、これは事実なんだけど、「すごいモヤモヤするな、この煽り方は私なんかちょっと嫌だな」って思うところがあるんですよ。

駒田:はい。

バービー:「若者が農業をやりたくないから減っているんだ」っていうニュアンス。私だけかな?なんかそういうふうに受け取れて。

駒田:平均年齢の話を聞くと、「確かに、高齢化なんだな」と思うので、「じゃあ若い人はどうなっているんだろう?」というふうに思ってしまいがちですよね。

バービー:イメージとしても、「若者は土を触る仕事をしたくないからやらないんじゃないか」っていうのも若干あるんじゃないかなって思うんですけど、私が見聞きしている現状は、全く逆なんですよ。例えば、私が地方創生とかで現場を見ていて、「都会から新規就農を目指して移住してきても農地がもらえない」っていう現状があったり。その理由が、実際に農家さんたちが離農する際に、大きい農家さんとか近所の農家さんに農地を継承するから、強者はより強者にどんどんオセロみたいに陣取り合戦で、昔ながらの人はどんどん農地を増やすことができるんだけど、新規就農者の入る隙がないっていう現象が起こっていて。これ、人手不足とはまた違う問題なんじゃないかなってずっと思っていたんです。実際に周りやSNSとか見てみても、農業に関心があって興味がある人はたくさんいるし、ちょっと体験してみたい人もやってみたら本気になる可能性もあるかもしれない。だから、潜在的な新規就農希望者っていうのは、特にこのアフターコロナで増えるなって私は思うんです。でも、それを受け入れないのは現役の高齢農家さん側なんじゃないかなって。

駒田:規制とか法律とか、そういう面もあるんですかね?

バービー:いや、私はそうじゃないと思うんですよ。そうじゃないなって思うのは意識の問題。この後継者を跡取り、子ども、特に息子にしかあげたくないっていう気持ちのこの「肉親じゃないと論外」「農家は家業だ」っていう意識。この意識が、結構根深い問題なんじゃないかなと私はずっと思っているんです。実際に農地の継承はかなりの信頼関係がないとできないっていうのはすごいわかるんですけど、これからどんどん少子化も進むし、農業従事者を増やすには入口を法的にも整備しないと。なかなか強者しか生き残れない農業の時代がやってきたら困っちゃうなって思っているので、何かエビデンスはないかしら?って今回探してみたんですね。

駒田:はい。

バービー:農林水産省のデータが出てきて、令和3年3月2日公表のものなんですけど、「食料・農林水産業・農山漁村に関する意識・意向調査 農業経営の継承に関する意識・意向調査結果」というのがありました。これがかなり数字をしっかりと出してくれていまして。「現在、経営の継承意向はありますか?」という質問に関して、「継承が決まっている(本人の同意を得ている)」という人が80.1%、「後継者が決まっていない」という人が19.7%。うち、「後継者が決まっている(本人の同意を得ている)」と回答した方のみ回答したものによると、その継承相手が子どもであることが96.4%。

駒田:ああ。そうなんだ!

バービー:で、子以外の親族が1.8%。そして、新規就農者、または新規就農予定者は、1.8%しかいなかったんです。この後も、例えば「後継者は決まっていないんだけど、誰かに継承してもらいたい、しようと考えている」という人も、子どものほうの割合が多くて、しようかなと考えている人でも「新規就農者、または新規就農予定者にあげたいな」と思う人は6.1%ということで、かなり狭き門になっているんです。それでなかなか難しいというところはわかってきたところで、これをご本人たちでどう考えているのかなって思うじゃないですか。

駒田:はい。

バービー:で、設問が変わります。「後継者候補を確保し、経営継承の同意を得られると考えますか?」という問いに、「現状のままでは厳しい」と思っている人が63.2%。これは、決まっていなくてということなんですけどね。で、そのうち決まっていない人が「いろんな公共機関にまだ相談していない」という人が64.7%。これから見ると、「後継者も決まってないんだけど、相談もしていないよ」って方が結構いらっしゃるということなんですね。

駒田:うんうん。

バービー:相談先にはJAとか普及支援センターとか農業委員会とかいろいろあるんですけど、そこにもなかなか相談をしていないっていうケースが見られる。ということは、「子どもにしかやらない、それで、相談もなんだかできないな」っていう意識が高いハードルを生んでいるんだなってことがこのデータから見えるのかなって思いました。聞いてくれないと支援もできないことがあるじゃないですか。実際に今いろいろと問題意識を持って取り組んでいる団体とかはたくさんあって、離農したい農家さんと新規就農したい人をマッチングするアプリだったりとかサイトとかも今はたくさんあるんですけど、そういうところにまず登録するっていうところまでいっていない現状が大いにある。もし今このラジオを聴いている60代以上の農家のお父さんがいたら、熱い志をもった若者がいるかもしれない、生活をたたんで覚悟を決めて農家さんになりたい!っていう人がいるかもしれないから、受け入れてほしいなって私は思うんですよね。

駒田:何十年も農業をしていると、やっぱり農作物って育てるのがとっても大変だから、「経験のない人にいきなりできないでしょ」って思う人もいるのかもしれないですね。

バービー:そうですね。

駒田:一方では、やっぱり「自分の家の話だから、他の人に相談するなんてこれはもってのほかだよ!」っていう人もいると思うんですね。やっぱりそのマインド、心をちょっと変えるというよりかは、「こんな方法もあるよ」というのが周知徹底されていないと独善的になりがちなのかもしれない。

バービー:本当に、家制度の根深さがここに感じられるっていうのが。それで、農業は女性が経営者になることもハードルが高いんですね。なので、すごい家制度がギュッと濃縮されている問題だなとも思うし、農業だけじゃないなと思うんです。第一次産業、林業・漁業の方もそうだし、意外と日本中のあちこちで起きている問題かなって思いません?たぶんそう感じられる方もリスナーさんの中にもいるかもしれない。「後継者を男性の子孫に」ってこだわるがゆえに生まれる問題に頭を抱えている人たちってたくさんいると思うので。意識ひとつで何か現状が変えられるかもしれないっていうので、意識できる人は周りの人に働きかけたりとか、「ちょっとアップデートが難しいな」という人は、それでも誰かに相談してみるとかね。そうしてみてくれると、なんだかいい方向に向くんじゃないかななんて思いました。

駒田:新規就農者とか、若い人のアドバイスや新しいアイデアが逆にあるかもしれないですしね。

 

14時台のメッセージコーナーでは、「そうじゃないよ!」という農家さんの声や、「確かにそういう面はある…」といったご意見も紹介しました。

ツイート
LINEで送る
シェア
ブクマ