トンガの海底噴火。気候への影響は?

森本毅郎 スタンバイ!

先週の土曜日(1月15日)にトンガで起きた大きな海底噴火があり、津波警報が出るなど、大きな影響がありました。この噴火を受けて、気象予報士の森田正光さんは、ツイッターで「気候に影響を与える可能性があり、大変なことが起きた」と、発信していました。津波、ではなく「気候」に影響・・・

「森本毅郎・スタンバイ!」7時30分過ぎからは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」、2022年1月17日(月)のテーマはこちら。

『トンガの海底噴火。気候への影響』森田正光さんに伺いました。

 

★火山灰が北海道よりも大きな範囲に広がってます

まずは、噴火の規模について。気候に大きな影響のあった、1991年のフィリピンのピナツボ山の噴火の時と比べて説明してくれました。森田さんのお話です。

●「火山爆発指数ってのがあるんです。火山爆発指数は【6】程度では、ということなんですけども、これだと、あのピナツボと同じぐらい。ピナツボが100年に1度あるかないかぐらいの規模なんですが、今回のもそれに匹敵するような噴火だったと言えそうなんですね。浅間山が1783年に噴火して、【4】なんだけども、この噴火の時は火山灰がヨーロッパまで行って、ヨーロッパの色を染めたって言われてるんですね。でもその日本ですごいって言ってた大規模って言ってたやつよりも、【6】だから遥かにでかい。しかも面積でいうとこれ気象衛星からわかるんですが、北海道と同じぐらいの大きさ、直径で500キロ以上あるんですよ。北海道と同じというか、北海道よりも大きな範囲で火山灰がバーッと広がっている様子がわかるんですね。気候に影響を与えるようなタイプのようですね。」

森田さんのお話に出ていた浅間山の噴火、というのは、あの「鬼押し出し」を作った噴火。それが4。今回のトンガの噴火は、正式にはこれから決まりますが、多くの専門家が6程度、と見ています。

火山爆発指数は、1増えると、規模が10倍とされるので、今回は、あの浅間山の100倍!大規模な被害が出た江戸時代、1707年の富士山が5なので、その10倍の規模ということになります。

大きな噴火なんですね。実は、今回の噴火のあと、日本付近では気圧が2ヘクトパスカル上がったそうで、「これは、噴火の衝撃波が影響しているのだけど、2も変わるのはなかなかない」と、森田さんは、本当に驚いていました。

 

★来年以降、南半球で冷夏・凶作になる可能性?

そして、北海道よりも広い範囲で火山灰が広がっている、というのですから、たしかに気候への影響が心配になります。では、具体的に何が懸念されるのか。どのような影響なのか。再び森田さんのお話です。

●「その噴煙の高さで、我々、火山の規模を決めたりするんですけども、火山灰がどこまで上がったかという。で今回20キロまで上がったっていうんですよ。今回、成層圏まで上がっちゃってる。大気っていうのは、いわゆる対流圏と成層圏という、近いところで言うとそういうふうに分かれているんですね。だいたい1万5千メートルぐらいまでは対流圏で、そこの中で噴煙がある分には雨とかで落ちていくんですよ。ところが成層圏ってのは、雲ができない、雨が降らないとこなんですよ。そこまで上がっちゃうと、下の方に落ちてこない、なかなか。そうすると何年も漂ううちに凝縮していって、より太陽の光を遮蔽するようになるんですよ。それにだいたい1年ぐらいかかる。もうある意味ピナツボのときと見た感じ同じぐらいな感じですよね。ピナツボのときには1991年の6月に起きたんですけども、その1年半後に日本はいわゆる”平成の米騒動”というのが起こりましたよね。冷夏というか、凶作ですよ。来年以降そういうことが起こるということが確率として高いんじゃないすかね。」

1991年に噴火した、フィリピンのピナトゥボ山。30年前の噴火ですが、その後の冷夏と米不足は、よく覚えています。タイ米がたくさん輸入されたときです。様々な要素が影響するので、まだ確実とは言えませんが、あの時と同じことが起こる可能性がある、と森田さんはおっしゃっていました。

 

★日本が輸入している、南半球の作物への影響

しかし、ピナトゥボ山は北半球。一方、今回のトンガ諸島の噴火は、南半球。そうなると、北半球の日本への影響は、そこまで大きくはないのではないか、と思ったのですが、そうではない、と森田さんは言います。

●「僕ら南半球の方の事、よくわかってないけど、南半球は日本と逆ですよね季節はね。今、夏なんですね。そうすると、来年の1月ぐらい、穀物ができる時とかが、また心配じゃないですかね。南半球って、実は、オーストラリアもニュージーランドも南米なんかも、すごい穀倉地帯じゃないすか。パンパって言われる、そういう穀倉地帯があったりするじゃないですか。輸出地帯じゃないですか。そういう穀物の輸出地帯でしょ。そういうところでいわゆる穀物が取れないと、輸出ができなくなっちゃう。北半球の食料というのは、南半球のそういう穀倉地帯から持ってきたりするじゃない。それは家畜の餌になったりとかもするから、どんどんどんどん時間をさかのぼっていくと、ものすごい大きな影響が出てくるんじゃないですか。」

日本のお米や作物ではありませんが、輸入している作物への影響は大きそう。

例えば、日本の小麦は、オーストラリアから来るものが、アメリカ、カナダに次いで、3番目に多い。小麦に関しては去年値上げが相次ぎました。またか?と心配になります。

また、大豆は、南米のブラジルから、がアメリカに次いで2番目に多い。

さらに、飼料なども多く輸入しているので、家畜への影響も出てくる・・・。

と考えると、我々の食卓に、その影響は大きくありそうです。来年、南半球が冷夏になってしまうのかどうか。気がかりですね。

 

取材・レポート:近堂かおり

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