ラーメン!チーズケーキ!高級寿司!冷凍食品の進化が止まらない

森本毅郎 スタンバイ!

今回は、冷凍食品のお話です。外食の機会が減る中、冷凍食品の利用が増えたという方も多く、冷凍庫がパンパンで、家庭に置く「セカンド冷凍庫」というものの需要まで高まっているそうです。

そこで今、特に話題になっている「進化した冷凍食品」を3つピックアップし、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で取材報告しました。

 

★「お水がいらない」冷凍ラーメン

まずは、株式会社キンレイの商品部、若生 直浩(わこう・なおひろ)さんのお話です。

「お水がいらない」というシリーズがあります。ここ数年、コロナ禍で、結構お客様から支持を頂いています。メニューは、うどんやラーメンなど、麺類の商品で、最近では、「横浜家系ラーメン」という商品が主力アイテムです。インスタントのラーメンや冷凍のラーメンと言えば、濃縮スープをお湯で割ったり、粉末スープをお湯に溶かしてスープを作る形の商品が多いのですが、こちらはラーメンスープがそのまま凍っているので、凍ったまま、お鍋で溶かせば食べられます。お水がいらないんです。」

(株式会社キンレイ・商品部 若生 直浩さん)

キンレイの「お水がいらない」冷凍麺シリーズが好調のようです。10年程前からあるシリーズですが、どんどん進化していき、現在、うどんとラーメン含めて、累計販売数1億3千万食を突破しています。

▲キンレイ「お水がいらないラーメン横綱」(左)/「お水がいらない横浜家系ラーメン」(右)

「お水がいらない」とは文字通り、麺を茹でたり、スープを希釈するためのお水が必要ありません。凍ったままの状態で鍋に入れて火にかけることで、出来立てのラーメンが出来上がります。

凍らせ方が進化してできた商品で、普通、出来上がったラーメンをそのまま冷凍庫に入れると、スープは凍っていきますが、その間に、麺は伸びてしまいます。そこで、まず最初にスープを凍結。その上に麺と具材を乗せて、再び凍らせます。

▲スープ、麺、具材と、層を分けて凍結させることで(二段凍結三層構造)、麺が伸びることなく、本格的な味が楽しめます。

このように段階を分けて一塊にすることで、麺にコシがある状態でお店の味を再現できたということです。一般小売価格は、およそ300円。スーパーなどの量販店で購入できます。

 

★ミシュラン店も冷凍

進化した冷凍食品2つ目は、予約困難な名店の味が家庭で楽しめる冷凍食についてです。冷凍食品に特化したショッピングサイト「冷凍良食」を運営するクオリアース株式会社の、鈴木薫さんのお話です。

 「ミシュランの星を獲得しているシェフや、食べログで地域のナンバーワンのお店とコラボして、新しい冷凍食品というか冷凍料理という形で、家庭で楽しめるアイテムを提供。例えば、東京代々木上原のミシュラン獲得の「シオ」のチーズケーキや、秋田県の日本料理「たかむら」という、県外から訪れるお客様がたくさんいるお店の合鴨ロースや豚の角煮など、本当の名店の味を再現しています。特にチーズケーキは、まだ発売から5ヶ月で数千個の前半位は、売れています。」

(クオリアース株式会社 鈴木薫さん)

「冷凍良食」は、去年12月にオープンした、有名店の冷凍食を集めたショッピングサイト。「プロトン凍結」というのが進化した特殊な凍結方法で、食品の中の水分を適度に抑え、解凍した時に水が出てぐずぐずになりません。その結果、美味しさそのまま。数か月先まで予約がいっぱいというお店の料理を、自宅で食べられるんです。

▲ミシュラン1ツ星レストラン「sio」のチーズケーキ(税込み5,940円)

▲常温で約3時間、冷蔵で約6~7時間、解凍。冷凍していたとは思えないクリーミーさ!さっぱりしていて絶品でした

ただし値段もそれなり…。ミシュラン獲得のフレンチレストラン「sio」のチーズケーキは、税込み5,940円。秋田の日本料理「たかむら」の合鴨ロースは、税込み12,960円。でも、味が評判で売れているようです。

sioのチーズケーキはこちらで購入できます
「冷凍良食」
https://reitouryoushoku.com/

 

★「てやんでい」な大将も認めた冷凍寿司

そして、進化する冷凍食品。3つ目は、10月末に発表されたばかりの最新技術です。デイブレイク株式会社の代表、木下 昌之さんに伺いました。

「できたてを美味しい状態で固めて、解凍した時に、元通りに戻すことができるような冷凍技術を開発。販売前から問い合わせがあるくらいの冷凍技術となりました。高級寿司屋からも、まさかの冷凍寿司を始めるっていう話を頂き、衝撃的でした。職人さんこだわっているので、自分が握ったものを冷凍するなんて「てやんでい」!ありえないんですよ、江戸前なので。でも、お米のシャリのふわふわ感や、お酢の風味や水分量まで、共同研究を繰り返すことで、解凍したら、南麻布とかの高級寿司がおうちで食べられるものになりました。試しにお店で、電子レンジで解凍したものを、あえてお客様に提供した時「美味しいわねって」言われたとか。でも実はこれ、冷凍で電子レンジでチンしたものっていう位、わからないです。」

(デイブレイク株式会社・代表 木下 昌之さん)

▲デイブレイク株式会社の木下 昌之さんに伺いました

木下さんは、70年続く老舗冷凍機会社の3代目。今回、特殊冷凍できる冷凍庫「アートロックフリーザー」を開発しました。庫内の湿度や、冷風の当て方などを工夫することで、寿司だけでなく、揚げたて熱々の天ぷらも、美味しさそのままに凍らせることを可能にしました。

食に注目してご紹介してきましたが、実はこの冷凍技術は、鮮度が保てるので、供給量の安定しない魚や野菜などの生鮮食品を凍らせて、業者間で売り買いできるネット通販も開始。冷凍技術の進化は、食品ロスの削減にも貢献しています。

美味しい、だけでなく、フードロスなど、社会課題の解決にも役立つ、冷凍食品の進化でした。

 

取材・リポート:TBSラジオキャスター田中ひとみ

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