米作りの難しさがリアルすぎる『天穂のサクナヒメ』。真山りかさんが稲作で学んだこととは?

プレイステーション presents ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ

PlayStation®初の公式ラジオ番組として、2016年4月からレギュラー放送しているプレイステーション presents『ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ』(毎週木曜日 夜9時~)。

寝食を忘れてゲームにのめり込むほどのゲーム好きで知られるライムスターの宇多丸と、ゲームをこよなく愛する著名人をゲストにお招きし、「人生におけるゲームとの出会い」や「あのゲームとの思い出」「今オススメのゲーム」など、ゲームについて楽しく熱く語り合うトーク番組です。

第238回:私立恵比寿中学の真山りかさん後編

ご飯を食べることの大切さを理解した

「マイゲーム・マイライフ」のゲストは前回に引き続き、私立恵比寿中学(エビ中)の真山りかさんです。前回、自身が乙女ゲームの話をひたすらしてくださいました。今回は乙女ゲーム以外でハマったゲームとして、『天穂のサクナヒメ』のお話です。

真山「稲作パートがガチの米作りで」

 

宇多丸「農業やっている方が見ても、これはすごいってことらしいですよ」

 

真山「らしいですよね。農林水産省の方が推薦されてたりとか」

 

宇多丸「そのぐらいすごいゲーム」

 

真山「(中略)何かを育てる作業は自分に向いてるのかなーとか」

 

宇多丸「もともとポケモンとかもね。じっくり育てたりするのが好き。ある意味恋愛ゲームもそうですよね」

 

真山「そうですね。推しを育てるゲームなので。自分が誘導するので。こちらだよって。そういう意味では育てるゲームはとても好きなので。アクションはそんなに、子どもの頃からやってきたわけではないので、そこまでプレイ自体が上手ではないんですよ。でも、サクナヒメは一人でできるっていうのが自分には安心要素で」

宇多丸「下手だろうと別にね、じっくりやればいいから」

 

真山「下手だろうとじっくりやって攻略できたらいい話なので。やってみようと思ってやってみたら、もうどハマりしちゃって」

 

宇多丸「へえ~」

 

真山「その、米作りがそもそもむっちゃ難しいんですよ」

 

宇多丸「ああ、そう簡単にできない」

 

真山「一年目、二年目くらいでだいたい、このゲームに対して、うーん、どうだろうってなっている人は、だいたいそこでつまづいているんですけど」

 

宇多丸「一年うまくできなくて」

 

真山「一年目、二年目を超えてくると、ラクになってくるんです。これはよく言う、子育てとかにも言えることで。私は経験したことがないですけど、赤ちゃんのときは大変だけど、ある程度育ってくると、わりと自分の意思を持ってやるようになるから、ラクになる。みたいなところが米作りにもあって」

 

宇多丸「土地もやっぱりだんだん向いてくるというか」

 

真山「そうなんですよ。米作りに向いた土地になってくるので」

 

宇多丸「やっぱり一年やそこらでばかばか採れてたら苦労しないよって話だもんね」

 

真山「で、なんかその、お米の大切さ。なかなかやっぱり上手に収穫できないし、不作の年もありますし、もちろん。米作りのその、水の量とかもそうですし、日もそうだし」

 

宇多丸「虫が出るとかも」

 

真山「虫もだし。作れても、どれだけ米を乾かすのかとか、どれだけ米を磨くのかとか、そこでおいしさも全然変わってくるとか」

 

宇多丸「やべえ」

真山「そういうのが私にはめちゃくちゃ刺さって、楽しかったですね」

 

宇多丸「これでも、やった人は言いますよね。お米がなんで大事にしろって言われるか、本当にわかったって」

 

真山「すごくわかります。お米ももちろんなんですけど、お米を収穫してさらにご飯を食べて、キャラクターたちのアクションパートのときに、そこが生かされてくる。食事が。食事をすることでキャラクターたちが強くなって、どれだけ自分の力を発揮できるか」

 

宇多丸「ちゃんと豊かな実りがあるということが、アクションのほうにも生きてくる」

 

真山「収穫することだけがゴールじゃなくて、収穫してご飯を食べる。そして、アクションするという3つの要素がちゃんとできないと、このゲームができなくて。私、最初ご飯とかケチケチケチケチやってたんですけど」

 

宇多丸「もったいねえって(笑)」

 

真山「もったいねえ、もったいねえって。でも、そうじゃないんだ。ちゃんとご飯食べないとできないんだ。自分たちもライブとかで、ご飯をしっかり食べないといいパフォーマンスできないよって大人には言われるけど、理解できない部分とか、過度なダイエットしちゃうとかあるじゃないですか。そういうものをこのゲームで気づかされました」

 

 

個人的にも『牧場物語』をはじめとした、物作り系のゲームは大好物なので、サクナヒメも気になるところ。

こうして真山さんのお話を伺っていると、すごくやりたい気持ちになってくるのですが、懸念点がひとつ。もしかしたら米作りの難易度が高いところは相当に好みが分かれる部分かもしれません。と、いうのも、自分の場合は「ゲームの中で夢を見させてほしい」んですよね。リアリティーよりも、プレイ感が爽快なほうがいい。牧場・農場系のゲームの何が好きって、リアルでは大変すぎて絶対にできないことがわかっているけれど、「作ってみる楽しさ」を味わいたい(=夢を見たい)わけです。リアルを生きるのって基本的にものすごくしんどいので、ゲームの中でくらいは快適に過ごさせてくれよ、と。ああ、だから『どうぶつの森』をはじめとした、自分の理想の村を作るようなゲームが好きなのかもな……。現実逃避するための、自分だけの理想郷をそこに求めていたのか、私は。

ともかく、収穫の喜びや、もぎとる爽快感が楽しいので、作る過程は簡単でいい。だからそこを「リアルな米作り」に近づけると、食育としては素晴らしいゲームだとしても、「爽快感」や「夢」を求める層にはミスマッチになるような気がします。

同じ系統のゲームが好きといっても、その中でも求めているものがそれぞれ違うため、自分がゲームに何を求めているかを明確に認識するのが、まだ見ぬマイベストゲームに巡り合う近道、ということなのかもしれません。


 

■今回のピックアップ・フレーズ

 

真山「遮光カーテンって便利ですよね、やっぱり。ゲームしていて日が出て明るくなる瞬間って一番の絶望なんですよ」

 

宇多丸「もう朝だー」

 

真山「(中略)遮光カーテンだと閉めてる限りずっと日常が続いてるというか」

 

宇多丸「現実を見ないようにしているだけですけど(笑)」

 

 

文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)

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