給与もみんなで決める。アクロクエストテクノロジーに学ぶ社員満足度の高め方

見事なお仕事
企業の“見事な”取り組みや新情報をお届けする番組『見事なお仕事』。ポップカルチャーの総合誌「BRUTUS」の編集長でカルチャーに精通する西田善太さんならではの視点で、企業の“見事なお仕事”の内容と秘訣を、インタビュー形式でうかがっていきます。

11月20日のゲストは、アクロクエストテクノロジー株式会社の副社長 新免玲子さん。優秀なIT技術者をたくさん抱え、三度にわたり「働きがいのある会社」ランキング1位を獲得した会社が、社員満足度を高めるためにしていることとは? 全社員が参加する会議や全社員が給与査定を行うといった、社員みんなで決める独自の取り組みを明らかにしていきましょう。


「働きがいのある会社」ランキング1位!


西田 アクロクエストテクノロジー株式会社は、何をされている会社なんでしょうか?
 
新免 AI・IoT・ビッグデータといった最先端の技術を用いて、システムコンサルティングを行なっています。最近では、これに加えて教育コンサルティングの依頼をいただくことも多くなってきました。
 
西田 どのようなことを教えられているんでしょうか?
 
新免 会社で働く人間としての考え方を教える教育と、技術を教える教育の2つについてですね。
 
西田 技術教育を行なっていることからも、アクロクエストテクノロジーの技術力の高さがうかがえますね。なんでも、「Kaggle(カグル)」というエンジニアのコンペで世界40位になった社員さんもいらっしゃるとか。
 
新免 そうなんです!
 
西田 きっと他にも優秀な技術者がたくさん在籍されていらっしゃるのでしょう。いまは全体で何名くらいの社員がいるんですか?
 
新免 70人弱ですね。そのうちの半分を東大・京大・東工大出身者が占めています。
 
西田 そうなんですか。さらに聞くところによると、働きがいのある会社研究所:Great Place to Work®(GPTW)が発表する働きがいのある企業ランキングで、小企業部門1位に輝いたこともあるとか。
 
新免 2015年、2016年、2018年に1位をいただきました。
 
西田 3回も……! 優秀な若手が集まり、外部からも働きがいがあると評価されるアクロクエストテクノロジーには、いったいどんな秘密があるのでしょうか。

発言が苦手でも会議に参加できる工夫「サイレントゾーン」

西田 世界共通基準の調査で1位を獲るって、なかなかのことだと思うんです。アクロクエストテクノロジーでは、社員に働きがいを持ってもらうために何か特別なことをされているのでしょうか?
 
新免 他の会社と違うところといえば、やはり「全体会議」でしょうか。
 
西田 全体会議……?


新免 うちの会社では、何かを決める際には社員全員で決めるようにしているんです。
 
西田 つまり、全社員が参加する会議で、話し合ったうえでものごとを決めているということですか?
 
新免 はい。いまはみんなフルリモート勤務なので、オンライン会議でおこなっています。
 
西田 でも、70人で決めるとなるとなかなか議論が進まなかったりしませんか?
 
新免 そんなこともありません! 会社は個人の私利私欲ではなく、利益を出してみんなを幸せにするという一つの目的に向かって動くものです。そのため、話がぶれることはないんです。
 
西田 なるほど。毎月の全体会議では、例えばどんな議題が挙がるんですか?
 
新免 「こんなことをやったらどうか」「この社員理念は、現状と合わないのではないか」など様々ですね。
 
西田 とはいえ、入社したばかりの新人からベテランまでが揃う会議では、意見を言いづらい人もいるはずです。特にリモート会議になると、前に出るタイプの人が場の空気を支配してしまったり、「○○さんはどう思う?」と話をふりにくかったりします。発言が苦手な人には、どう向き合っているのでしょうか?
 
新免 これについては、第一に口のうまい人や声の大きい人の意見が通るような環境を作らず、意見の内容や質に注目することが大事だと考えています。
 
そもそもうちは技術者の会社なので、どちらかというとあまり喋らない方が多いんです。でも、技術者として「本質が何か」を掴む能力は高いので、いい意見を言ったかどうかはみんなしっかり判断しています。
 
それから、もう一つ工夫しているのは、発言しない人のための「サイレントゾーン」を用意することです。
 
西田 サイレントゾーン……? いったい何ですかそれは。
 
新免 発言をしたくない人でも会議に参加しやすくするための取り組みです。zoomの背景をサイレントゾーン用の画像にしておくと、「私は喋りません」という意思表示になります。

↑サイレントゾーンの仮想背景

 

西田 議題を共有してみんなで一緒に考えることが大事なのであって、必ず意見を言わなければならないわけではないと。
 
新免 その通りです。ちなみに、このサイレントゾーンは、アスペルガーシンドロームの傾向がある社員への配慮から始まった取り組みになります。
 
西田 目の前の人に向き合うなかで、社員全員にやりがいをもって働いてもらうための方法を見つけていったわけですね。 

給与も社員みんなで決める

西田 『給与も賞与も、社員みんなで決めてます』。新免さんが書かれた本タイトルに驚愕したんですが……。本当にみんなで一人ひとりの給与を決めているんですか?
 
新免 本当に、みんなで決めています。
 
西田 どうしてそんなことが可能なのでしょうか。
 
新免 先ほど、うちには優秀な社員が多いと言いましたが、彼らが何を求めてこの小さな会社に入社するのかというと、高い給与ではなく、自分が納得して働けることなんです。だから、納得いく給与がほしいと考えている人が多くて。


西田 自分はこれだけやったから、それだけの評価をしてほしいと。
 
新免 そういう感じです。
 
西田 他の社員が会社からもらっている金額を把握することになりますが、ギスギスしたりはしないんでしょうか?
 
新免 しませんね。まず、ギスギスするようなやり方はおこなっていないですし、私たちとしても、居心地の悪い会社にはしたいわけではありませんから。ただ一番は、周りの人に対する愛が大切なのかなと思っています。
西田 全体査定を始めた当初は大変なこともあったんじゃないですか?
 
新免 ありましたね。みんなで高い給与を言い合おうと、社員同士で談合したりして。
 
西田 (笑)
 
新免 でも、そうしたいざこざを乗り越えてきたからこそ、いましっかりとこの制度を運営できているのだと思います。
 
西田 そうですよね。今回は、アクロクエストテクノロジーの新免玲子さんから、社員にやりがいを感じながら働いてもらうためのヒントをいただきました。本日はありがとうございました!
 
(編集:株式会社ツドイ)
 

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