ベトナム・ネパールで暮らす子供の写真展。中学で出張展示

人権TODAY

今回のテーマは「ベトナム・ネパールで暮らす子供の写真展。中学で出張展示」

今、日本で暮らす外国人の方はおよそ282万人。それぞれの出身国でどんな生活が営まれてるのか。 36か国の子供たちの写真をたっぷり交えて紹介する、写真絵本「世界のともだち」シリーズが偕成社から発売されています。 

その中から、特に近年東京都で人口増加が著しいベトナムとネパールの子供たちの写真を集めた企画展が去年、東京都人権プラザで行われました。その展示を見た、稲城市立稲城第五中学校の先生が、自分の学校の生徒にも見てほしいと考え、今月上旬、中学校の図書ホールを使った出張展示を実施しました。展示を企画した宮川利樹先生に、その狙いを聞きました。

「それぞれの国によって独自の暮らしとか、文化があること、また日本とは異なる文化をまず知ってほしいなってふうに思います。やはり環境が違ったら、物事の価値観も異なるんじゃないかなあと思いますし、当たり前ですけど、日本の自分たちの常識は世界の常識ではないってことも知ってほしいです。または、異なる部分だけじゃなくて、共通する部分もあると思います。それもぜひ知ってほしいなと思います。」(稲城市立稲城第五中学校・宮川利樹先生)

宮川先生は知的障害のある子などが通う特別支援学級の社会の先生です。一般的な中学生向けの教科書では個々の適性に応じた指導が難しく、独自の教材を探すなど工夫をされています。そんな中で海外で暮らす同世代の子たちの生活を学べる「世界のともだち」は教材としてぴったりだとひらめき、今回の出張展示が実現。ただ、特別支援学級の生徒に限らず全校生徒にこの展示を見てほしいと考え、学内の図書ホールという、教室までの通り道にある場所を選んで展示を行いました。

「蛇口をひねれば水が出る」が当たり前ではないネパール

この展示を実際に見た生徒さんにもお話を伺いました。中学二年生の新井優樹さん。お父さんが日本人で、お母さんがフィリピン人という新井さん。フィリピンに近いベトナム、ネパールについて元々どんな印象を抱いていたのかと、今回の展示を見ての感想を伺いました。

「ベトナムは米料理や車、バイクなどのイメージがありました。気温はフィリピンと同じく、暖かいと思いました。ネパールは砂漠や山がたくさんあるイメージです。自分はネパールの家族が朝早く水を運んでいる絵が印象に残りました。」(稲城市立稲城第五中学校2年生・新井優樹さん)

7歳の少女アヌスカ。ベトナムの住宅では水道があっても水が出なかったり濁っていることが多いので、毎朝5時に両親と一緒に空のボトルを持って、町はずれの小さな水場まで水を汲みに行きます。日本では蛇口をひねれば当たり前のように水が出てきますが、ネパールではそれが当たり前ではないという点が印象に残ったそうです。

7歳にして、商売の知恵を身に付ける

また、宮川先生のもとに、生徒だけでなく、先生からもこんな感想が届きました。

「7歳のネパールの少女が自分のお店の前を掃除したりとか、あとは自分のお店の商品を実際に一人の従業員として売っている写真を見て、今自分たちが教えている中学生よりも幼い子が、物を売ったりとか、社会に出てるっていうのは、知識としては知ってると思うんですけど、改めて写真を見て感じてるものはあるっていうふうに思います。」(稲城市立稲城第五中学校・宮川利樹先生)

こちらも7歳のアヌスカなのですが、両親が営む洋品店で、ひとりで店番を任されている。しかも、お客さん一人ひとりを見極めて、同じ洋服でも高く買ってくれそうな人とそうでない人で売値を変えている。先生の立場からも、普段接している生徒との違いに衝撃があったようです。

一方ベトナム編で印象的だった写真について宮川先生に聞きました。11歳のふたごの兄弟が朝、学校の前の屋台でラーメンを食べています。ベトナムの人は朝食・昼食は家族バラバラに外食で済ませることが多く、逆に夕ご飯は、家族や仲間と集まる大切な時間なんだそうです。日本では、技能実習生としてベトナム人およそ20万人を受け入れていますが受け入れ先の企業がこういった事を知っておくとコミュニケーションをとる上で役立ちそうに思いました。    
 

生徒達には一つでも多くの国と交流してほしい

最後に、宮川先生に、「世界のともだち」の展示を通じて生徒たちに望むことを聞きました。

「将来、旅行とか、あとは実際に外国に住むってときにその現地の人たちと交流するときに、日本の暮らしとか、日本の文化を自慢げに言ってないですけど、自信を持って話して欲しいなっていうふうに思います。今コロナ禍なので、なかなか外国に行くっていうのは、生徒たちの中では多分、イメージ沸いてないと思うんですけど、大人になったら、一つでも多くの国に旅行に行ったりとか、交流してほしいなっていうふうに思います。」(稲城市立稲城第五中学校・宮川利樹先生)

今回の展示で海外について知識として学ぶだけでなく、生徒達が海外の人と積極的に交流したり、自ら海外に行くきっかけになったら素敵だなと思いました。

(担当:中村友美)

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