ハガキ職人のきっかけは伊集院光への愛。おはようからおやすみまで、ラジオ一色の日々について/鳩子は授乳中【ラジオ沼から愛を込めて】

ラジオを深く愛する方々にその魅力を教えてもらう連載「ラジオ沼より愛を込めて」。第3回は、『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)などで活躍するハガキ職人、“鳩子は授乳中”さんにお話をうかがいました。子どもが産まれてから、どっぷりラジオの沼にハマった鳩子さん。コレクションする番組グッズとともに、主婦ならではの目線からラジオの魅力を語っていただきます。

伊集院光への愛で、ハガキ職人に

 

——まずは鳩子さんの「ラジオとの出会い」を教えてください。

 

鳩子 弟にくりーむしちゅーさんのオールナイトニッポン(ニッポン放送)の録音MDを貸してもらったことがきっかけです。「俺のツレがラジオで毎週ネタ読まれとって、でらヤバいんだって! 面白いもんで、一回聴いてみてよ!」(※友達のネタが毎週ラジオで採用されていて、とても面白いので一度聞いてみて!という意味)って。元からお笑いは好きだったのですが、深夜ラジオを聴くのは初めてで、そのおもしろさに衝撃を受けました。

 

読まれるメールも、お二人のトークも、ザ・深夜って感じのネタが多くて、「こんなこと放送できるんだ」「こんなネタを投稿できる場所があるんだ」とびっくり! 元々ボーイズラブが大好きで、下ネタも好きだったんですが、友だち同士でも直接喋るのは憚られるような内容もありますよね(笑)。そんなネタもみんなで笑える場所ってすごいなと思いました。

 

——そこからラジオにハマっていったのですね。

 

鳩子 そうなんですけど、最初はけっこう大変で(笑)。愛知県に住んでいるので、「JUNK」(TBSラジオの深夜1時~3時放送枠)をはじめ首都圏のラジオ放送を簡単には聴けないんです。なのでまずは、Podcastで配信されている芸人さんのラジオを片っ端からダウンロードして聴くようになりました。

 

限られた部分しか聴けなかったんですが、『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』、『JUNK 爆笑問題カーボーイ』、『JUNK 山里亮太の不毛な議論』、『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』(現:『エレ片のケツビ!』)。


放送終了してしまっている番組ですと、『アンタッチャブルのシカゴマンゴ』、『水曜JUNK 雨上がり決死隊べしゃりブリンッ!』、『金曜JUNK 加藤浩次の吠え魂』、『木曜JUNK ZERO ケンドーコバヤシのテメオコ』(すべてTBSラジオ)など、どれもおもしろくて夢中になりました。

——そのなかでも特にハマった番組はありますか?

 

鳩子 伊集院さんの『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』です! 当時Podcastでは最初の数分、フリートーク部分だけが配信されていたんですが、それが本っ当におもしろくて!

 

それまでは伊集院さんのことをほとんど知らなくて、「テレビに出てるニコニコした優しい人」というイメージだったんです(笑)。だからラジオを聴いて「こんなにおもしろい人なんだ! すごすぎる!」って衝撃的でした。起承転結がしっかりしているというか……、毎回ひとつの落語を聞いているかのような感覚で。

 

ああ、語彙力が……! うまく言えなくてすみません!

 

——いえいえ、ちゃんと伝わってます!(笑)。じゃあ、ネタ投稿をはじめられたのも伊集院さんの番組だったんですか?

 

鳩子 そうです。『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』が大好きになって、「この後も絶対おもしろいに違いない! どうしても全部聴きたい!」と、radikoのプレミアム会員になろうと思って。(有料のプレミアム会員になると、日本全国のラジオ放送を聴くことができる)

 

でも、そのときちょうど妊娠中で、「いま会員になると、夜通し聴き倒しちゃって体調に響きそうだな」と我慢......。オタク体質なので、なにかにハマるとひたすら時間を注いじゃうタイプなんです(笑)。

 

無事に子どもが産まれて、夜泣きも落ち着いた頃に、プレミアム会員加入を解禁しました。2016年末くらいですね。

 

フルで聴きだしてすぐに「私も伊集院さんに名前を呼ばれたい!」と思って投稿をはじめました。だけど、最初の3ヶ月くらいはまったく採用されなくって。

 

——へえ! 何通も投稿されていたんですか?

 

鳩子 思いつく限り、すごい数を送ってました(笑)。カルタのコーナーの各お題に50~60通とか……(※「新・勝ち抜きカルタ合戦改」のコーナーでは常に10~15種類くらいのカルタの読み札を募集している。)

 

やっと初採用されたのが、2017年2月6日放送の「嘘芸能トピックスかるた」(「新・勝ち抜きカルタ合戦・改」のコーナー)のラ行。「L'Arc~en~Cielの間に入っているニョロニョロ、陰毛説」ってネタで(笑)。飛び上がるほどうれしかったです!

 

ラジオ漬けの生活。娘に受け継がれる「お笑い好き」

 

——いまの鳩子さんの生活リズムを教えていただけますか? 普段どれくらいラジオを聴いていらっしゃるんでしょう。

 

鳩子 いつも6時くらいに起きて、ご飯の準備。一人娘を起こして、準備をさせて。7時半くらいに登校を見送ります。8時半からは『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)を聴きながら家事。自宅で寝たきりの祖母の介護をしているので、祖母の食事の準備、整容後の片付けや体調管理の書類の記入なども、片耳でラジオを聴きながらやっています。

 

最近は13時からの『たまむすび』(TBSラジオ)も聴きます。帯番組(平日毎日同時刻に放送される番組)の合間には、前日に聴けなかった番組やウェブラジオをチェックしたり、『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』のネタコーナーをくり返し聴いたりしていますね。

 

娘が学校から帰ってきたら、ラジオは聴かずに、娘の宿題や買い物、夕飯、お風呂などを済ませて、21時頃に寝かしつけ。そのときに、私も一緒に仮眠します。

 

24時には起きて、1時間に1度くらい祖母の様子を見て、介護しながら、大好きな『空気階段の踊り場』(TBSラジオ)、『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』などを聴きます。深夜ラジオは、ネタメールを投稿しつつ、Twitterで実況しつつ、集中して聴いていることが多いです。

 

いつも「JUNK」の終わる深夜3時くらいに就寝していますね。

 

——家事、育児、介護、と大忙しのなか、一日中ラジオを楽しんでいらっしゃるんですね。週に何本くらい聴いているんですか?

 

鳩子 うーん……、15本くらいですかね。帯番組を入れたらもっとかな。

 

——帯を入れずに15本、すごい!! そのうち、いくつの番組にネタ投稿を?

 

鳩子 聴く番組のほとんどに投稿しています。ラジオを聴きながら、思いついたら即送る!ってスタイルなので、完全にひらめき勝負です(笑)。送ったネタを記録したり、採用数を集計出来たら良いとは思うのですが、重い腰が上がらないまま今に至ります(笑)。

 

——ご家族で一緒にラジオを聴くこともあるんですか?

 

鳩子 私がラジオ好きなことも、私のラジオネームも、家庭内ではバレているんですが......。私、ほとんど下ネタしか送ってないですし、聴いている番組の内容的にも、娘には聴かせられないですね(笑)。

 

でも、『有吉の壁』(日本テレビ)とかゴールデンのお笑い番組は一緒に見ているので、娘もすでにしっかり「お笑い好き」です。

 

年少さんのとき、幼稚園の先生に「好きなテレビに出る人は誰ですか?」ときかれて、周りの子たちは仮面ライダーとかプリキュアとかなのに、一人だけ「空気階段とアルコ&ピース!!」って答えて、みんなをザワつかせたこともあるんですよ(笑)。

主婦こそラジオ! 「ながら聴き」の魅力

 

——鳩子さんの思う、ラジオの魅力はなんですか?

 

鳩子 「なにかをやりながら、こんなにおもしろいものが聴ける」っていうのが一番の魅力だと思います。私は、家事も介護もあって、一日中家のなかをバタバタと動き回っているので、片耳だけあれば楽しめるラジオがライフスタイルにぴったりなんです。

 

私、片付けも食器洗いも洗濯も、本当は全部イヤなんですよ(笑)。ずぼらだし、いつまで経っても家事は好きじゃない。でも、「家事=ラジオを聴く時間」と思い込めば、おっくうな気持ちがなくなるんです。

 

しかも私は「ずっとラジオを楽しんでる」感覚だけど、はたから見たら「家事をしてる」だけ。趣味に没頭する時間をとがめられないのも、うれしいポイントです。

 

——なるほど。主婦の鳩子さんならではの視点ですね。

 

鳩子 元々オタクだったので、ライブに行ったり、ゲームを何時間もやりこんだり、アニメや漫画をたくさん見たりすることが生きがいでした。でも、やっぱり子どもが生まれると、自分の趣味にかけられる時間は減ってしまって。

 

ラジオならタイムフリーでいつでも聴けるし、イヤホンがあればどこでも聴ける。ネタ投稿だって思いついたときにパッと送るだけ。「主婦であること」にまったく制限されない趣味なんですよね。 

 

それに、親になると、近くにいるのはママ友ばかり、話す話題も子どもたちのことばかり……。いつのまにかちょっと閉鎖的な環境になりがちだと思うんです。

 

でも私は、ネタ投稿やTwitterを通して仲良くなったラジオ仲間がいるおかげで、主婦だけど、ちゃんと「世間とのつながり」を感じられています。「職業や住まいにかかわらず、ただ好きなものを語り合える友だちがいる」という環境が、いまのストレスフリーな生活をつくってくれているんだと思います。

 

子育てに介護に、大変なこともたくさんありますが、ラジオがあるから、毎日の生活を楽しく乗り越えられる。「あのときラジオに出会えてよかったー!」と心から思いますね。主婦のみなさんにこそ、ぜひラジオを聴いてほしいです!

 

——今日は鳩子さんのラジオ好きっぷりがうかがえて、とても楽しかったです。ありがとうございました!

 

 

 

 

鳩子は授乳中/愛知県在住の主婦。ハガキ職人。2016年末から“鳩子は授乳中”のラジオネームで投稿をはじめ、2017年2月に『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』で初採用。「鳩子」はメイドカフェでお給仕をしていた時の名前で、大須観音前に群がった鳩を見て命名したそう。

 

Text:水沢環 Edit:ツドイ

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